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コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」

2025年6月16日

資本剰余金からの配当について

大阪ネットサポートセンター 池田 大阪ネットサポートセンター 池田


  • 皆様こんにちは、大阪ネットサポートセンターの池田です。

     

    3月期末の株式配当金の支払いが始まっています。

    そこで今回は配当金について、ご案内いたします。

    皆様は、配当金の原資によって課税方法が異なることをご存知でしょうか?

     

    「利益剰余金」

    通常、株式の配当金の原資は、利益を積み上げた「利益剰余金」から支払われます。

    この場合、個人株主が受け取る配当金にかかる税金は「配当所得」として20.315%が源泉徴収されます。

     

    「その他資本剰余金」

    資本金減少差益や資本準備金減少差益、自己株処分差益など「その他資本剰余金」を原資として、配当金が支払われる場合があります。

    こちらの配当金は、資本剰余金の内、資本準備金以外の勘定項目で、資本金および資本準備金からの取り崩しによって生じる剰余金のため、保有株式の一部を譲渡(みなし譲渡)したものとみなされ、この場合の税金は、株式の売却と同様に譲渡損益の対象となり、譲渡損益の計算や取得単価の修正が必要になります。

    「その他資本剰余金」から配当金が支払われているかどうかは、実施する会社の「配当金に関するご通知」や「配当金に関するQ&A」で確認できます。

     

    この3月期末に「その他資本剰余金」から配当金を出している会社のひとつがLINEヤフー(4689です。

     

    LINEヤフーの「20253月期の配当金に関するご通知」では、「期末配当7円は、利益剰余金・その他資本剰余金を原資として支払われます」と案内されており、1株当たりの配当金7円の内訳(「みなし配当」と「みなし配当以外」)は、下記の通りです。

    ・みなし配当:6.4551222826円(源泉徴収の対象)

    ・みなし配当以外:0.5448777174(源泉徴収の対象外)

    ・純資産減少割合0.006

     

    LINEヤフー株100株を保有している場合の、配当金の譲渡損益の計算方法は、以下の通りになります。

    ・保有株数 100

    ・配当金 7円
    ・修正前の平均取得単価 520

    【みなし譲渡損益】

    みなし譲渡損益は下記の計算式で計算します。

    ①収入とみなされる金額=1株あたり配当-みなし配当×株数

    7円-6.4551222826円)×100株=54円(円未満切捨)

    ②取得価額=修正前の取得価格×純資産減少割合×株数

    520円×0.006)×100株=312

    ③みなし譲渡損益 =①収入とみなされる金額-②取得価額

    54円-312円=-258

     

    【取得単価の修正】

    資本剰余金を原資とする配当金を受け取った場合の、取得単価の修正は下記の計算式で計算します。

    ④修正後の取得単価=修正前の取得単価-(修正前の取得単価×純資産減少割合)
    520
    円-(520円×0.006)=517円(小数点以下切り上げ)

     

    となります。

     

    当社ホームページのよくあるご質問でもご案内しておりますのでご参照ください。

     

    なお、当社では特定口座をご利用の場合、損益の計算や取得単価の修正を行いますが、税務申告などにつきましては、お近くの税務署や税理士等にご確認くださいますようお願い申し上げます。


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