「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年8月10日日本株~半値戻り達成の可能性も~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~半値戻り達成の可能性も~
■予想レンジ(8/10〜8/14) 日経平均株価 65,000円~67,500円
先週の日経平均株価は1244円高と反発。先月後半に掛けてのハイテク(主に半導体)の厳しい売りが一巡、原油安や為替市場の落ち着きも支えに好業績評価の流れが強まりました。もっとも週後半には米韓メモリ株の手仕舞い売りが再燃、日経平均は下げの半値戻り水準(66600円)、25日移動平均線(66000円)などが集中する節目も意識され、中段で戻り一服となりました。
企業決算は終盤に向け更に好調な発表が相次ぎ、上方修正企業比率(17%)、通期経常増益率は前期比2ケタ増(5%上振れ)、自社株取得枠設定額は26年累計分が20兆円を突破、昨年トータルを既に大きく上回る状況です。日米協調介入に伴う円高警戒や中東緊迫で調整が尾を引く格好ですが、テクニカル的な下げ過ぎ感、最悪期通過、PER等の割安感(今年最低水準)などが下値を支えています。
今週は決算一巡で激しい個別反応も落ち着き、全体業績の強さや売られ過ぎハイテク株の見直しが徐々に優勢になると見ます。「山の日」休場を挟み、夏休み影響で商いが細る可能性が高いなか、米CPI発表や金利高警戒はやや警戒も、TOPIX高値接近などハイテク以外の物色意欲の強さも支えとなり底堅い地合いは維持される見通し。半値戻りの可能性もありそうです。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・レゾナック(4004)
半導体部材で圧倒的シェア(特に後工程)。石化スピンオフで半導体材料企業へ
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NANDなどメモリ向け強み。AI推論分野の成長取り込みへ
・ソシオネクスト(6526)
半導体設計・開発大手。英アームと協業も発表。為替慎重で大幅上振れ期待
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~7月米CPIを注視する展開に~
■予想レンジ(8/10〜8/14) ドル円相場 1㌦=153.50円~159.50円
先週も荒い値動きが継続しました。28年ぶりとなる日米協調の円買い介入を受けて、一時155.23円と政府・日銀が単独介入に踏み切った5月6日以来の円高・ドル安水準を示現。しかし、その後は不透明な中東情勢を受けた「有事のドル買い」や日本の財政悪化を懸念した売りで158円台半ばまで押し戻される場面がありました。
「今後数週間以内に発表される指標でインフレ加速が確認されれば、ウォーシュFRB議長は9月のFOMCで利上げする用意がある」と、英FT紙が報じたこともドルの買い戻しを後押しする格好となりました。一方、事前予想を大きく下回った 7月米雇用統計を受けてFRBの早期利上げ観測は後退、ドル買いにブレーキが掛かり越週しました。
今週は、改めて中東情勢への警戒が高まるなかで、米主要経済指標への反応を注視する展開が見込まれます。米金融政策の行方を占ううえでは、12日発表の7月消費者物価(CPI)が最大の注目材料となりますが、仮にやや強めの数字となったとしても協調介入への警戒感が円を下支えることになると判断しています。
■主な注目イベント
◇10日(月)
QUICK短観(8:30)、日銀金融政策決定会合「主な意見」(7月分、8:50)、
7月貸出預金動向(8:50)、6月国際収支(8:50)、7月景気ウオッチャー調査(14:00)、
1~6月期決算=楽天グループ、4~6月期決算=住友鉱、サンリオ、シンガポール市場が休場
◇11日(火)
山の日で東京休場、豪政策金利を発表、7月米中古住宅販売件数(23:00)、米3年物国債入札
◇12日(水)
7月マネーストック(日銀、8:50)、7月工作機械受注額(速報値、日本工作機械工業会、15時以降)、
決算=カバー、東京海上 海外決算=騰訊控股(テンセント)、タイ市場が休場、
7月米消費者物価指数(CPI)(21:30)、7月米財政収支(3:00)、米10年物国債入札
◇13日(木)
7月の企業物価指数(日銀、8:50)、決算=ネクソン、三越伊勢丹、トライアル、
ノルウェー政策金利発表、4~6月期英国内総生産(GDP)速報値、6月ユーロ圏鉱工業生産、
米新規失業保険申請件数(21:30)、7月米PPI(21:30)、米30年国債入札、決算=アプライドマテリアルス
◇14日(金)
株価指数オプション8月物の特別清算指数(SQ)算出、対外対内証券売買契約(週間)、
7月の投信概況(資産運用業協会、15:00)、決算=アサヒ、荏原、アシックス、SOMPO、MS&AD、
6月のユーロ圏貿易収支、7月の米小売売上高(21:30)、6月の米企業在庫(23:00)、
8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調べ、速報値)(23:00) (注)時間は日本時間
(注)時間は日本時間
■米国株〜ハイテク株主導でサマーラリーへ、今週は物価指標に注目〜
■予想レンジ(8/10~8/14) NYダウ 52,900ドル~55,700ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、ダウ平均が+2.96%、S&P500が+3.58%、ナスダック総合が+5.19%と揃って続伸、NYダウやS&P500が週後半に最高値更新を実現しました。続落していたフィラデルフィア半導体指数は+9.24%と大幅な反発となりました。週初は、イランのホルムズ海峡航行に関する交渉で合意が近いとの報道から地政学リスクがやや後退、好決算を発表した銘柄を中心に買いが入り底堅くスタート。週末7日に発表された7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想に反して2万3000人減と減少し、失業率は4.1%に低下しました。この予想外に軟調な雇用統計を受けて、FRBによる9月の利上げ観測が後退し、米長期金利が低下したことが相場を力強く押し上げました。S&P500構成企業のうち決算発表を終えた436社の85.1%が市場予想を上回り、26年第2四半期の純利益は前年同期比+51.1%と非常に高い伸びが見込まれます(LSEG調べ)。好調な業績動向やAI関連企業に対する懸念緩和を背景に、アトラシアンやトゥイリオ等のソフトウェアや半導体関連株が急伸し、主要指数は週間ベースで大幅高で引けました。
今週の経済指標では、12日の7月消費者物価指数や13日の7月卸売物価指数といった物価指標に加え、14日の7月小売売上高や8月ミシガン大学消費者マインド指数などから、インフレ沈静化と景気の底堅さを確認することになりそうです。株式相場においては、出遅れていたハイテク株を中心に見直し買いが入りやすい環境が整いつつあります。個別決算ではハイテク分野の需要動向やセンチメントを占う上で12日のシスコシステムズの決算に注目しています。ほか13日にはアプライド・マテリアルズやタペストリーなどの発表も控えています。主要企業の決算発表が一巡しつつある中、市場の関心は個別の業績動向から徐々に米国の景気・金融政策動向や政治動向(トランプ政権の政策や議会でのAI規制を巡る議論等)へと焦点が移行していく展開となりそうです。
■外国株・週間注目銘柄
・ゴールドマン・サックス(GS)
本格的な資金調達の場に変容する資本市場での立役者として注目
・マイクロソフト(MSFT)
4ー6月期決算をきっかけにAI投資の収益化懸念を払拭、上値余地有り
・シスコシステムズ(CSCO)
IT大手向けネットワーク機器とセキュリティ成長で第2の黄金期へ




