コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2026年10月13日ROIC(投下資本利益率)
大阪ネットサポートセンター
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みなさんこんにちは。
大阪ネットサポートセンターの中村です。
皆様、ROIC(投下資本利益率)をご存知でしょうか?
私がROICを知ったきっかけは、数年前に某有名ファンドマネージャーの方が注目指標として挙げられていたことでした。
私は仕事柄、個別企業の決算資料を読む機会が多いのですが、最近、このROICを用いている企業が以前より増えてきていると感じます。
そこで今回は、このROICについてお伝えします。
ROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)とは
企業が事業活動のために投じた資金(資本)を使って、どれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す財務指標です。計算式は以下の通りです。
ROIC=税引後営業利益÷投下資本(有利子負債+自己資本)
・税引後営業利益:本業で稼いだ営業利益から、みなし法人税を差し引いた金額
・投下資本:銀行などからの借入金(有利子負債)と、投資家からの出資金(自己資本)の合計。事業に直接関係のない余剰資金や投資有価証券などは原則として除外されます。
ROICが高いほど、銀行や株主から調達した資金を無駄なく事業に活用し、効率的に稼いでいる企業であることを意味します。
ROICが特に注目を集めるようになった4つの背景
1.資本コスト(WACC)を意識した「真の企業価値」の測定
投資家や金融機関は、企業に提供した資金に対して最低限求める利回り(資本コスト=WACC:加重平均資本コスト)を持っています。企業が真に価値を創造している(=企業価値が向上している)と言えるのは、ROICがWACCを上回っている状態(ROIC > WACC)のみです。売上や利益の額(PL)だけでなく、「調達コスト以上の利回りを出せているか(BS)」という視点が投資家から強く求められるようになりました。
2.ROEやROAの弱点の補完
従来の代表的な収益性指標には、それぞれ経営実態を見誤る構造的な弱点がありました。
・ROE(自己資本利益率)の弱点: 借入金(負債)を過剰に増やして自己資本の割合を減らせば、本業の収益性が改善していなくても数値を高く見せかけることができます(財務レバレッジの操作)。
・ROA(総資産利益率)の弱点: 事業に使っていない多額の現預金(内部留保)や遊休不動産など、すべての総資産が分母に含まれるため、本業単体の純粋な稼ぐ力が見えにくくなります。
ROICは「事業に実際に投下された資金のみ」を分母とし、資本構成(負債と自己資本の比率)の歪みも排除できるため、企業の純粋な実力を正確に測ることができます。
3.事業ポートフォリオ管理(撤退基準)への活用
ROEは全社レベルの財務構造に影響されるため、個別の事業部門の評価には不向きです。一方、ROICは「部門ごとの利益 ÷ 部門ごとの投下資本」で算出できるため、社内のどの事業が価値を創造し、どの事業が価値を破壊しているかを可視化できます。これにより、成長事業への投資や不採算事業からの撤退判断を合理的に行うための社内基準として導入する企業が急増しています。
4.コーポレートガバナンス改革と東証の要請
東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請や、コーポレートガバナンス・コードの改訂により、日本の上場企業は資本効率の改善を強く迫られています。自社の資本コストを把握し、それを上回るROICの目標値や改善計画(ROIC経営)を投資家に開示・対話することが実質的なスタンダードとなっています。
まもなく迎える決算発表のシーズン。
ROICに注目していただければ幸いです。
【ご注意事項】
※売買のご判断はご自身の責任において行われますようお願いいたします。




