「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年8月24日日本株~好業績支えにハイテク売り一巡を期待~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~好業績支えにハイテク売り一巡を期待~
■予想レンジ(8/24〜8/28) 日経平均株価 65,000円~67,500円
先週の日経平均株価は2697円安と3週ぶりに大幅反落、8月前半の急ピッチ回復が一巡するなか、内外の金利高警戒も重なって手仕舞い売り加速の展開となりました。もっとも25日移動平均などチャート上の節目が集中する65000円台後半の攻防で踏ん張り、業績や割安出遅れ、高配当利回り等に着目した個別物色を支えに週後半は下値抵抗も示しました。
異例の好決算も支えに日経平均予想PERは過去1年最安水準の17倍付近に低下、指数影響の大きいAI半導体関連のPER水準(ピーク35倍から半減)も同程度に収斂し、バリュー・グロース双方で、適切なバリュエーション調整が進展したと捉えられそうです。原油や内外金利、為替動向に不透明感が残るものの、7月後半安値を意識させるほどの下押し懸念は限られると考えます。
今週は米エヌビディア決算発表(日本27日早朝)、ジャクソンホール会議が焦点となりそうです。ともにサプライズ的な新規材料とはならない見通しで、イベント通過に伴う投資マインドの改善に期待したいところです。休暇シーズン明けなどで売買代金が再度10兆円超水準に膨らんでくれば、好業績を支えとした上昇トレンドに回帰すると見ます。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・レゾナック(4004)
半導体部材で圧倒的シェア(特に後工程)。石化スピンオフで半導体材料企業へ
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NANDなどメモリ向け強み。AI推論分野の成長取り込みへ
・ソシオネクスト(6526)
半導体設計・開発大手。英アームと協業も発表。為替慎重で大幅上振れ期待
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~FRB議長講演などを注視する展開に~
■予想レンジ(8/24〜8/28) ドル円相場 1㌦=156.00円~160.00円
先週は、米債券市場に揺さぶられる展開となりました。19日に米財務省が意表を突くタイミングで国債買い入れ消却(バイバック)を増額する方針を発表、これを受けて米金利が急低下しドル売りを促す格好となりましたが、中東情勢を巡る不透明感の強まりなどもあって効果は長続きせず、翌20日には再び米金利に上昇圧力が掛かりドルが買い戻されました。
米長期金利上昇の背景には、財政悪化懸念やウォーシュFRB議長の政策運営に対する一抹の不安、さらにはAI関連の社債大量発行といった複合要因が指摘されており、奇策による効果には限界があったようです。もっとも、米当局が金利抑制へ強い意志を示したことの意味は深く、決して軽んじるべきではないと捉えています。
今週は、ジャクソンホール会議(27~29日)や米雇用統計の年次改訂(暫定値、28日)などへの反応をにらんで、9月FOMCにおける利上げの有無を占うことになる見通しです。金融政策に絡む発信を避けてきたウォーシュ氏が何を語るか、市場は興味津々に待ち構えており、週前半は様子見ムードに傾きやすい地合いを辿ることになりそうです。
■主な注目イベント
◇24日(月)
10年物クライメートトランジション国債の入札(財務省、10:30)、
◇25日(火)
消費者物価コア指標(日銀14:00)、7月外食売上高(14:00)、全国スーパー、全国百貨店売上高、
マレーシア、インドネシア市場が休場、8月独Ifo企業景況感指数、
S&Pコタリティケースシラー住宅価格指数(22:00)、8月米消費者信頼感指数、7月米新築住宅販売(23:00)
◇26日(水)
7月企業向けサービス価格指数(日銀、8:50)、7月白物家電出荷額(10:00)、タイ政策金利、
4-6月期米実質国内総生産(GDP)改定値(21:30)、7月米個人所得個人消費支出(PCE21:30)、
7月の米耐久財受注(21:30)、米5年物国債入札、海外決算=エヌビディア、セールスフォース、クラウドストライク
◇27日(木)
対外対内証券売買契約(財務省、8:50)、TOKYOおもちゃショー2026(~30日東京ビッグサイト)、
氷見野良三副総裁が埼玉県金融経済懇談会で挨拶(10:30)、記者会見(14:00)、
フィリピン中央銀行が政策金利を決定、米新規失業保険申請件数(21:30)、米7年物国債入札、
米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議、~29日)
◇28日(金)
7月失業率(総務省8:30)、7月有効求人倍率(厚労省8:30)、8月都区部CPI(総務省8:30)、
8月米消費者態度指数(ミシガン大確報値)、ウォーシュ米FRB議長がジャクソンホール会議で講演(23:00)
(注)時間は日本時間
■米国株〜金利・原油高が重石も、注目はNvidia決算とウォーシュ講演〜
■予想レンジ(8/24~8/28) NYダウ 51,800ドル~54,500ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、ダウ平均が0.85%安、S&P500が1.43%安、ナスダック総合が2.05%安、フィラデルフィア半導体指数が5.45%安と揃って反落しました。米財務省が長期国債の買い戻し拡大を発表し金利低下を誘う場面もありましたが、財政懸念の根本解決にならないとの見方から効果は一時的で、利回りは再び上昇しました。さらにトランプ大統領の対イラン経済強硬姿勢による原油高がインフレ懸念を再燃させ、相場の重しとなりました。個別では、がんワクチンの治験成功を発表したモデルナやメルク、好決算のターゲット、グーグルとの提携強化を発表したマーベル・テクノロジー、暗号資産高を受けたコインベースなどが大幅高となりました。一方、売上高が予想を下回り下振れたウォルマートの急落が消費関連株に波及したほか、巨額資金調達を発表したネビウス等に伴うAIインフラ投資負担への警戒から半導体株を中心に売りが広がりました。
今週のイベントでは、27日開幕のジャクソンホール会議で28日に行われるウォーシュFRB議長の基調講演や、26日発表の7月個人消費支出(PCE)価格指数から金融政策の方向性と景況感を探る展開となります。個別決算では、26日のエヌビディアがAI需要の持続性を占う最大の注目点となるほか、同日のセールスフォースやクラウドストライク、スノーフレイク等の主要ソフトウェア企業、27日のダラー・ゼネラルやダラー・ツリーなど消費動向を映すディスカウント小売りの発表も目白押しです。S&P500構成企業の第2四半期決算は総じて良好だったものの、米財政赤字に伴う長期金利の高止まりや中東緊迫による原油高、さらにはAI投資に対する過熱警戒感や投資回収遅延への懸念が上値を抑えています。9月7日のレーバーデー明けに相場参加者が本格的に戻ってくるまでは、夏枯れ相場で取引量が減少する中、主要イベントを受けたセンチメントの変化やボラティリティの拡大に十分な警戒が必要です。
■外国株・週間注目銘柄
・ゴールドマン・サックス(GS)
本格的な資金調達の場に変容する資本市場での立役者として注目
・マイクロソフト(MSFT)
4ー6月期決算をきっかけにAI投資の収益化懸念を払拭、上値余地有り
・シスコシステムズ(CSCO)
IT大手向けネットワーク機器とセキュリティ成長で第2の黄金期へ




