コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2023年11月 9日期待されている全固体電池
大阪ネットサポートセンター 宮村
おもちゃやスマートフォン、自動車など、私たちの生活に欠かすことができない電池。
そもそも電池は「プラス極」と「マイナス極」、そして電気を起こす為の「電解液」からできており、この3つが化学反応(ほかの物質に変化する反応)を起こすことで電気が生まれる仕組みで、これらを「化学電池」と呼びます。
他に、太陽の光を利用する「太陽電池」や、熱エネルギーを利用する「熱電池」、原子力を利用する4「原子力電池」等もありますが、これらは「物理電池」と呼びます。電池は、身近な使い捨ての乾電池を一次電池、充電できる電池を二次電池とも分けられます。その電池に、新たな革命的な商品が誕生しようとしていることをご存知でしょうか?
それは、従来の電解質が液体であるリチウムイオン電池に代わる新しい電池技術として注目を浴びているエネルギー貯蔵デバイス「全固体電池」です。次世代電池の本命として注目されています。リチウムイオン電池は液体電解質を使用しているため、燃えやすさや液漏れのリスクがあり、安全性の向上が求められていました。
全固体電池は、その名の通り電解質が固体。「バルク型」は、電極や電解質の材料が粉体(個納屋粒が詰まったもの)で蓄えられるエネルギー量が多いので電気自動車などに、「薄膜型」は、真空状態で電極の上に薄い膜上の電解質を積み上げる方法で製造されます。
こちらは蓄えられるエネルギーは小さいのですが長持ちする特徴があるのでスマホなどのデバイスに向いています。全固体電池の利点は、
①高いエネルギー密度
全固体電池は従来の液体電解質を使用する電池よりも高いエネルギー密度を持ち、より多くのエネルギーをコンパクトなサイズで貯蔵できます。
②長い寿命
全固体電池はサイクル寿命が長く、数千回の充放電サイクルに耐えることができます。
これはリチウムイオン電池よりも優れた耐久性を意味します。
③高い安全性
液体電解質を使用しないため、火災や爆発のリスクが低減しますので、電気自動車や携帯電話などのデバイスで特に重要です。
④広い動作温度範囲
全固体電池は広い温度範囲で安定して動作できるため、過酷な環境下でも使用できます。一方で、全固体電池技術にはいくつかの課題も存在します。
これには製造コストの高さ、高い導電性の固体電解質の開発、大量生産の難しさなどが含まれますが、現在これらの課題を克服するための多くの研究開発の取り組みが行われています。実用化が成功すれば、エレクトロニクスから電気自動車まで、多くの分野に革命をもたらす可能性があります。
高性能かつ安全な電池技術は、エネルギー効率の向上や環境への負荷軽減につながるでしょうから、今後の研究開発が、この技術の実用化を加速させ、私たちの日常生活に変革をもたらすでしょう。投資テーマとしてももちろん有望です。
株価は、技術が広く普及するまでが上昇するとも言われます。
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