「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年8月31日日本株~イベント山積みも個別下値買い支えに~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~イベント山積みも個別下値買い支えに~
■予想レンジ(8/31〜9/4) 日経平均株価 64,500円~67,000円
先週の日経平均株価は389円高と小幅反発、心理的節目66000円を挟んだ攻防が続くなか、好業績や割安評価の下値買いが支えとなりました。バリュー株物色を柱にTOPIXは週末まで7日続伸、配当フォーカス指数や小型株指数は最高値に絡む動きも見せました。米国では金利高一服やエヌビディア好決算が安心感を誘い、半導体とソフト関連がともに上昇、全般底堅さに繋がりました。
広く知られる通り米国ではかねて9月相場の不振傾向が鮮明です。日本でも東証開所来データで9月不振は確認されますが(月間平均リターンで唯一下落)、近年はむしろ堅調。過去10年間の9月騰落率は平均1%高と12ヵ月の平均並みながら、3%超下落したのは10回中わずか1回(最小)、NYダウとの騰落率比較では1年で最も相対優位(10月は2番目に優位)の時期に当たります。
月替わりとなる今週は内外で経済指標が相次ぎ、堅調な景気や企業業績に注目が高まる可能性があると見ます。高止まりの続く長期金利には上昇圧力が増す懸念はあるものの、日米ともPER等の割安感が意識されるなか、高値再トライの気運に繋がることを期待します。季節的な高利回り株物色に加え、調整圧力が残るハイテク株も個別押し目買いの時期を迎えていると考えます。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NAND等メモリ向け強み。AI推論の成長取り込みへ
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
・東京海上(8766)
損保首位。バークシャーが今春出資、協業強化へ
・三菱UFJ(8306)
国内最大手。利上げ局面で業績拡大、出資する米モルスタの貢献も年々増加
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~G20会議などが絡み様子見ムード拭えず~
■予想レンジ(8/31〜9/4) ドル円相場 1㌦=156.00円~161.00円
先週は、円が弱含む展開となりました。ジャクソンホール会議におけるウォーシュFRB議長の講演を週末に控え、全般、様子見ムードが広がるなかでも、根強い本邦実需のドル買いが膨らんだことが背景です。7月米PCEデフレータの高止まりを受けて、米金利に改めて上昇圧力が掛かったこともドルを支える格好となりました。
ウォーシュ氏の発言は想定よりも「タカ派」的と受け止められましたが、ドルの上値は限定的なものに留まっています。米国がイランに対して経済制裁強化に舵を切ったことは事実上の軍事行動の終了につながり、原油価格が落ち着く可能性が出てきたほか、日銀の9月利上げ観測の強まりや円買い介入への警戒感も円売りを抑える方向に働いたことが背景です。
今週も、様子見ムードの拭えない1週間となりそうです。引き続き、FRB高官発言や週末の雇用統計に向けた一連の米主要経済指標をにらんで、9月FOMCにおける利上げの有無を占うことが肝要となる見通しですが、週初に開催されるG20財務相・中銀総裁会議におけるベッセント米財務長官と植田日銀総裁の言動からも目を離せないことになりそうです。
■主な注目イベント
◇31日(月)
7月の鉱工業生産速報値(経産省、8:50)、7月住宅着工統計(国交省、14:00)、
8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、10:30 )、中国非製造業PMI(10:30)、
4~6月期のインドGDP速報値、フィリピン、マレーシア、ベトナム、英国市場が休場、
主要7カ国(G7)、20カ国地域(G20)財務相中央銀行総裁会議(米アシュビル、9/1まで)
◇9月1日(火)
法人企業統計調査(8:50)、10年国債入札、8月消費動向調査(14:00)、新車軽自動車販売台数、
8月レーティングドッグ中国製造業PMI(10:45)、ベトナム休場、ユーロ圏失業率、ユーロ圏CPI、
8月米ISM製造業景況感指数(23:00)、7月米JOLTS、23:00)
◇2日(水)
高田審議委員が挨拶(10:30)、記者会見(14:00)、8月国内ユニクロ既存店売上(15:30過ぎ)、
8月ADP全米雇用リポート(21:15)、7月米製造業受注(23:00)、米ベージュブック3:00、
海外決算=ブロードコム、カナダ中銀が政策金利を発表
◇3日(木)
30年国債入札、8月レーティングドッグ中国非製造業PMI(10:45)、米新規失業保険申請件数、
ISMサービス業景況感指数(23:00)、ウォラー米FRB理事がロイターイベント参画(21:30)、
◇4日(金)
7月家計調査(総務省、8:30)、8月輸入車販売(日本自動車輸入組合、10:30)、
7月ユーロ圏小売売上高、8月米雇用統計(21:30)
(注)時間は日本時間
■米国株〜決算好調も9月利上げ意識、注目は週末雇用統計〜
■予想レンジ(8/31~9/4) NYダウ 52,800ドル~54,700ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、ダウ平均が0.53%高、S&P500が0.49%高、ナスダック総合が0.85%高と上昇した一方で、フィラデルフィア半導体指数が2.31%安となりました。26日発表の7月PCEコア価格指数がインフレの粘着性が意識される結果となったところに、週末のジャクソンホール会議ではウォーシュFRB議長が基調的なインフレトレンドの有意な改善を否定、2%のインフレ目標に向けて依然として引き締めが必要とのタカ派的な姿勢を示したことで、FF先物が織り込む9月会合での利上げ確率は6割弱に上昇、長期金利は4.71%となりました。個別では決算で来期売上約70%増という強気な見通しを示したエヌビディアがAI需要の持続性を証明し大幅高となったほか、セールスフォース、クラウドストライク等の主要ソフトウェア企業が軒並み急伸しました。また未成年保護を巡る訴訟で米48州と180億ドルで和解したメタも小幅高となりました。一方、決算は市場予想を上回ったものの期待に届かなかったマーベル・テクノロジーが急落しました。
今週は1日発表の8月ISM製造業景況指数や7月JOLTS求人数、3日の8月ISM非製造業景況指数、そして4日に控える8月雇用統計から労働市場の逼迫度と景況感を探る展開となります。個別決算では、1日のパロアルトネットワークスやモンゴDB、2日のブロードコムやスノーフレイク、3日のゼットスケーラーなどの発表が続きます。前週の決算でエヌビディアを筆頭にAI需要の強さが確認されたものの、ウォーシュFRB議長のタカ派姿勢による金利上昇圧力が株式市場の上値を重くしています。例年9月は米国株が軟調になりやすいアノマリーがあることに加え、来週初のレーバーデー(7日)明けに機関投資家が本格的に戻って取引が活発化することで、週末の雇用統計などの結果次第では相場の値動きが一時的に荒くなる可能性があるほか、次回のFOMC(9月15~16日)まではやや神経質な展開になることが予想されます。
■外国株・週間注目銘柄
・アマゾン・ドット・コム(AMZN)
AWSの成長再加速と独自のAI基盤確立で中長期の収益拡大へ
・イーライリリー(LLY)
肥満症の経口新薬や後継注射剤への期待で上値余地ありシスコシステムズ(CSCO)
ハイパースケーラー受注急増+セキュリティで第2の黄金期




