マーケットレポート

プロの視点からわかりやすいレポートを提供します。

「IwaiCosmo Market Topics」

2020年1月28日

新型肺炎への警戒は仕込み場か

投資調査部長 有沢 正一 投資調査部長 有沢 正一

  • 中国湖北省武漢で発生したとされる新型コロナウイルスによる肺炎感染が急拡大、世界経済のリスク要因として急浮上し、世界の株価市場が大きく動揺している。

    当初は感染力・致死率とも2002-2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)に比べ感染の脅威は軽微と見られていたが、中国の春節休暇入りを控えた1月から一気に感染者数が拡大、公共交通機関の封鎖や春節休暇の延長、工場閉鎖等の措置が広がり、中国国内のみならず経済、金融への悪影響が深刻視される事態になっている。

    決して楽観が許される問題ではないが、致死率は依然として3%程度とSARS10%近い水準に及ばない上、中国やWHOの初動対応が早かったことから早期の終息も期待できる。

    SARSに関して、一般に流行が広く報じられたのは2003年の3月だが、そのころには米国株がいち早く反発、日本株はソニー・ショック(4/25)やりそな銀行国有化(6月)に絡んで当時のバブル崩壊後安値を形成、5月から反発基調を鮮明にしている。

    SARS.png

    年初の「イランショック」を乗り切り、日経平均が24,000円近辺のもみ合いから上抜けを目指していたところに、新型肺炎の感染拡大への警戒感は日本の株式市場にも大きなダメージを与えた。確かに、立ち直りの兆しが見えていた中国景気が再び減速感を強めるようであれば、幅広く日本企業の業績に悪影響をもたらすだろうし、ここ数年間は日本の消費を下支えてきたインバウンドに与える影響も懸念される。ただ、足もとで感染拡大が加速している新型肺炎も数ヶ月で終息に向かうとすれば、警戒感が最も高まっている今は仕込みの好機と言えるのではないだろうか。

    今年は、日本でも5Gの商用サービスが本格化し、超高速・大容量の電波がこの先数年間にわたって産業界に革新をもたらし、私たちの生活も大きく変えていくと言われている。そして、そのような流れを受けて世界的に半導体の需要が大きく、長く拡大するとも言われている。年明けの株式市場では、そのような期待を反映して東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学工業といった半導体関連株や、ソニー、NEC、村田製作所などの5Gに関連したハイテク株が値を飛ばした。新型肺炎の脅威が世界中に広がって数年間も続くのであれば話は別だが、数ヶ月で終息するものであれば、「5G時代の到来→半導体需要の拡大」という産業界のトレンドに大きな変化はないだろう。そして、足もとで大幅下落に見舞われている関連株の動きを見ると...。週足のチャートを見ていただきたいのだが、トレンドはまったく崩れていない。つまり、移動平均線は上向きに推移しているし、株価はしっかりとその上に位置している。今回の株価下落は、中期的な上昇トレンドの中での短期的なスピード調整と考えて良いだろう。半導体関連株や5G関連株については、成長性に恵まれた事業環境のトレンドも、上昇基調を保つ株価のトレンドも変わっていないということだ。

    しばらく不安定な地合いが続きそうだが、上昇トレンドを維持している株に狙いを絞って、押し目買いの好機を探していきたい局面だ。

    6857週足.png

    * トレーダーNEXT

    6758週足.png

    * トレーダーNEXT

  • 口座開設費・管理費無料 口座開設
  • 初めての方へ
  • ネット取引 ログイン
  • くりっく365 取引所FX ログイン
  • くりっく株365 取引所CFD ログイン

TOPへ戻る