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2025年9月29日
ファンドマネージャー 石原 順
FRBの第3の使命は「長期金利の安定」!?金融抑圧下で富を守るためには実物資産
9月17日のロイターの記事「ドイツ銀、2026年の金価格予想を4000ドルに引き上げ」によると、中央銀行の旺盛な需要、米ドル安観測、FRB(米連邦準備理事会)の利下げサイクル再開を背景に、ドイツ銀行は2026年の金価格の予想を平均で1オンス=4000ドルとし、前回(4月時点)の予想から300ドル引き上げた。
●ゴールドCFD(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
金価格の後を追うように銀価格もじりじりと上昇している。フォーブスの9月25日の記事「銀価格は1オンス100ドルへ、個人投資家が「銀を新たな高み」へ押し上げる」は、銀が毎年2万5000トン採掘されていることを取り上げ、これは金の採掘量の約8倍にあたると指摘。かつて金と銀の価格比率が8対1だった時代があったが、現在は90対1の比率であり、ここから40対1や50対1の比率になってもおかしくないと報じている。
銀の用途はEV(電気自動車)や太陽光パネルなど産業向けが6割を占めている。一方でインフレなどによる通貨の下落をヘッジするために金に投資するのと同様の要素も備えている。9月22日のマーケット・ウォッチのオピニオン記事「Opinion: When the world's largest asset manager and the 'bond king' both agree -- run to gold, silver and bitcoin(世界最大の資産運用会社と「債券王」が一致した時、金、銀、ビットコインに走るべき)」は、政府の債務が拡大する現状において、金と銀に10%ずつ、ビットコインに10%投資するアイデアを取り上げている。
●シルバーCFD(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
米国政府の債務が37兆ドルに達しており、政府は実際には負債を返済せずに消滅させるために金融抑圧を行う可能性があると論じている。歳出削減に必要となるのは増税や歳出削減であるが、どちらも国民には不評で政治家からは嫌厭される。だから政府はもっとずる賢いことをする。国民の貯蓄の利回りがインフレ率を下回るようにし、その差額を懐に入れる。そう、金融抑圧だ。
インフレとは消費者物価指数(CPI)の数値だけではない。貨幣の価値が毀損することでも引き起こされる。米国のマネーサプライは数十年にわたり、年率7%で増加してきた。政治家が「すべて順調だ」と言っている間に、国民が持つ1万ドルの実質購買力は700ドル減少したことになる。
FRBは「雇用の最大化」と「物価安定」という2つを使命に政策運営を行っている。しかし、新たにFRBの理事となったスティーブン・ミランは「長期金利の安定」も使命の一つであると指摘している。ミランが「長期金利の安定」に言及したことは、FRBが第3の使命を見据えていることを意味している。金融抑圧下で富を守るためには、実物資産を持つことが重要になるだろう。前述のオピニオン記事は、3つの合法的な脱出ルートとして、金、銀、そしてビットコインへの投資を取り上げている。
「財政支配」とは、「フィスカル・ドミナンス(財政優位性)」とも呼ばれ、政府の財政状況や財政政策が中央銀行の金融政策の自由度を制限し、支配する状況を指す。具体的には、政府の財政赤字が拡大し、中央銀行が国債購入を強いられることで、金融政策が財政に従属する状態を意味する。
財政優位性の下では、中央銀行による国債購入が貨幣供給の増大につながり、物価上昇(インフレ)を加速させる可能性がある。また、中央銀行の金融政策が財政状況によって制約され、インフレ抑制や景気安定のための政策手段が失われる可能性がある。
1970年代、ボルカーFRB議長は19%の金利でインフレを抑制した。しかし政府債務は現在10倍に膨れ上がっている。 もし今日同じことを試みれば、財政赤字は破綻寸前の領域まで爆発的に膨れ上がるだろう。一方、日本の債務はインフレと戦うために金利を上げることが不可能になるレベルに達している。
コモディティのスーパーサイクルとバフェットによるインフレシフト
JPモルガンは2022年、コモディティにおける長期のダウンサイクルは終わり、新たなコモディティの上昇、特に原油の上昇サイクルが始まったと指摘している。世界は次のコモディティの「スーパーサイクル」に突入したという予測である。
過去100年間で、一般的に4回のコモディティスーパーサイクルがあったと言われている。前回の1つは1996年に始まった。そのスーパーサイクルは2008年(拡大の12年後)にピークを迎え、2020年(12年の収縮後)に底を打ち、新しいスーパーサイクルの上昇局面に入ったと言うものだ。
●原油のスーパーサイクルとそのドライバー
出所:JPモルガンの資料より筆者作成
1996年からのスーパーサイクルをけん引した重要なドライバーは、中国を含む新興国の経済的な台頭であった。当時、米ドルは弱含んでおり、資産運用会社はポートフォリオを分散させるためにコモディティへのエクスポージャーを追加するケースが増えていた。その後、2008年の世界的な景気後退は、欧州(2011年)と中国(2015年)のさらなる減速と相まって、コモディティ価格を下押しし、トランプ政権時代の「貿易戦争」やそれに続く世界的な製造業の不況、そして原油価格を史上初めてマイナスの領域に送り込んだ悲惨なパンデミックを経て、12年のダウンサイクル(価格下落サイクル)の終わりを告げたと見ている。
著名投資家ウォーレン・バフェットが率いる投資会社、バークシャー・ハザウェイ(BRKB)は、日本の5大商社のうちのひとつ三井物産株(8031)の保有比率が議決権ベースで10%以上になったことを明らかにした。バークシャーは完全子会社であるナショナル・インデムニティー・カンパニーを通じて日本の5大商社に投資している。バークシャーは三菱商事(8058)に関しても保有比率が議決権ベースで10%を超えたと8月下旬に発表していた。
●三井物産(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●三菱商事(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
バフェットによる日本の5大商社への投資は、バフェット流のバリュー株投資であると同時に、世界経済のインフレ局面を見据えた戦略的なシフトの一環と理解できよう。従来、バフェットは米国を中心に消費財や金融など、安定企業へ投資することで知られてきた。しかし近年は、世界的な資源価格の上昇、地政学的リスクの高まり、そして貨幣価値の目減りという環境変化を踏まえ、エネルギー株へも投資を傾けている。
日本の総合商社は単なる貿易会社ではなく、エネルギー、鉱物、食料など実物資産の流通と投資に深く関わっている。インフレ局面では紙幣や債券の実質価値が低下する一方、資源や食料などの「現物」に裏付けられたビジネスは価格上昇の恩恵を受けやすい。バフェットが日本の商社について「日本版バークシャー」と評した背景には、彼自身が長年重視してきた「インフレに耐えるビジネスモデル」という観点があるのだろう。
バフェットの商社への投資は「割安株の発掘」という従来の彼の哲学と整合しつつも、背景には「インフレ下で強い企業へのポジショニング」という大きな流れがある。投資家はこの動きを、単なる日本株投資の一例としてではなく、グローバルなマクロ環境の変化を映す鏡として受け止めるべきだろう。インフレが続く限り、実物資産を押さえる企業や、それを流通させる商社のような存在が、長期投資において重要な役割を果たすことになる。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)
●NYダウCFD(日足)
●S&P500CFD(日足)
●ナスダック100CFD(日足)
●ドル/円(日足)
●ゴールドCFD(日足)
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
を参照されたい。