「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年10月 5日日本株~7万円視野、業績期待が支え~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~7万円視野、業績期待が支え~
■予想レンジ(10/5〜10/9) 日経平均株価 68,000円~70,500円
先週の日経平均株価は1945円高と大幅に3週続伸。内外で金利高警戒が燻るなか、配当権利落ちや四半期末需給が響いたもたつきもありましたが、週後半はAI半導体関連をリード役に強い持ち直しの動きを見せました。米メタの新サービスやマイクロン好決算への評価から、テクノロジー分野の好業績や成長性への期待が強まり、年末ラリーへの意識も浮上しつつあります。
米中間選挙を目前に控え、原油・金利動向への警戒は怠れませんが、日米とも今月下旬から本格化する企業決算への思惑が最注目と見ます。1日発表のリビジョンインデックス(QUICK)は全産業38と過去最高を大きく更新、TOPIX500ベースのコンセンサス予想利益は単月で+1.5%上方修正、9月として過去10年で最大のジャンプを記録しました。十分に中間決算への期待を高める状況と考えます。
今週も中東情勢や内外金利動向が注目です。植田総裁やウィリアムズNY連銀総裁発言のほか、日米で国債入札も相次ぎ、経済指標への反応も含め神経質な展開が想定されます。ここにきて値嵩ハイテク株の値動きが活発化、上下値幅が出やすい状況と見ますが、業績期待を支えとした年末高気運は保たれると見ます。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NAND等メモリ向け強み。AI推論の成長取り込みへ
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
・東京海上(8766)
損保首位。バークシャーが今春出資、協業強化へ
・三菱UFJ(8306)
国内最大手。利上げ局面で業績拡大、出資する米モルスタの貢献も年々増加
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~日米の金融政策を巡る思惑に注目~
■予想レンジ(10/5〜10/9) ドル円相場 1㌦=155.00円~159.00円
先週は、ドルが全面高の様相を呈する展開となりました。中東情勢を取り巻く不透明感が払拭できず、「有事のドル買い」の色彩を帯びやすかったうえ、根強いインフレ懸念などを映して米長期金利に上昇圧力がかかったことが背景です。主要通貨に対するドルの総合的な価値を示すドル指数は、昨年4月以来の水準に上昇しました。
一方で円は、9月開催分の日銀金融政策決定会合における主な意見が利上げペースの加速を示唆する内容ではなかったとの見方が広がり、弱含む場面がありました。しかし、円買い介入に対する根強い警戒が支えとなるなかで、ウィリアムズNY連銀総裁らの発言を受けて10月米利上げ観測が後退したことから、一定の底堅さを維持する格好となっています。
今週も引き続き、日米の金融政策を巡る思惑に揺さぶられる展開が見込まれます。米国では9月FOMC議事録(7日)やFRB高官発言に関心が向かう見通しで、国内では6日の全国証券大会での植田日銀総裁挨拶に加え、飲食料品にかかる消費税率の引き下げ案が焦点となる臨時国会(5日召集)の行方からも目を離せないことになりそうです。
■主な注目イベント
◇5日(月)
臨時国会召集、需給ギャップと潜在成長率、労働需給関連指標(日銀、14:00)
決算=霞ヶ関C、韓国中国(上海深セン)休場、9月米ISMサービス業景況感指数(23:00)
◇6日(火)
10年国債入札(財務省、10:30)、植田総裁が全国証券大会挨拶(15:35)、中国休場、
米貿易収支(21:30)、ウィリアムズNY連銀総裁討議参加(22:05)、ボウマンFRB副議長講演(23:45)
◇7日(水)
8月毎月勤労統計(厚労省8:30)、8月景気動向指数速(14:00)、消費活動指数(14:00頃)、
中国休場、インド、ポーランド中銀が政策金利を発表、米FOMC議事要旨(9月分、3:00)、
8月の米消費者信用残高(8日4:00)、米10年物国債入札
◇8日(木)
8月の国際収支(財務省、8:50)、日銀支店長会議、30年物利付国債の入札(財務省、10:30)、
9月のオフィス空室率(三鬼商事、11:00)、9月の景気ウオッチャー調査(内閣府、14:00)、
10月の日銀地域経済報告(さくらリポート)、決算=セブン&アイ、ローツェ、ファストリ、
米新規失業保険申請件数(21:30)、8月の米卸売在庫売上高(23:00)、米30年物国債入札
◇9日(金)
8月の家計調査(総務省、8:30)、9月の工作機械受注額(速報値、15時以降)、
株価指数オプション10月物の特別清算指数(SQ)算出、3~8月期決算=安川電、韓国台湾休場、
10月の米消費者態度指数(ミシガン大学調べ、速報値、23:00)
(注)時間は日本時間
■米国株〜米国株は金利睨みも、業績期待で底堅い展開を想定〜
■予想レンジ(10/5~10/9) NYダウ 50,500ドル~52,000ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、NYダウが1.26%安、S&P500が0.27%安と反落した一方、ナスダック総合が0.45%高、フィラデルフィア半導体株指数は3.69%高と、ハイテク株が底堅さを示す展開となりました。週前半は米10年債利回りが一時5.29%付近まで上昇し、2007年以来の高水準を付けたことや、中東情勢を受けた原油高が相場の重しとなりました。週末の9月雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回り、追加利上げ観測が後退、ハイテク株を下支えしました。個別では、1500億ドルの自社株買い枠追加を発表したエヌビディアが買われたほか、AI向け光通信の需要拡大期待からルメンタムが上昇、AI研究企業ワールド・ラブズの買収を発表したAMDも堅調でした。好決算を発表したカーニバルや、スターシップの初の衛星周回軌道投入に成功したスペースXも大幅に値上りしました。一方、不振決算のナイキが売られました。
今週も金利睨みの展開が続きそうですが、注目イベントが目白押しです。経済指標では7日発表のFOMC議事要旨(9月会合分)や、9日の10月ミシガン大学消費者マインド指数が注目され、消費動向や今後の金融政策を占う試金石となるでしょう。イベント面では、6日に半導体のマーベル・テクノロジーが投資家向け説明会を開催。7日にはマイクロソフトのウィンドウズ関連イベントに合わせ、ナデラCEOやエヌビディアのフアンCEOが登壇してローカルAIの展望が語られる予定です。決算ではペプシコやデルタ航空等を予定。S&P500の12カ月先予想PERは20.1倍と決して割安ではありませんが、まもなく本格化する第3四半期決算では、S&P500構成企業の利益が前年同期比30.6%増と高成長が続く見込みです。高金利環境の長期化や中東情勢の不確実性といった懸念材料はくすぶるものの、ITセクターを中心に業績伸長が相場を力強く牽引する構図は揺らいでいません。AIインフラへの巨額投資が具体的な収益に結びつくプロセスが確認されれば、押し目買い意欲が相場を支え、強気トレンドが継続する展開を想定します。
■外国株・週間注目銘柄
・アマゾン・ドット・コム(AMZN)
AWSの成長再加速と独自のAI基盤確立で中長期の収益拡大へ
・メタ・プラットフォームズ(META)
AIエージェント「ミューズ」とDC貸し出し市場参入に期待
・マーベル・テクノロジー(MRVL)
AIカスタム半導体や光関連部品提供による躍進に期待




