「IwaiCosmo Market Topics」
2024年12月24日2025年注目テーマ・銘柄
投資情報センター長 林 卓郎
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新NISA導入で始まった2024年は日経平均の34年ぶり史上最高値更新や初の4万円台、名目GDP600兆円乗せなど、新たなステージ入りを感じさせる1年となった。日銀が3月に17年ぶりの利上げ局面入り、7月利上げ直後の8月5日には史上最大の下げ幅(4,451円)を示すなどの乱高下も、節目特有の値動きと捉えられよう。物色面では金融セクターが大幅高。金利高恩恵に加え、利回り魅力や自社株買いが好感され、とくに損保は金融庁の後押しで政策株削減が加速、資本効率改善に繋がるとの期待に繋がった。電線大手や重工・重電株など電力インフラに関わる企業もデータセンター関連として人気化、さらに情報サービスや消費、建設などの内需関連の強さも目に付いた。
景気安心感や業績期待が持続すると見られる2025年は日米ともに緩やかな上値追いが見込まれよう。賃上げと物価の好循環が本格化、企業改革の進展とともに、価値向上に沿った株高局面とみて、ファンダメンタルズや政策方向に沿ったオーソドックスな銘柄選択が有効と見る。
高水準のインバウンドも支えに消費堅調が続くなか、米国中心に海外景気の持ち直しも期待、企業の収益力向上も相俟って、過去最高水準の企業業績は更なる拡大が見込まれる。AI革命の深化や国策も寄与し、半導体関連、電子部品、防衛、電力設備などへの注目はより高まろう。2025年は米トランプ政策の影響も大きそうだ。関税強化が日本の輸出産業にマイナスとなる懸念はもちろんあるが、米景気の拡大が恩恵となる可能性も。
日銀政策は緩やかな引き締め方向が保たれ、企業改革とともに銀行など高利回りバリュー株への注目も維持されよう。加えて、ゲームやアニメ、キャラクターグッズ、おもちゃなどのIP(知的財産)分野で日本ブランドへの脚光も高まっている。スポーツ領域も含め、また大阪・関西万博開催も刺激材料となり、一段の活躍を期待する。
(林 卓郎)
出所:各種資料をもとに岩井コスモ証券作成