コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」
2023年6月22日富士山世界遺産登録10周年
東京ネットサポートセンター 友澤
こんにちは。東京ネットサポートセンターの友澤です。
富士山が世界遺産に登録されて、今年で10周年になります。
2013年6月22日に登録された当時は連日テレビでも報道され、多くの登山者で混雑した風景を記憶されている方も多いのではないでしょうか。その頃、「私も一生に一度は富士登山したい!」と思っていたため、世界遺産登録されてから2年後の2015年、初めての富士登山に臨みました。
「世界遺産に登録されてから少し時間が経ち、混雑状況も少しは落ち着いただろう」「自分自身の体力的にも今なら登頂できるかな~」「これ以上後だと、体力が落ちて登頂は厳しいかも・・・」と、ツアーに申し込みました。
時期は夏のお盆。登山ルートは比較的混雑してないと言われる御殿場ルートを選びました。
9合目の山小屋に泊まり、そこからご来光を眺めたあと、登頂を目指すという行程です。登山は5合目からスタート。
8合目までは順調でしたが、ここから雨が降り始めました。登山道も土がなくなり、岩をよじ登るようになります。予報は雨ではなかったのですが、山の天気は変わりやすいもの。
レインコートを着て、辺りも暗くなってきたのでヘッドライトを付け、前方がよく見えない中、目の前の岩をただただ登っていきます。慣れているガイドさんがコースを外れてしまうくらいの悪天候。登っても登っても目指す山小屋が見えず「いつになったら着くんだろう、、、、」と不安と疲れを感じながらも、ひたすら登り続けました。
9合目の山小屋がやっと見えた時は、心底嬉しかった。そして、山小屋の方が出してくれた温かいお茶は冷えた体が温まり、空腹で食べたカレーライスは空腹の胃に染みわたり、とても有難かったです。登頂まで、あと1合。
この山小屋で明け方まで仮眠をとり、頂上を目指します。
富士山の山小屋に泊まったことがある方はわかるかと思いますが、3畳ほどに5人が寝ます。本当に狭いスペースです。横向きで寝るスペースしか無く、上は向けません。寝返りを打つと隣の人に当たったり当たられたりで、目が覚めます。隣で熟睡していたツアー客を羨ましいと思いつつ、私も眠る努力をしたのですが、全く眠ることができませんでした。明け方、自分の体調がおかしい、、、とはなんとなく気づいていましたが、
「あと少しで頂上。ここまで登ってきたので、絶対に登頂したい!」と気力だけで足を進めようとしましたが、富士山はそんなに甘くありませんでした。ガイドさんに止められました。
「顔が真っ青で、唇が青紫色になっている。高山病だから、山小屋で休んだ後、先に下山しなさい」と。夜の間に高山病になってしまっていたのです。
頂上はもう目の前に見えており「ここまで登ってきたのに、、、」と本当に残念に思いながら、私は断念して、山小屋に入りました。その時は悔しいという思いが強かったものの、
雨の中、岩を登ったこと、
やっと山小屋が見えたこと、
そのあとのご飯が美味しかったこと。
ご来光は残念ながら曇りで見ることはできませんでしたが、きれいな雲海を見ることができたこと。
体調をしっかり見極めて止めてくれたガイドさんの気持ち。
自分と同じく高山病になった女性と一緒に、おしゃべりをしながら5合目まで下山したこと。
また、ツアー中に話をするようになった方が、有難いことに、頂上にある神社で登頂記念のお守りを買ってきてくれたこと。富士山に登ったことは本当にいい思い出です。登山者数は、2013年は30万人を超え、2019年までは毎年20万人を超えていましたが、新型コロナ感染症が流行した2020年はすべての登山ルートが閉鎖され、2021年は再開したものの登山者は約7万人程度でした。
今年、コロナが5類に引き下げられ、富士山登山者は外国人も含め、再び増えると思われます。皆さんも、富士山にお出かけの際は、持ち物も体調も万全に準備し、登山中は決して無理をせず、登ることだけではなく、日本一の富士山・世界遺産の富士山を一緒に登る方とのコミュニケーションを楽しんでくださいね。
登山される皆さまそれぞれ特別な思い出ができますように!