「IwaiCosmo Weekly Letter」
2026年7月21日日本株~半導体関連の底入れ機運睨む~
岩井コスモ証券投資調査部
■日本株~半導体関連の底入れ機運睨む~
■予想レンジ(7/21〜7/24) 日経平均株価 62,500円~66,500円
先週の日経平均株価は4416円安と過去最大の週間下げ幅で続落、6月8日以来約1ヵ月ぶり安値水準で終えました。蘭ASMLや台湾TSMCの好決算を受けても、AI半導体関連株への厳しい手仕舞い売りが各国とも収まらず、不安定な上下動を継続しつつ下値模索の様相を強めました。出遅れ株やバリュー株への見直しで一時史上最高値に肉薄したTOPIXも結局週間3%安と続落しました。
中東緊迫でも原油価格は80㌦台近辺で落ち着き、内外金利や円相場もレンジ内平静を保ちます。先行きの企業決算や政策面には依然前向きな期待は窺われ、今回の株価調整はほぼハイテク分野の過熱解消、需給調整に過ぎないと見られます。一目均衡表上の雲突入や25日MA乖離▼8%超などテクニカル的な短期の調整目処に届いているだけに、早晩修正されることも想定される状況です。
今週は米主要ハイテク企業の決算発表が徐々に本格化、国内では21日にも閣議決定される見通しの「骨太の方針」が注目されそうです。成長分野を中心に企業投資の拡大やコーポレートガバナンス強化等の企業改革の加速に繋がる可能性も高いだけに、あらためて内外投資家の日本株買い増しを後押しする期待が広がります。
■日本株 厳選5銘柄(半導体部材・製造装置)
・レゾナック(4004)
半導体部材で圧倒的シェア(特に後工程)。石化スピンオフで半導体材料企業へ
・JX金属(5016)
半導体の配線用部材(ターゲット材)で圧倒的シェア、DC関連でも脚光
・KOKUSAI (6525)
半導体製造装置(成膜)。NANDなどメモリ向け強み。AI推論分野の成長取り込みへ
・ソシオネクスト(6526)
半導体設計・開発大手。英アームと協業も発表。為替慎重で大幅上振れ期待
・村田製(6981)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。AIサーバー向けに需要急増
注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。
■ドル円~「骨太の方針」への反応を注視~
■予想レンジ(7/21〜7/24) ドル円相場 1㌦=159.50円~163.50円
先週は、162円を挟んで方向感なくもみ合いました。中東情勢が再びきな臭さを増し、「有事のドル買い」が膨らんだものの、物価指標が事前予想を下回り米早期利上げ観測が後退、ドルの重荷となったことが背景です。ウォーシュFRB新議長の議会証言はやや「タカ派」的との受け止めが広がりましたが、反応は限られました。
一方、国内では片山財務相の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に絡む発言を受け、株式、債券、円が同時に買われる「トリプル高」の様相を呈する場面がありました。もっとも、年金基金を目先の市場対策に使うことへの批判は大きく、効果の持続性にも疑問が残ることなどから、実現に向けてのハードルは高いものとなりそうです。
今週は、「骨太の方針」への反応を窺うことが最大の焦点となる見通しです。無難通過となれば、米国の早期利上げ観測を再燃させるほどの材料は見当たらないため、原油にらみの展開を辿る公算が高く、円が弱含めば、本邦通貨当局による円買い介入への警戒感が意識されることになると判断しています。
■主な注目イベント
◇20日(月)
海の日で東京休場、7月中国最優遇貸出金利、6月の米景気先行指標総合指数(23:00)
◇21日(火)
6月白物家電出荷額(10:00)、6月食品スーパー売上高(13:00)、コンビニ売上高(14:00)、
6月の首都圏マンション販売(不動産経済研究所、14:00)、3~5月期英失業率、
7月ZEW独景気予測調査、・海外決算=スリーエム(3M)
◇22日(水)
6月貿易統計(8:50)、・東証グロース上場=ティアフォー、40年国債入札(10:30)、
6月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会、14:00)、・決算=オービック、
6月英CPI、インドネシア政策金利、米20年物国債入札、海外決算=テスラ、アルファベット、IBM
◇23日(木)
4~6月期決算=ディスコ、・実質輸出入の動向(日銀、16:00ごろ)、4-6月期韓国GDP、
欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表、トルコ政策金利を発表、南アフリカ政策金利発表、
7月のユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)、・米新規失業保険申請件数(21:30)、
海外4~6月期決算=ハネウェル・テクノロジーズ、インテル
◇24日(金)
閣議、6月全国CPI(総務省、8:30)、対外・対内証券売買契約(8:50)、
6月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会、14:30)、・決算=信越化、今村証券、中外薬、
6月の英小売売上高、7月独PMI(速報値)、仏、ユーロ圏、英、米PMI(22:45)、
6月の米新築住宅販売件数(23:00)
(注)時間は日本時間
■米国株〜ハイテク株は押し目買い好機、力強い決算内容に期待!〜
■予想レンジ(7/21~7/24) NYダウ 51,000ドル~54,500ドル
前週の米主要株価指数の週間騰落率は、ダウ平均が-0.9%、S&P500が-1.6%、ナスダック総合が-2.9%、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が-10.0%となりました。週前半は、メタ・プラットフォームズによる新たなAIモデルの発表や、市場を賑わせた金融大手ペイパルの被買収観測といった前向きなニュースが好感され、一部の銘柄には買い戻しが入り底堅くスタートしましたが週半ば以降は相場全体を牽引してきたAI・ハイテク関連銘柄を中心に利益確定売りが膨らみました。さらに、IBMが市場予想を下回る暫定売上高を報告したことでITセクター全体の投資心理が冷やされ、相場全体へ売りが波及しました。イラン情勢の緊迫化を背景とした原油高への懸念も加わり、16日のASMLホールディングスの好決算も材料出尽くしと受け止められた他、週末は中国の新興AI企業であるムーンライトの目覚ましい急成長による世界的な競争激化への警戒感が急速に高まり、半導体株が大きく崩れる軟調な展開で週を終えました。
今週は、4-6月期の企業決算発表がさらに本格化し、各企業の業績動向が相場の行方を大きく左右する展開となりそうです。S&P500構成企業の2026年第2四半期は、前年同期比+26%の大幅な増益が予想(LSEG調べ)されており、テクノロジーセクターを除いたベースでも堅調な見通しが相場の強力な下支えとなるでしょう。経済指標では、20日の6月景気先行指数をはじめ24日の7月S&Pグローバル米国製造業・サービス業PMI(速報値)や6月新築住宅販売件数など、米国の底堅い景況感と雇用情勢を確認する指標発表が続きます。個別決算では、21日のゼネラル・モーターズやハリバートンを皮切りに、22日にはアルファベット、テスラ、IBM、23日にインテルやロッキード・マーチン、24日にアメックスなどの主要発表が控えています。前週はハイテク・半導体株の調整が目立ちましたが、強力なファンダメンタルズを背景に市場では押し目買い機運が高まることが十分に想定され、各社の力強い業績見通しを手掛かりに本格的な反発ラリーが期待されます。
■外国株・週間注目銘柄
・ゴールドマン・サックス(GS)
本格的な資金調達の場に変容する資本市場での立役者として注目
・マイクロン・テクノロジー(MU)
DRAM製造大手、AI用のHBM需要拡大で収益大幅改善
・ASMLホールディングADR(ASML)
欧州時価総額最大の半導体露光装置メーカー




