「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年8月 3日日本株~AI分野の好決算相次ぐ、需給調整も一巡感~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~AI分野の好決算相次ぐ、需給調整も一巡感~
■予想レンジ(8/3〜8/7) 日経平均株価 62,000円~66,500円
先週の日経平均株価は249円安と小幅反落。世界的にAI半導体関連のパニック的な投げ売りが加速、ザラ場で60000円トビ台まで突っ込む場面もありましたが、そこから2日間強で値幅4000円級の急反発を見せました。内外で主要ハイテク株の想定を超える好調決算、積極投資計画が相次いで発表され、あらためてAI分野の成長期待が投資家心理の支えとなりました。
国内でも企業決算が本格化、例年大半が通期見通しを据え置く傾向の1Q決算にも係わらず、序盤(全体の1/4)では2割近い企業が上方修正を発表、通期2ケタ増益の可能性がより高まる方向です。主力ハイテク株に大幅調整した企業が多く、短期下げ過ぎ感とともにバリュエーション魅力も再度高まりつつある状況で、今後の株価見直しの支えとなりそうです。
今週は国内企業決算がピークを迎えるほか、米雇用統計をはじめ重要経済指標が相次ぎます。中東情勢も含めて金利・為替動向に目を配る必要はありますが、約1ヵ月続いたハイテク調整が需給面を含め一巡感が広がるかがより注目されます。チャート分析上、節目として意識される67000円弱の25日移動平均線を突破できるかがカギと見られます。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・レゾナック(4004)
半導体部材で圧倒的シェア(特に後工程)。石化スピンオフで半導体材料企業へ
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NANDなどメモリ向け強み。AI推論分野の成長取り込みへ
・ソシオネクスト(6526)
半導体設計・開発大手。英アームと協業も発表。為替慎重で大幅上振れ期待
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~協調介入受け円を売りづらい地合いに~
■予想レンジ(8/3〜8/7) ドル円相場 1㌦=154.0円~160.0円
先週は、値動きの荒い展開を辿りました。中東情勢への警戒がやや緩み「有事のドル買い」が収まる一方、高市政権の積極財政に伴うインフレ懸念が円の重荷となり、週央にかけてはドルが堅調地合いを維持。163円台半ばを中心としたレンジ推移が続くなかで迎えたFOMCは、「想定ほどには『タカ派的』ではなかった」と受け止められました。
ドル買いの勢いが鈍る下、30日の海外市場では一時157.98円まで円高が進行。 政府・日銀が円買い・ドル売り介入に踏み切った模様で、日銀の金融政策決定会合の最中という意表を突くタイミングであったため、わずか1時間足らずの間に5円近く変動、翌日も介入を実施したとみられ、投機筋などは大きな痛手を被った模様です。
今回の円買い介入が日米の協調の下で行われたことが明らかになったことから、今週は円を売りづらい地合いに傾くことになりそうです。一方で、高市財政懸念や中東警戒はくすぶり続ける公算が高く、週末の雇用統計に向けた一連の米主要経済指標をにらんで相場の落ち着きどころを探ることになると判断しています。
■主な注目イベント
◇8月3日(月)
7月新車軽自動車販売(14:00)、決算=エーザイ、日製鋼、三井E&S、日産自、いすゞ、
三菱自、伊藤忠、丸紅、三菱商、三菱UFJ、大和、JAL、海外決算=パランティ、
7月レーティングドッグ中国製造業PMI(10:45)、7月米ISM製造業景況感指数(23:00)
◇4日(火)
グロース上場=エブリー、10年国債入札、7月国内ユニクロ既存店売上高、 決算=イビデン、日本製鉄、
ダイキン、 三菱重、トヨタ、三井物、川崎汽 6月米JOLTS(23:00)、
海外決算=AMD、キャタピラー、スペースX
◇5日(水)
毎月勤労統計(厚労省、8:30)、日銀決定会合議事要旨(6月分)、
決算=花王、資生堂、ユニチャーム 、アステラス、JFE、オムロン、ローム、太陽誘電、IHI、スズキ、ホンダ、SUBARU、郵船、
7月レーティングドッグ中国非製造業PMI(10:45)、インド政策金利、インドネシアGDP、ブラジル政策金利、
7月ADP雇用リポート(21:15)、7月米ISMサービス業景況感指数(23:00)、海外決算=ディズニー、サンディスク
◇6日(木)
30年物国債入札、7月オフィス空室率(11:00)、決算=大和ハウス、味の素、東レ、富士フイルム、JX金属
古河電、コクサイエレ、任天堂、バンナムHD、オリックス、住友不、NTT、SBG、レーザーテク
◇7日(金)
6月の家計調査(8:30)貿易統計(8:50)6月景気動向指数速報値(14:00)消費活動指数、
決算=フジクラ、リクルート、川重、ゆうちょ銀、オリンパス、第一ライフ、三井不、菱地所、商船三井、KDDI、ニトリ、
中国貿易統計、7月米雇用統計(21:30) 9日(日)7月中国CPI、PPI
(注)時間は日本時間
■米国株〜押し目買い優勢で落ち着きを取り戻す展開へ〜
■予想レンジ(8/3~8/7) NYダウ 51,500ドル~54,300ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、ダウ平均が+1.0%、S&P500が+1.1%、ナスダック総合が+1.6%と揃って上昇した一方、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は-4.3%と下落しました。週初は、本格化する主要企業の決算への期待感から一部の銘柄には買い戻しが入り底堅くスタート。しかし、週半ばに市場の期待を下回る一部のハイテク・半導体関連企業の決算発表などをきっかけに、半導体株の下げは極まり、週末にかけて反転の動きを強めました。29日のFOMCでは一部利上げを主張するメンバーが複数したものの、5会合連続となる政策金利の据え置きが決定されました。週後半はマイクロソフトやアマゾンといった主要ハイパースケーラーの決算を通じて、AI投資に対する収益化への懸念が和らぎ、投資家心理が大幅に改善したことが相場を押し上げました。ダウ平均やS&P500、ナスダックは買い戻し優勢となり週間ベースで反発して引けました。もっとも、個別では決算を受けてアップル株が急落するなど、銘柄間で明暗が分かれました。
今週も中東情勢や金利動向を睨みつつ、各企業の業績動向が相場の行方を大きく左右する展開となりそうです。S&P500構成企業の26年第2四半期は、前年同期比+47.7%の大幅な増益が予想(LSEG調べ、エネルギーセクターを除く場合は+44.2%)され、好調な業績見通しが株式相場をサポートするでしょう。経済指標では、5日の7月ISM非製造業景況指数や、週末7日の7月雇用統計など、米国の底堅い景況感と労働市場の動向を確認することになりそうです。個別決算では、4日のキャタピラーやAMDやスペースXをはじめ、5日のディズニーやウーバー、6日のイーライ・リリー当の主要発表が控えています。強力なファンダメンタルズを背景に下値では押し目買いが入りやすいと想定され、各社の堅調な業績見通しを手掛かりに、個別主力株のボラティリティの低下と共に相場は徐々に落ち着きを取り戻し、引き続き、底堅く推移することが期待されます。
■外国株・週間注目銘柄
・ゴールドマン・サックス(GS)
本格的な資金調達の場に変容する資本市場での立役者として注目
・マイクロソフト(MSFT)
4ー6月期決算をきっかけにAI投資の収益化懸念を払拭、上値余地有り
・シスコシステムズ(CSCO)
IT大手向けネットワーク機器とセキュリティ成長で第2の黄金期へ




