「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年10月19日日本株~安値攻防も業績期待が鍵に~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~安値攻防も業績期待が鍵に~
■予想レンジ(10/19〜10/23) 日経平均株価 63,000円~66,500円
先週の日経平均株価は前週比3706円安と5週ぶり大幅反落、米新興クラウド・コアウィーブの信用不安からAI関連が軒並み急落し、15日には今年最大の下げ幅(3318円)を記録しました。一時は節目65000円も大きく割り込み1ヵ月ぶり安値を付けましたが、売られ過ぎ感とともに週末は全面高で急反発。TOPIXも底堅さを示しました。消費関連を中心とした8月期決算は上振れ優勢で無難通過、米企業決算の好スタートも合わせ、下旬からの主要決算発表への期待は保たれています。中東や原油高懸念は燻るものの、内外金利の低下も支えに個別物色の意欲は依然旺盛と言えます。予想PERが今年最低水準を付けたことも、年末高に向けた期待を繋いでいます。
今週は後半から米主要企業の決算発表が本格化、テスラ、メタ、ラムリサーチ等の決算反応に注目です。コアウィーブへの警戒感が燻る中、米ハイパースケーラーの設備投資動向やAI収益化への関心が一段と高まる公算です。市場を揺らしそうな経済指標はないものの、翌週FOMCでの利上げが意識されるなか、金利睨みの展開も継続しそうです。

■日本株 厳選5銘柄(生成AI+金利高メリット)
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NAND等メモリ向け強み。AI推論の成長取り込みへ
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
・東京海上(8766)
損保首位。バークシャーが今春出資、協業強化へ
・三菱UFJ(8306)
国内最大手。利上げ局面で業績拡大、出資する米モルスタの貢献も年々増加
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~レンジ推移継続~
■予想レンジ(10/19〜10/23) ドル円相場 1㌦=156.00円~159.00円
先週も158円を挟んでもみ合う展開となりました。中東情勢を巡る不透明感を映してNY原油先物相場がジリ高歩調を辿るなか、9月米CPIの上振れを受けて158.95円までドルが買われる場面がありましたが、週末にかけては米10年債利回りが急低下、小枝日銀審議委員の「タカ派」発言が伝わったこともあり、一時157.55円まで値戻しが進みました。FRB高官から「ハト派」的な発言が相次ぎ、米政策金利の据え置き観測が広がる下で、「コアウィーブ・ショック」が質への逃避を誘発したことが米国債利回りの急低下をもたらした背景です。同時に、リスク許容度の低下した投資家が(低金利の円を売って高金利の他通貨で運用する)円キャリー取引の解消に動いたことは、円を支える要因となりました。
今週も引き続き、レンジ推移が継続することになりそうです。日米ともに今月の利上げ観測が後退しているうえ、相場を揺るがしそうな経済指標の発表も予定されていないためで、米信用リスクの行方や中東情勢を受けた原油価格の動向をにらみつつ、200日線(16日時点で158.57円)を強く意識した展開が見込まれます。

■主な注目イベント◇19日(月)
8月第3次産業活動指数(13:30)、香港休場、7~9月期中国国内総生産(GDP、11:00)、
1~9月中国固定資産投資、不動産開発投資(11:00)、9月工業生産高、小売売上高(11:00)、
9月の中国70都市の新築住宅価格動向(10:30)、1~9月中国工業企業利益(10:30)◇20日(火)
9月の白物家電出荷額(JEMA、10:00)、20年物利付国債の入札(財務省、10:30)、
9月食品スーパー売上、9月コンビニ売上(14:00)、9月首都圏マンション販売(14:00)、
インド休場、6-8月期英失業率、8月ユーロ圏経常収支、10月欧州ZEW独景気予測、
9月米住宅着工件数(21:30)、9月米仮契約住宅販売指数(23:00)◇21日(水)
9月貿易統計(財務省、8:50)、9月訪日外国人客数(16:15)、インドネシア政策金利を決定、
9月英CPI、米20国債入札、海外決算=ラムリサーチ、テスラ、TI、IBM、メタプラットフォームズ◇22日(木)
決算=ディスコ、光世 韓国、フィリピン、トルコ政策金利発表、10月ユーロ圏CPI(速報値)、
米新規失業保険申請件数(21:30)、海外決算=ハネウェル、P&G、ウエスタンデジタル◇23日(金)
9月全国CPI(8:30) 、9月全国百貨店売上高(14:30)、決算=ファナック、岩井コスモ、
タイ休場、9月英小売売上、10月米PMI(速報値22:45)、海外決算=アメリカンエキスプレス(注)時間は日本時間
■米国株〜波乱警戒も大型決算本格化で反転のきっかけとなるか〜
■予想レンジ(10/19~10/23) NYダウ 51,500ドル~53,000ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、地政学リスクとAI投資への持続性への警戒が高まり、NYダウが0.67%高となった一方、S&P500が1.95%安、ナスダック総合が4.48%安、フィラデルフィア半導体株指数が11.41%安と、ハイテク株を中心に軟調な展開となりました。中東情勢の緊迫化を受けてWTI原油価格は一時101ドルを超える水準まで急伸。9月CPIの予想以上の上振れを契機に10年債利回りは5.3%台に急上昇した後、リスクオフから質への逃避が起こり、週末は5.08%へ低下しました。個別銘柄では、アップルが需要の底堅さを背景に好調に推移し、マイクロソフトはAI事業の収益化期待などから上値を追い最高値を更新しました。スペースXの周波数取得報道で競争激化が警戒されたAT&Tやベライゾン等の通信大手は、一時売られた後に持ち直す動きを見せました。一方、AIインフラ企業コアウィーブの債務・資金調達懸念が浮上したことで半導体株全体が売り込まれ、好決算だったTSMCも軟調となりました。半面、好決算を発表した損保のトラベラーズやメディケア評価の大幅改善で医療保険を手掛けるヒューマナが値上りしました。今週は第3四半期の決算発表が本格化し、相場の方向性を探る重要な週となります。ネットフリックス、テスラ、メタ等の大型ハイテク株に加え、GMやアメリカン・エキスプレスなど幅広い業種が発表を控えています。LSEGの集計では、S&P500構成企業の第3四半期利益は前年同期比30.7%増と高い成長が見込まれます。予想PERは19.1倍とレンジ下限に低下し割高感は解消されました。イベント面では、23日開幕の欧州臨床腫瘍学会において、モデルナががんワクチンの第3相データを発表予定であり関連銘柄の動意が注目されます。高金利や地政学リスクによりリスク回避姿勢に傾きやすい地合いですが、メタやテスラ等の決算を通じてAI実需の強さと収益化の進展が証明されれば、過度な悲観論が後退、年末に向けた反発の強力なカタリストになる展開も想定されます。

■外国株・週間注目銘柄
・アマゾン・ドット・コム(AMZN)
AWSの成長再加速と独自のAI基盤確立で中長期の収益拡大へ
・メタ・プラットフォームズ(META)
AIエージェント「ミューズ」とDC貸し出し市場参入に期待
・マーベル・テクノロジー(MRVL)
AIカスタム半導体や光関連部品提供による躍進に期待




