コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2023年9月19日TOB成立後のご注意点
東京ネットサポートセンター 藤村
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東京ネットサポートセンターの藤村です。
まだまだ暑い日が続きますが、朝晩は多少涼しくなり過ごしやすくなりつつありますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
さて最近、TOB(株式公開買い付け)の銘柄が多くなっており、お客様からのお問合わせも増えております。
TOB(株式公開買い付け)一覧 (※2023.9.4現在)
少し前の新聞(日本経済新聞 2023年6月23日付け)に、
『TOB(株式公開買い付け)の成立で上場廃止になった株式に関し、譲渡所得の申告漏れが目立つ。』との記事が掲載されていました。国税庁がTOBに関する所得税の申告状況について抽出調査を行い、その結果、半数以上に申告漏れが見つかったとのことでした。
国税庁の担当者は、特定口座での取引と同様に確定申告の必要がないと勘違いしてるケースが多いとみており、今後も無申告事案を中心に積極的に調査していく、とのコメントも掲載されていました。2020年には、NTTがNTTドコモを完全子会社化するための大型TOBがあり、成立しました。
最近では、株式を非公開化し経営を立て直すために日本産業パートナーズ(JIP)などの国内連合による東芝へのTOBが開始されており、TOBのお申込みは明日9月20日までとなっております。(当社への口座振替申請書の到着は9月14日で終了です。)
TOBが成立し上場廃止が決定された銘柄の場合、TOBに応募しなかったお客様は上場廃止日前営業日までは、市場で株式を売却することができます。
そのまま保有して上場廃止となった場合には、注意が必要です!
上場廃止後、株式をTOBによる買付業者等に買い取られた場合には、上場株式の譲渡ではなく、証券会社を通さない相対取引になります。特定口座での損益計算は行われず、また他の上場株式の譲渡所得との損益通算や繰越控除ができません。
そのため、上場廃止となった株式をTOBによる買付業者等に買い取られた場合に利益が発生すれば、申告しなければなりません。
くれぐれもお気をつけ下さいませ。