リスク・手数料等

マーケットレポート

プロの視点からわかりやすいレポートを提供します。

コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」

2025年7月17日

ROE(株主資本利益率)

大阪ネットサポートセンター 中村 大阪ネットサポートセンター 中村


  • みなさんこんにちは。

    大阪ネットサポートセンターの中村です。

     

    株式投資においてROE(Return on Equity=株主資本利益率)を重視される方は多いと思います。

     

    ROEは、「株主が拠出した株主資本に対してどのくらい利益を稼げるか」を示す指標です。

    「ROE=純利益÷株主資本(自己資本)×100」で計算し、数値が高い程、効率性の高い経営を行っていることを示します。目安は10%以上です。

     

    ROEは、株主資本に対して純利益が増えれば高くなりますが、計算式の通り、純利益が増えなくても株主資本を減らせばROEは高くなります。

    最近、自社株買いを行う企業が増加しておりますが、これは「市場に流通する株数を減少させ価値を高める」だけではなく、「株主資本を減らし、ROEを引き上げる」ことも目的にしています。

     

    株主資本を減らす以外にも、負債(他人資本)が多い場合もROEは高くなる傾向があります。

    なぜなら、総資産は、「総資産=負債+株主資本」で計算されるからです。総資産のうち、負債の割合が増えると株主資本は少なくなるため、ROEが上がってしまいます。そのような状態の場合、会社の財務の安全性は考慮されませんので、投資をする際は、ROEだけで判断するのでなく、「自己資本比率」や「ROA(Return on Asset.:総資産利益率)」なども確かめたうえで総合的に判断する必要があります。

     

    自己資本比率は、「総資産に対する自己資本の割合」で数値が高い程、財務が強固と言えます。そしてROAは、「総資産に対していくら利益を稼げるか」を示す指標です。

    自己資本比率は、「自己資本比率=自己資本÷総資産×100」、ROAは、「ROA=純利益÷総資産×100」で計算し、数値が高い程、総資産を効率よく利用されているとされています。

     

    単純にROEが高いからといって評価することはできません。

    ROEだけでなく、ROAおよび自己資本比率もチェックすることをお勧めいたします。

     

    ちなみに自己資本比率・ROEは四季報でもご確認いただけます。

    また当社の取引画面でROEを確認するには、「マーケット情報」で個別銘柄を検索していただくと、銘柄詳細画面が出てきますので、「指標」をクリックしてください。ROEを含めた株式指標が表示されますので、ぜひご利用くださいませ。