コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2024年10月23日救命救急
東京ネットサポートセンター M.S.
皆さま、こんにちは。事務を担当しておりますM.Sと申します。
先日の通勤途中。
初老の方が倒れていて、救急隊の方が救護活動を行なっている場面に遭遇しました。
状況の詳細は分かりませんが、その光景を見て「もし、自分がその現場に居合わせていたら、医療の知識や経験もない自分は何かできたのだろうか?」と考えました。新聞で読んだ記憶だと、日本では、救急車の平均到着時間は、約10分。場所によっては、それ以上かかる場合もあります。
心臓が止まってしまうような重大な病気や事故の場合、心臓と呼吸が止まってから時間の経過とともに救命の可能性は急激に低下するため、救急隊が到着するまでの数分間に、私のような者でも何かできることはないか、調べてみました。
■心肺蘇生法とその意義
心肺蘇生法とは、心臓マッサージを主に行い、呼吸の補助方法である気道確保や人工呼吸、AED(自動体外式除細動器)による救命行動が示されています。
意義は、脳への酸素供給維持。脳自体には酸素を蓄える能力がなく、一刻も早く脳に酸素を送る必要があるとのことです。
人間の脳は2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度あるそうですが、4分では50%、5分では25%程度と激減。
そのため、救急隊到着までの数分間に、現場に居合わせた人による心肺蘇生が行われるかどうかが救命率に大きく関わるとのことです。■心肺蘇生法の手順
日本医師会緊急蘇生法 出典:日本医師会HP
ポイントは、極力周りの人を巻き込み、手分けして救命すること。
119番通報やAEDの調達などは、「誰か」と呼ぶのではなく、「あなた」と指をさしてお願いする事。
次に、呼吸がなければ(または正常でなければ)すぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を実施。胸の真ん中を、1分間に100回〜120回のテンポで圧迫し5センチほど沈むように。
現実的にはペースを測ることは難しいので、とにかく強く、速く、絶え間なく行うこと。
尚、アメリカ心臓協会では、一般市民向けにもっと簡略化して「まず救急へ通報、次に胸の真ん中を強く早く押す」だけを強調しています。そして、胸骨圧迫のテンポについては、ディスコ映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の名曲「ステイン・アライヴ」を推奨しているそうです。この曲のテンポは1分間に103回で、思い出しながら押すと約113回/分であったということから採用されたとのことです。
■AED(自動体外式除細動器)AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
2004年7月より一般市民でも使用できるようになりました。AEDは、操作方法を音声でガイドしてくれるため、簡単に使用することができるそうです。
AEDは、意外にも私達の身近な場所に設置されています。普段から、自宅や職場の周辺に設置されているか把握しておきましょう。日本国内における設置箇所は、下記から確認できます。
最寄り駅に設置されていたAED(自動体外式除細動器)
ちなみに国内唯一のAED製造メーカーは、日本光電(東証プライム 6849)です。
2007年の東京マラソンでは、同社のAEDを36台提供、実際に同社のAEDにより2名の心停止者が救われたとのこと。
また、医療従事者ではない一般市民の方でも、気軽に救命講習会を受講することが可能で、全国にある各消防署などで受付しています(日程等は要確認です)。
また、気軽にインターネットで学ぶことも可能です。
応急手当WEB講習 出典:総務省消防庁HP
総務省消防庁のページには、このように書かれていました。
「目の前で、誰かが倒れた時、あなたは助けることができますか?」
前述の通り、近くにいた人が倒れた時、救急隊が到着する前の数分間の行動で、助けられる命もあることが分かりました。
同時に、そういった状況に遭遇した場合、自分はちゃんと行動できるのだろうか?と不安にもなりました。
必要なことは、正しい知識とスキルを身に着けること。
そして、一番重要なことは、ちょっとした「勇気」。
「恥ずかしがりや消極的。知識はあるが無関心」と評されがちな現代日本人ですが、有事の際は、おせっかいくらいで丁度よいのかも・・・。