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コスモ・ネットレ ブログ「徒然なるままに」

2024年12月26日

王子の狐火・名主の滝

東京ネットサポートセンター 原田 東京ネットサポートセンター 原田


  • 「名所江戸百景・王子装束ゑの木大晦日の狐火」は、「大晦日の夜、王子の装束榎のもとに稲荷神の使いである狐が集まり、装束を改めて王子稲荷へ参詣する。人々は狐の発する狐火の数からその年の豊凶を占う。」という伝承を描いた初代歌川広重が亡くなる1年ぐらい前に作成された代表作の一つといわれています。

    現在の東京都北区JR王子駅近くにあった榎の回りに集まる狐たちと、右後方のこんもりした森の中にある王子稲荷神社に列を作って歩き始めている狐たちを描いています。

    キラキラと星が輝く夜空は、刷り取った絵の具が乾く前に雲母などの光沢ある粉末を表面にまき、キラキラと輝く効果を出す「雲母摺(きらずり)」という技法が使われているそうです。

    <装束稲荷神社>

    浮世絵に描かれている榎の木は、御神木の3代目装束榎として現存しています。

    装束稲荷神社向かいの商店主に伺ったところ「浮世絵に描かれた1代目は現在の榎から左にある自転車店の裏あたりにあったが枯れてしまい、2代目は国道沿いにあったが昭和初期の都電軌道施設に伴う道路拡張のために伐採され、3代目が現在の位置にあります」と詳しく教えていただきました。

    とても小さな神社ですが、私の前後に地元のおばちゃんが参拝に来ていたことから、地元で愛されているのがわかりました。また、拝殿扉の狐のお面がかわいかったです。

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    (装束榎 撮影:原田)        


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    (拝殿扉 撮影:原田)

    東京都北区王子では、1993年の大晦日から、この浮世絵・伝承をもとにしたイベント「きつねの行列」が行われ毎年とても賑わっており、外国人観光者の見学も増えているそうです。

    <2024年大晦日~2025年>

    ・PM10:30頃 装束稲荷にて。鏡割りの儀

    ・深夜0:00  装束稲荷から行列スタート

    ・深夜0:20  ごんげん坂下で「提灯交換の儀」

    ・王子稲荷神社到着。拝殿にて参拝。

    ・神楽殿にて「きつね囃子」「獅子舞」の奉納。

    ・AM1:20頃 皆で新年を祝い、王子稲荷神社にて解散。

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    (※1)

    <王子稲荷神社>

    狐の参拝先である王子稲荷神社は平安時代には関東稲荷総司とされ、小田原北条氏は朱印状を寄せており、江戸時代には幕府の祈願所の一つに定められていたことから、東日本でも社格が高い稲荷神社といえます。

    境内には砂糖問屋組合や大手商社の名前も散見されました。

    写真の拝殿は徳川11代将軍家斉によって文政5年(1822年)に新規再建されました。

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    (王子稲荷神社 撮影:原田)

    ★見逃しがちなパワースポット★

    写真右奥の鳥居をくぐった先に「お石様」はあります。

    願い事を念じながら「お石様」を持ち上げ、事前に予想した重さよりも

     ※軽く感じたら、願い事が叶いやすい

     ※重く感じたら、叶いづらいので、まだまだ努力が必要

    との言い伝えがあるそうです。

    私は腰を痛めそうなので3秒ほどでお石様をおろしました。

    さらに奥に進むと「お穴様」があります。

    溶岩でできた穴で昔は本物の狐が住んでいたそうです。数か所あった穴も今は1か所のみで、高さ50センチ、奥行き1メートルくらいの穴でした。

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    (お石様 撮影:原田)

    <名主の滝>

    王子稲荷のすぐ近くに名主の滝公園はあります。無料で自由に出入りできます。

    その名の通り、江戸時代に王子村の名主が屋敷内に作った一般の人々も利用できる避暑のための庭園が始まりだそうです。

    写真の名主の滝は、現在は地下水をくみ上げて循環させているようです。消毒した水を使用していない為、ヘイケボタルが自生できる場所として知られており、夏にはホタルを放って観賞会もあるようです。

    訪れる人はとても少なく、静かで、整備が行き届いた良い公園です。散策中にほとんど雑音は聞こえませんでした。同じ王子にある飛鳥山公園は家族連れなど多くの人がいて賑やかで良い公園ですが、名主の滝公園は静かに散策できる良い公園です。

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    (※2)(名主の滝「男滝(おだき)」 撮影:原田)

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    (※1)王子 狐の行列の会 詳細はhttps://kitsune.tokyo-oji.jp/

    装束稲荷:東京都北区王子2丁目30番

        王子稲荷:東京都北区岸町1-12-26

    (※2)名主の滝公園:東京都北区岸町1-15-25

    https://www.city.kita.tokyo.jp/jutaku/koen/koenichiran/na-no/nanushinotaki.html