コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2023年8月29日完成形から考える新NISAの銘柄選び
大阪ネットサポートセンター 堀池
大阪ネットサポートセンターの堀池です。
日頃はご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
ニュース番組などでも取り上げられることが多くなった「新NISA制度」。
長期投資の効果について述べた解説は多いのですが、今回は、比較的自由に投資対象を選べる「成長投資枠」について「5~6年後の完成形」から考えるアプローチをご紹介いたします。「新NISA制度」のポイント
①新NISA制度の投資枠
新NISA制度の非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠の合計で1800万円まで、そのうち成長投資枠は1200万円までとなります。
②新NISA制度の投資対象
投資対象は、つみたて投資枠と成長投資枠でそれぞれ投資できる対象が異なります。
③投資枠の再利用が可能
ポイント①でご説明した通り、例えば、成長投資枠の年間投資枠は240万円。
仮に毎年240万円ずつ購入していくと5年で成長投資枠の非課税限度額である1200万円に達します。
投資した1200万円のうちの全部もしくは一部を途中で売却することはこれまでのNISA制度同様可能です。
大きな違いは、途中売却した場合、その売却にかかる投資元金は、毎年1年が終わるタイミングで空いている枠として考え、翌年の枠として利用可能となることです。
言い換えると、元本1200万円の株などの投資商品を新NISA枠にプールした後は、毎年最大で買値ベースで240万円分の銘柄を入れ替える余地があることになります。
年末が近づくと源泉分離課税の損益通算のために売買をされる方はおられると思いますが、新NISAも、成長投資枠で投資した投資対象の見直しのために、年の後半から年末にかけて元本ベースで240万円分の商品を売却し、空いた枠で翌年の前半に銘柄を購入していくという運用もセオリーになるかもしれません。
(年初に売却しても非課税投資できるのは翌年からなので「年末にかけて」と上記しましたが、投資先の企業の経営状況などの急激な悪化などであればもちろん年末にこだわる必要はありません)④銘柄の入れ替えや利確を頻繁に行うと実は不利?
③で、「入れ替えをするのがセオリーになるかも」と書きましたが、実は新NISAの制度は頻繁に銘柄の入れ替えや利益の確定を行うと不利になる制度です。
不利になる1点目は、長期投資効果が得られないこと。
新NISAの投資は無期限という特徴がありますが、「成長投資枠」と名前がついているように一度購入したら売却せず長期投資効果を得るのが新NISA制度。
途中で売却すると長期投資効果を得らません。
不利になる2点目は、非効率な入れ替えになる可能性があるため。
新NISAの枠は、購入時の金額によって管理されます。
上限1200万円まで枠を使った状態で利益の出ている銘柄を売却した場合、売却分と同じ金額を非課税枠として買い戻すことはできず、投資元金のみ(上限金額年240万円まで)となります。
それでも資金が必要になったとか、入れ替えを考える必要がある場合、新NISA枠をより一層有効に運用する=新NISA枠にプールされている金額を大きくしていくには、利益の出ているもの≒もっと成長しそうなものを売却するのではなく、損が出ているもの≒見通し通りにいかなかったものを売却し、翌年に空いた投資枠で新しく期待したい銘柄に投資した方が良いということになります。⑤新NISA利用の際に銘柄選びで押さえておきたいポイント
新NISAの銘柄選びについては、以下のポイントを重視していただくと良いと考えます。
A.一時的な流行りの銘柄ではなく、長期的に期待できる銘柄・企業であるか
→ NISAは長期投資に適した制度です。
B.買値ベースで1銘柄に240万円以上集中すると、1年で全てを入れ替えることができなくなる
→ 最低でも5銘柄以上に分散することになりますね
C.業種についても特定の業種に集中しすぎるのは好ましくない
→ 個別企業として分散していても同業種であれば同時に下落するリスクを抱えてしまいます最初の数年間は、投資上限枠に余りが出た場合、少額投資が可能な1株から購入可能の米国株や1口単位で購入可能の投資信託で埋めていただくと効率的です。
(米国株式は1株単位での売買なので数万円で投資できる銘柄が多く、投資信託は銘柄によりますが、1,000円以上1円単位など非常に細かい額での投資が可能です。)
いよいよ来年から始まる「新NISA」。
どうしようかと戦略を立てておられる方は、上記も考慮いただき、完成形をイメージしてご検討いただくと面白いと存じます。コスモ・ネットレ「新NISA制度ご案内ページ」
https://www.iwaicosmo.net/netlp/newnisa/index.php