コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2024年9月 9日フラッシュクラッシュ
東京ネットサポートセンター 野地
こんにちは、東京ネットサポートセンターの野地でございます。
現代の金融市場は、情報技術の進化により驚異的なスピードで取引が行われるようになりました。その中心にあるのが、高速取引(HFT、ハイ・フリークエンシー・トレード)と呼ばれる手法。
米国市場では2008年~2012年においては取引高の約50%以上が高速取引(HFT)となり金融市場において大きい存在になっています。東京証券取引所では、2010年1月4日に導入。2018年4月、高速取引行為者にかかる登録制の導入後登録が進み、金融庁が発表した2023年12月末時点の登録業者は52社となっており、売買代金の比率は足元35%で推移しているとの事です。
記憶に新しいところでは、8月の史上最大の下げ相場でもHFTは話題になった高速取引(HFT)。このブログでは、HFTの利点と欠点、そしてそれに関連するフラッシュクラッシュについて、自分なりにまとめてみたいと思います。
■高速取引とはアルゴリズム取引(コンピューターがマーケットの価格等から最適な発注タイミングを判断して自動的に売買の判断を出す取引)を用いて、超高速で金融商品を売買する手法を指します。これにより、秒未満の短時間で利益を生み出すことが実現されました。
東証の株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」はマイクロ秒レベルの受信から応答までの処理速度。マイクロは100万分の1。
かつて取引所に「場立ち」がいた時は「証券会社の店頭➡場立ちに連絡➡場立ちが場(魚市場でいうセリ場)で注文」と、人を介する為、一つの注文を流すまでに相当な時間がかかりましたが、取引のシステム化により秒未満での取引が可能になったと書くとわかりやすいでしょうか?
高速取引は、主に株式取引、FX取引さらには仮想通貨取引等、広く利用されています。
■高速取引の利点1,流動性の向上
高速取引は市場における流動性を高め、売買のスプレッド(値幅)を縮小する手助けをします。これにより、一般の投資家も有利な価格で取引が行いやすくなります
2,効率的な価格形成
多くのトランザクション(取引)が行われることで、価格が市場の実態に即したものと
なり、効率的な価格形成が実現します
■高速取引の欠点1, 市場の不安定化
アルゴリズム取引が予期せぬ事態に反応すると、大規模な価格変動を引き起こすトリガー(きっかけ)になる可能性があります
2,取引の集中化
大口資金でアルゴリズム取引を用いて超高速取引を行う投資家(クジラ)が、価格を操
り、小規模な投資家は競争に負けやすくなります
■フラッシュクラッシュフラッシュクラッシュとは、わずかな時間に市場が急激な変動を起こし、その後すぐに回復する現象を言います。主因の多くは、高速のアルゴリズム取引。
複数のアルゴリズム取引(大口の高速自動売買取引)が、互いに反応しあい、結果的に大量の売り注文が自動的に発生することがあるためです。
フラッシュクラッシュは一時的なものであることが多いですが、投資家にとっては、予期せぬ災難となることもあります。
■まとめ高速取引とフラッシュクラッシュは、現在の取引市場における「光と影」とも言えます。
技術の進歩は取引をより敏速かつ効率的にしていますが、それに伴うリスクも慎重に管理する必要があります。
今後も技術革新が続くと思いますが、災難は忘れた頃にやってくるので、気をつけたいです。
関連銘柄:富士通(6702)