コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2023年7月12日廃棄されるお米で作った紙
大阪ネットサポートセンター 井上
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日本人としての誇りであり、大切にしたい日本文化である『もったいない精神』。
物やお金、資源やエネルギーを無駄にしない意識は強いですが、穀物に対しては殊の外かもしれません。
「ご飯を残すと目がつぶれる」と躾けられた方は多いのでは?現代では、食品ロス、フードロスが問題になっていますが、企業や自治体が備蓄する災害用食品も増大しており、農林水産省の2020年の資料だと食品ロスは522万トン。
国民一人当たりだと年間に食べるお米の量に近い約41キログラムだとか。利用されず賞味期限切れで廃棄される量は膨大です。
2019年に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、外食産業などに社会的取り組みを促した結果、様々なアイディアが生まれています。その一つが、紙。
食用に適さない古米、備蓄用で廃棄されてしまうお米や、メーカーなどで発生する破砕米、食べられなくなったお米(非食用)を活用し、紙素材にアップサイクル(廃棄予定であったものに手を加え価値をつけ、新しい製品に生まれ変わらせる)することで価値を生み出している企業があります。その名も「kome-kami」。
お米は食べるだけではなく、古くから紙の材料として混ぜて使う文化があり、江戸時代には、紙を白くしたり、筆のにじみ防止に盛んに使われていたそうです。「kome-kami」のホームページには「ずっと(表面を)触っていたくなる独特な質感」とあり、ノート・名刺・紙バッグ・パッケージなどとして商品化されています。
また、クラフト紙にビールを作る過程で廃棄されるモルト粕を混ぜ込みアップサイクルした再生紙もあります。
こちらは、ほんのりビール色。ところどころ粕が残るため、あたたかみがあり、米を利用した紙と同じく、名刺、ポストカード、コースター、パッケージなどに生まれ変わらせて商品化しています。残念ながら、企業向けの製品なので、店頭には並んでおらず個人では入手できませんが、規格外の野菜でお菓子を作るなどSGDsの取り組みを積極的に行っている和菓子の「たねや」は、この紙を包装紙として使用。
ペーパーレスの時代ではありますが、贈り物の包装紙にこだわるのも日本の文化。
美しい包装紙に積極的に使用している企業を応援したくなりました。帰りにたねやの羊羹買って帰ろうっと!