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コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」

2024年2月20日

炭鉱のカナリア

大阪ネットサポートセンター 東尾 大阪ネットサポートセンター 東尾


  • 皆様こんにちは。

    私は大阪ネットサポートセンターの東尾と申します。


    先日、日経新聞を読んでいると次のような一文がありました。


    「投機的等級とされるハイイールド債(低格付け債)は、金融市場の変調に敏感に反応する『炭鉱のカナリア』とも呼ばれる」


    文章の前後関係から、「金利が上昇する時には、まず信用格付けの低い債券の金利から上昇(=債券価格は下落)し始める。金利が上昇すれば、景気の後退につながるため注意が必要である」ということを言っているのだろうと推測出来ます。


    少し詳しく説明すると、社債の利回りは、国債利回りと国債利回りに対するスプレッドの合計。景気が悪化に向かう兆候を市場が感じ取ると、信用力の低い(格付けの低い)債券の利回りは上昇(単価は下落)します。景気後退時にはお金は安全資産に向かう為、国債利回りは低下(単価は上昇)しますが、信用力の低い企業は債務不履行リスクが警戒され国債に対するスプレッドが拡大する為、合計した社債利回りは上昇します。この特徴から、ハイイールド債のスプレッドの拡大は、景気後退の予兆では?と警戒されます。



    補足ですが、新聞記事にある「金利が上昇すると景気後退につながる」というのは、市場金利。市場金利が上昇する要因はいくつかありますが、主に「中央銀行が、インフレの鎮静化のために政策金利を引き上げる」ことを読み込むもの。

    そして、「市場金利の変化が、株式市場に与える影響は?」というと、2022年年初から米国FRBは、インフレ対応のため金利を上げてきましたが「株式相場は下落したか?」というとご存知の通り上昇しています。

    今年は、日本は利上げ、米国は利下げの予想がされておりますが、株式相場においては「利上げ=株安」・「利下げ=株高」と単純な図式で考えるのではなく、その時点の経済事象が大切です。念のため。



    話を戻しますが、炭鉱のカナリアとは何なのでしょうか?

    金融市場において「炭鉱のカナリア」とは、「景気変調や金融危機などの発生を事前に知らせる兆候」という意味で使われています。


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    近代ヨーロッパなどでは、炭鉱夫が石炭を採掘する際に、鳥かごに入れたカナリアを炭鉱に持ち込んでいました。これは、カナリアは常に鳴いている鳥で、鳴き声が止まった時(カナリアが死んだ時)には、メタンガスや一酸化炭素などの有毒ガスが発生しているということだからです。炭鉱夫たちは、カナリアの死を通じて、危険の察知を目と耳で確認することができると、有毒ガスの検知に用いました。


    最近(?)では、地下鉄サリン事件の2日後、1995年3月22日、オウム真理教の活動拠点だった上九一色村の強制捜査の際にもカナリアが用いられました。



    かつて炭鉱夫達は、カナリアを頼りに作業をしていました。

    私は、お客様に頼りにしていただけるサポート員になりたいと常に考えております。

    ご不明な点やご相談等ございましたら、ネットサポートセンターまでお気軽にお問い合わせくださいませ。





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