「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年9月14日日本株~イベント通過で商い改善を期待~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~イベント通過で商い改善を期待~
■予想レンジ(9/14〜9/18) 日経平均株価 62,500円~66,000円
先週の日経平均株価は1009円安と大幅続落、中東での衝突拡大を受けた原油一段高や米長期金利の5%接近で各国下押しのなかハイテク株中心の下値模索が続きました。一時1㌦152円台まで急速に進んだ円高も心理的な重荷となるなか7月30日以来の安値を付けましたが、東証プライムの今期予想PERは16倍台半ばと今年最低レベルに低下、割安感も意識されつつあります。
長期継続した円安トレンド一巡との見方も有力で、2024年夏の円高・株価急落の記憶も買い見送りの一因となった印象です。かつてに比べ経済や企業業績への負担は限定的と目され、企業側の想定為替(平均153円)、金利高抑制の効果等も考慮すると、業績上振れ期待は十分に残存する見通しです。円相場の落ち着きとともに修正買いの姿勢が強まる可能性が高いと見ています。
今週は日米の金融政策会合が焦点です。ほぼ利上げ確実とされる日銀、足元で利上げ観測が高まった米FOMCとも更なる波乱に繋がらない可能性が高いと見られますが、中東情勢の一段の悪化に伴う原油高には引き続き要警戒です。イベント通過による商い改善を通じて、いずれ個別割安・出遅れ株に見直し買いが入ることも念頭に置きたいところです。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NAND等メモリ向け強み。AI推論の成長取り込みへ
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
・東京海上(8766)
損保首位。バークシャーが今春出資、協業強化へ
・三菱UFJ(8306)
国内最大手。利上げ局面で業績拡大、出資する米モルスタの貢献も年々増加
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~日米中銀イベントに注目~
■予想レンジ(9/14〜9/18) ドル円相場 1㌦=150.50円~155.50円
先週は、一段と円買い・ドル売りが進む展開となりました。ベッセント米財務長官の執拗な牽制発言が取り沙汰されるなか、日銀の利上げペースが加速するとの観測が一段と強まり、投機筋の円売りポジションの巻き戻しを誘発したことが背景で、2月17日以来およそ6ヵ月半ぶりに152円台に突入する場面がありました。
高市政権による財政拡張策への懸念や日本の貿易収支悪化につながる原油高が継続するなど、構造的な円安要因は残るものの、断続的な円買い介入でも壁になっていた155円を突破したことで、市場参加者は再考を迫られている模様です。実際、中東情勢が再びきな臭さを増し「有事のドル買い」の様相が強まるなかでも、円売り圧力は限定的なものに留まりました。
今週は、日米の中銀イベントを注視する展開が見込まれます。0.25%の追加利上げが確実視されている日銀会合では、植田総裁の会見内容が焦点となる一方、FOMCでの利上げの有無はなお流動的とみていますが、米通貨当局の円安是正に向けた強い姿勢が継続していることを踏まえれば、円売り・ドル買い圧力は高まりにくい地合いを辿ることになりそうです。
■主な注目イベント
◇15日(火)
20年国債入札、7月第3次産業活動指数(経産省、13:30)、中国70都市新築住宅価格(10:30)、
8月中国固定資産投資(11:00)、不動産開発投資、工業生産高、小売売上高、
5-7月期英失業率、7月ユーロ圏貿易収支、9月欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査、
9月のニューヨーク連銀製造業景況指数(21:30)、米20年物国債入札
◇16日(水)
7月機械受注(内閣府8:50)、8月貿易統計(財務省8:50)、8月訪日外国人客数(16:15)、
グロース上場=オーディオストック、スタンダード上場=オリバー、7月ユーロ圏鉱工業生産、8月英CPI、
8月米輸出入物価(21:30)、8月米小売売上(21:30)、9月全米建設業協会住宅市場指数(23:00)、
FOMC結果発表(3:00)、ウォーシュ議長記者会見(17日3:30)、ブラジル政策金利発表
◇17日(木)
対外対内証券売買契約(財務省、8:50)、グロース上場=Skyfall、東京ゲームショウ 2026、
英中銀が政策金利を発表、米新規失業保険申請件数(21:30)、8月の米住宅着工件数(21:30)、
9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(21:30)、8月米仮契約住宅販売指数(23:00)
◇18日(金)
日銀金融政策決定会合、8月全国CPI(8:30)スタンダード上場=akippa、ベルテックス、テクノクラフト、
名証ネクスト=かがやきホールディングス、植田総裁記者会見、ユーロ圏経常収支、英小売売上高、
8月米鉱工業生産設備稼働率(22:15)、ボウマンFRB副議長講演(22:30)
(注)時間は日本時間
■米国株〜追加利上げ消化で上昇へ回帰、AI関連株に押し目買い〜
■予想レンジ(9/14~9/18) NYダウ 53,000ドル~54,500ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、NYダウが1.57%安、S&P500が0.80%安、ナスダック総合が0.66%安とそろって下落した一方で、フィラデルフィア半導体指数は0.76%高と底堅さを見せました。週後半発表の8月の生産者物価と消費者物価は、エネルギー価格や携帯電話料金の上昇などを背景にインフレの根強さを示す結果となり、今週のFOMCでの利上げ確率が約90%まで急上昇。米10年債利回りは23年以来の高水準となる一時4.97%付近まで上昇し、株式相場全体の重しとなりました。一方個別では、AIクラウドインフラ関連の強さが際立ちました。オラクルがAI需要を背景とした強気な業績見通しを示したことが波及し、デルなどのサーバー関連株が急騰。また、初の折り畳み式「iPhone Duo」などを発表したアップルなども買いを集めました。
今週は、15日‐16日に開催されるFOMCが最大の注目イベントとなります。今回のFOMCでの追加利上げはすでに市場で高い確率として織り込まれていますが、11月の中間選挙を目前に控える次回10月会合では金利据え置きが濃厚とみられており、今回の利上げ決定を通過することで金融政策の不透明感が払拭され、FOMC通過後には「あく抜け」による力強い上昇相場が期待されます。経済指標では、16日発表の8月小売売上高が重要となります。ガソリン価格が高騰する中で個人消費が底堅さを維持できているかが焦点となり、年末商戦に向けた消費動向を占う試金石となるでしょう。また、16日のレナーの決算発表や、17日の8月住宅着工件数など、金利上昇の影響を受けやすい住宅関連の動向も注目されます。総じて、追加利上げという短期的リスクは消化されつつあり、オラクルやデルの動向が示したように、企業によるAIインフラへの巨額投資という実需は極めて強固です。マクロ環境の逆風下でも確実に利益成長を遂げる質の高いテクノロジー株やAI関連株への押し目買い意欲が、相場全体を極めて楽観的なトーンへと押し上げ、年末に向けた力強い上昇トレンドへの回帰を主導する展開が見込まれます。
■外国株・週間注目銘柄
・アマゾン・ドット・コム(AMZN)
AWSの成長再加速と独自のAI基盤確立で中長期の収益拡大へ
・イーライリリー(LLY)
肥満症の経口新薬や後継注射剤への期待で上値余地あり
・シスコシステムズ(CSCO)
ハイパースケーラー受注急増+セキュリティで第2の黄金期




