「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年11月 2日日本株~米中間選挙のアク抜け期待~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~米中間選挙のアク抜け期待~
■予想レンジ(11/2〜11/6) 日経平均株価 61,500円~65,000円
先週の日経平均は前週比596円高と3週ぶり反発、月末30日の急落で下値再模索の懸念を残しましたが、週央には米アンソロピックの上場観測等でAI期待が一時回復、好決算企業への買いを支えに節目65000円に迫る急速な値戻し場面も見せました。各国金融政策会合や米中間選挙、TOPIXイベント等が重なり、決算への失望反応がやや過敏となった可能性もありそうです。
決算序盤は予想以上の強さを示し今後に期待を繋ぐ状況と見ます。発表済265社中3分の1にあたる91社が通期予想を上方修正、2ケタ増益で最高益の更新が濃厚です。AI以外でもゲーム、情報、金融、内需でも上振れ鮮明で、堅調な景気、企業努力等が業績を支える構図は揺らいでいません。割安感も支えに、例年傾向通り年末相場の色彩を徐々に強める公算が高いと考えます。
今週は、先週末の米国半導体株の急落を受けて売り先行で始まりそうですが、週半ばには米中間選挙の投開票が控えます。上下両院とも民主党の過半数確保が濃厚とみられています。「AIデータセンター規制」に積極的な民主党優勢を織り込みつつ選挙戦を迎えることとなり、選挙後の「アク抜け」に期待したいところです。
■日本株 厳選5銘柄(生成AI+金利高メリット)
・東京エレク(8035)
前工程を中心に幅広い製品で高い市場シェア、下期は一段と成長が加速へ
・レゾナックHD(4004)
石化部門分離で選択と集中加速、半導体後工程部材での強みテコに大幅増益
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
・三菱重工(7011)
日本最大の防衛関連企業。ガスタービン事業はAIブームの恩恵も享受
・東京海上(8766)
損保首位。バークシャーが今春出資、協業強化へ
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~米長期金利の動向を注する展開~
■予想レンジ(11/2〜11/6) ドル円相場 1㌦=155.00円~159.00円
先週は、157円台を中心に方向感の定まらない展開となりました。「トランプ政権が中間選挙後にイラン攻撃を再開する」との報道を受けて原油相場に再び上昇圧力がかかり、本邦貿易収支悪化への警戒がリスク回避目的の円買いにブレーキをかけるなかで、日銀やFRBの政策会合結果を見極めたいとのムードが広がったことが背景です。
大方の予想通り、日米ともに政策金利の据え置きを決めましたが、ウォーシュ議長の「新たな金融政策の処方箋は一定の効果を発揮し始めている」との発言は「ハト派」的だったとの受け止めが広がっています。一方、日銀が公表した展望リポートは物価上振れを強く意識した「タカ派」的な内容で、円買いが膨らむ場面がありました。
今週は、3日の中間選挙の結果や週末の雇用統計などを受けた米長期金利の動向が焦点となる見通しです。与党共和党の苦戦はある程度織り込まれているとみられますが、米議会の勢力図がどうなるかが最大の関心事であることに疑いはなく、4日に予定される米財務省の四半期国債入札計画なども絡んで、神経質な展開を余儀なくされることになりそうです。
■主な注目イベント◇2日(月)
米冬時間(1日)、決算=京セラ、住友商、SBI、JAL、グロース上場=MabGenesis、
レーティングドッグ中国製造業PMI(10:45)、フィリピン休場、
米ISM製造業景況感指数(0:00)、9月米建設支出(3日0:00)、海外決算=アップル
◇3日(火)
東京休場、豪中銀が政策金利を発表、7~9月期の香港域内総生産(GDP)、
米中間選挙、9月米JOLTS(0:00)、9月米製造業受注(0:00)、海外決算=AMD、アムジェン
◇4日(水)
10月国内ユニクロ既存店売上高、決算=エムスリー、アステラス、IHI、伊藤忠、丸紅、三井物、三菱商、川汽、NTT、
グロース上場=Allganize Holdings ポーランド、スウェーデン、ブラジル中銀が政策金利を発表、
ユーロ圏消費者物価指数(速報値)、10月ADP全米雇用リポート(22:15)、9月米貿易収支(22:30)、
10月米ISMサービス業景況感指数(5日0:00)、海外決算=マクドナルド
◇5日(木)
10年債入札、決算=日本製鉄、ダイキン、芝浦、ソニーG、ローム、太陽誘電、トヨタ、任天堂、郵船、花王、
名証ネクスト上場=LTVーX、インドネシアGDP速報値、マレーシア、ノルウェー、英政策金利、米労働生産性指数(速報)
◇6日(金)
9月毎月勤労統計(8:30)、決算=フジHD、JFE、TOWA、三菱重、サンリオ、三井不、KDDI、=ヤマハ発、ユニチャーム、
東証グロース上場=estie、9月ユーロ圏小売売上高、ウィリアムズNY連銀総裁がECB討論会参加、
10月の米雇用統計(22:30)、11月米消費者態度指数(ミシガン大学速報値、0:00)
◇7日(土)
日銀の植田和男総裁がIMF主催イベントで講演(1:00ごろ)
(注)時間は日本時間
■米国株〜中間選挙とIT決算で揺れる米株市場、あく抜け後の反発に期待〜
■予想レンジ(11/2~11/6) NYダウ 51,300ドル~53,700ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、NYダウが0.85%安、S&P500が0.57%安、ナスダック総合が2.00%安と引き続き軟調な展開となりました。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も0.84%安となり、200日移動平均線を割り込んで週末にかけて急落するなど、ハイテク株を中心に売りが優勢でした。中東情勢の緊迫化懸念からブレント原油は一時116ドルを超える水準まで急伸し、安全資産への逃避から米10年債利回りは5%を割り込む水準へ低下しました。個別では、アンソロピックのIPO申請が好感された場面もありましたが、巨大ITの決算で明暗が分かれました。マイクロソフトは主要業績指標とガイダンスが共に市場予想を上回り、クラウド「Azure」の成長加速が確認されました。一方、アマゾンはAWSが高成長を示し営業利益率も過去最高を記録したものの、全社売上高やEPSが予想に届かず、巨額のAI設備投資によるキャッシュフロー悪化が懸念されました。アルファベットはAI検索への移行を背景に検索事業の収益成長率が予想以上に鈍化し警戒されました。インテルもPC市場の減速で大幅安となるなど、相場の重荷となりました。
今週は11月3日に迫った米中間選挙が最大の焦点となります。議会構成の変化が今後の政策や各セクターに与える影響を見極めるべく、週初はリスク回避姿勢に傾きやすい地合いが想定されます。ただLSEGの集計によれば、S&P500構成企業のうち既に299社が決算発表を終了し、そのうち81.6%が市場予想を上回る堅調な業績を示しています。第3四半期の利益は前年同期比31.6%増と高い成長が見込まれ、企業業績のファンダメンタルズは好調です。今週もアップル、AMD、マクドナルド、モデルナなど幅広い業種の決算が控えますが、中間選挙という大きな不透明要因を通過することで市場のあく抜け感が広がり、AI投資の不安も徐々に後退する中で、AIインフラの川上産業の好業績銘柄を中心に物色する動きが活発化すると想定します。
■外国株・週間注目銘柄
・アマゾン・ドット・コム(AMZN)
AWSの成長再加速と独自のAI基盤確立で中長期の収益拡大へ
・データドッグ(DDOG)
クラウド型の可観測ツール、AIエージェント対応のセキュリティ需要に期待
・マーベル・テクノロジー(MRVL)
AIカスタム半導体や光関連部品提供による躍進に期待




