「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年10月26日日本株~決算本格化で割安感に注目~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~決算本格化で割安感に注目~
■予想レンジ(10/26〜10/30) 日経平均株価 61,500円~64,000円
先週の日経平均株価は前週比2631円安と大幅続落、米決算や債務懸念、不正アクセス問題などから世界的にハイテク株売りが加速しました。中東や仏財政への不安が尾を引くなか、米中間選挙等イベント前の薄商いも影響したと見ますが、週末には200日移動平均線や半値押し、7月安値が重なる重要節目(61000円台半ば)で急速に持ち直し、底入れ機運が浮上しています。
バリュエーション面ではTOPIXの予想PERが16倍丁度近辺に低下、約1年ぶりの割安水準となりました。今月半ばの小売等の決算発表でも業績上振れ傾向は継続しており、今後の3月本決算企業の中間決算でも上方修正が相次ぐ見通しです。今年度2ケタ経常増益で最高益更新の可能性がより強まり、例年パターン通りの年末株高を支える公算が高そうです。
今週はハイテク企業を中心に内外で企業業決算が本格化、日米の金融政策会合に加え、翌週には米中間選挙も控えるなか、値頃感や割安感を支えに底入れ機運が台頭するかが注目です。TOPIX刷新(第2弾)に伴うリバランス開始を含め月末需給などで神経質な値動きも想定されるものの、選挙後アク抜けの株高を意識した下値買いで底割れは回避されると考えます。
■日本株 厳選5銘柄(生成AI+金利高メリット)
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NAND等メモリ向け強み。AI推論の成長取り込みへ
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
・東京海上(8766)
損保首位。バークシャーが今春出資、協業強化へ
・三菱UFJ(8306)
国内最大手。利上げ局面で業績拡大、出資する米モルスタの貢献も年々増加
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~日米欧金融政策会合を注視する展開に~
■予想レンジ(10/26〜10/30) ドル円相場 1㌦=155.00円~159.00円
先週は、週末にかけて円買いが膨らむ展開となりました。フランスの政治・財政不安やAI投資を巡る懸念、さらには「PHPショック」を受けた世界的な株安連鎖などによりリスクオフの流れに傾き、低リスク通貨とされる円が選好されたことが背景です。「質への逃避」の動きは米金利の急低下にもつながったため、ドルの上値を抑える方向に作用しました。
中東情勢の緊迫化を受けて原油相場が強含むなかでも、円買い介入への警戒や日銀の利上げ路線継続観測が強く意識され、円の下値の堅さが目立ったことも伏線になった模様です。低金利の円を売って高金利の他通貨で運用する「円キャリー取引」を解消する動きも広がっている模様で、円はドル以外の通貨に対しても軒並み強含む展開となっています。
今週は、地政学リスクへの警戒を拭えないなかで(日米欧の中央銀行が金融政策決定会合を開催する)「中銀ウィーク」を迎えることになり、神経質な展開を余儀なくされる見通しです。日米ともに金融政策の現状維持が見込まれていますが、市場ではどちらが利上げに積極的な「タカ派」の姿勢を示すのか、虎視眈々と見極めようとしているようです。
■主な注目イベント◇26日(月)
8月景気動向指数改定値(内閣府、14:00)、台湾、NZ休場、
◇27日(火)
企業向けサービス価格指数(8:50)、消費者物価コア指標(日銀14:00)、10月月例経済報告、
決算=信越化、日東電、JPX、カプコン、中外薬、シマノ、キヤノン 中国工業企業利益、韓国GDP、
9月米耐久財受注額(21:30)、米新築住宅販売件数、10月米消費者信頼感指数、米5年国債入札、
海外決算=ボーイング、コカコーラ、シャーウィンウィリアムズ、シーゲートテクノロジー、ビザ
◇28日(水)
決算=日立、ソシオ、NEC、アドテスト、野村、海外=アルファベット、MS、、サービスナウ、Sk、米FOMC結果発表(3:00)
◇29日(木)
10月消費動向調査、決算=イビデン、NRI、コマツ、富士通、デンソー、関西電、東ガス、コナミG、ルネサス、サムスン電子、
ECB政策金利発表、米新規失業保険申請件数(21:30)、米GDP速報(21:30)、9月PCE、21:30)、
米7年債入札、海外決算=インテル、イーライリリー、メルク、サンディスク、アマゾンドットコム、キャタピラー
◇30日(金)
9月失業率、有効求人倍率、10月都区部CPI(8:30)、9月鉱工業生産速報値(8:50)、
商業動態統計(8:50) 、住宅着工統計(国交省、14:00)、外食売上高(14:00)、
日銀金融政策決定会合結果発表、10月展望リポート、植田和男総裁が記者会見、
決算=住友電、三菱電、パナHD、TDK、村田製、スクリン、HOYA、東エレク、大和、JR東、キオクシア、レーザーテク、
グロース上場=トグルホールディングス、台湾GDP、ユーロ圏GDP、ユーロ圏失業率、
米雇用コスト指数( 海外決算=シェブロン 31日(土)10月中国製造業PMI、非製造業PMI(10:30)
(注)時間は日本時間
■米国株〜相場反転の鍵を握るハイテク大手決算に注目〜
■予想レンジ(10/26~10/30) NYダウ 51,500ドル~53,700ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、地政学リスクとAI投資への持続性への警戒が高まり、NYダウが0.67%高となった一方、S&P500が1.95%安、ナスダック総合が4.48%安、フィラデルフィア半導体株指数が11.41%安と、ハイテク株を中心に軟調な展開となりました。中東情勢の緊迫化を受けてWTI原油価格は一時101ドルを超える水準まで急伸。9月CPIの予想以上の上振れを契機に10年債利回りは5.3%台に急上昇した後、リスクオフから質への逃避が起こり、週末は5.08%へ低下しました。個別銘柄では、アップルが需要の底堅さを背景に好調に推移し、マイクロソフトはAI事業の収益化期待などから上値を追い最高値を更新しました。スペースXの周波数取得報道で競争激化が警戒されたAT&Tやベライゾン等の通信大手は、一時売られた後に持ち直す動きを見せました。一方、AIインフラ企業コアウィーブの債務・資金調達懸念が浮上したことで半導体株全体が売り込まれ、好決算だったTSMCも軟調となりました。半面、好決算を発表した損保のトラベラーズやメディケア評価の大幅改善で医療保険を手掛けるヒューマナが値上りしました。今週は第3四半期の決算発表が本格化し、相場の方向性を探る重要な週となります。ネットフリックス、テスラ、メタ等の大型ハイテク株に加え、GMやアメリカン・エキスプレスなど幅広い業種が発表を控えています。LSEGの集計では、S&P500構成企業の第3四半期利益は前年同期比30.7%増と高い成長が見込まれます。予想PERは19.1倍とレンジ下限に低下し割高感は解消されました。イベント面では、23日開幕の欧州臨床腫瘍学会において、モデルナががんワクチンの第3相データを発表予定であり関連銘柄の動意が注目されます。高金利や地政学リスクによりリスク回避姿勢に傾きやすい地合いですが、メタやテスラ等の決算を通じてAI実需の強さと収益化の進展が証明されれば、過度な悲観論が後退、年末に向けた反発の強力なカタリストになる展開も想定されます。

■外国株・週間注目銘柄
・アマゾン・ドット・コム(AMZN)
AWSの成長再加速と独自のAI基盤確立で中長期の収益拡大へ
・メタ・プラットフォームズ(META)
AIエージェント「ミューズ」とDC貸し出し市場参入に期待
マーベル・テクノロジー(MRVL)
AIカスタム半導体や光関連部品提供による躍進に期待




