コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2022年9月 5日クジラの彼
ネット企画部 N.H.
唐突ですが、本日のブログテーマは好きな本について。
こうした文章を書くのは、おそらく高校生の夏休み以来かもしれません。〇年ぶりのイベントにドキドキ。
読書感想文を書くことは比較的好きな子供でしたが、
無意識に先生ウケを気にして本をチョイスしていました。
そのため、今回は純粋に好きな本について!ご紹介するのは、有川浩先生の『クジラの彼』です。
有川浩先生は『阪急電車』や『フリーター家を買う』、『三匹のおっさん』など
発表している作品のほとんどが映像化されている作家さんですが、この『クジラの彼』はドラマにも映画にもなっていない、短編小説です。
タイトルにある、"クジラ"をきっかけに男女が恋に落ちる物語。
...ネタバレしない程度に、もう少し詳しく説明すると(とは言え少し内容に触れますのでご注意!)
「クジラの彼」というのは潜水艦に乗っている、海上自衛隊員の男性のこと。日頃から潜水艦が"沈む"と表現されることに違和感を覚えていた彼。
ある日、合コンで出会った初対面の女性に「潜水艦って"クジラみたい"に"潜り"ますよね」と言われ、
彼女が使う言葉のセンスに惹かれていき、交際がスタートします。
私も、日常生活で男女関係なく他人を「素敵だな」と思う瞬間は、「そんな比喩表現が!?」とかその人が使う言葉にビビッとしびれた時です。
作品を読んだ当時、同じ気持ちの人がいた!と歓喜した記憶が。
ドラマや小説は奇抜な出会い方や、あり得ない設定を楽しむものが多いですが、
この作品は「その人の使う言葉が好き」という視点で進むラブストーリー。
二人が恋に落ちるきっかけは、フィクションにしてはなんとも素朴ですが、
自衛隊の彼と付き合ったらこんなに大変なの?!と、
民間企業に勤めていると中々知り得ない世界が広がっており、お気に入りの一冊です。ちなみに私は潜水艦と目にして、今も昔も海上自衛隊の方が召し上がるという
「潜水艦カレー食べたい!」が頭をよぎったので、この作品の彼に惚れられることは無さそう。
トホホ...。少しでも情緒ある大人の女性になる!がこの夏の目標です。