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「IwaiCosmo Weekly Letter」

2026年1月19日

日本株~衆院選を意識しつつ、循環物色の流れ継続へ~

岩井コスモ証券投資調査部 岩井コスモ証券投資調査部

  • ■日本株~衆院選を意識しつつ、循環物色の流れ継続へ~
    ■予想レンジ(1/19〜1/23) 日経平均株価 53,000円~54,500円

    先週の日経平均株価は1996円高と大幅続伸、高市首相が解散総選挙に踏み切るとの観測を支えに54000円台に乗せ、年末比上昇率は7%超となりました。高支持率を背景に自民党の単独過半数確保の可能性も意識されるなか、主力株や政策関連銘柄を中心に幅広く物色され、また上昇一服の場面においては出遅れ株への見直し買いも散見され、強い地合いを支えました。

    一方、海外では高値警戒やトランプ政策の不透明感、地政学リスクなどを意識した買い控えムードも浮上、国内では金利上昇や為替動向を睨み、手仕舞い売りに押される場面も見られました。株価急伸に伴い日経予想PERが約5年ぶりに20倍台に乗せ、同PBRは約18年ぶり高水準(1.8倍)まで拡大し、悪材料に過敏に反応しそうな雰囲気も感じられる状況です。

    今週は、ダボス会議でのトランプ氏の発言や週末の日銀会合が注目されます。政策変更なしと見られますが、今後の利上げペースへの思惑や23日とされる衆院解散を巡り、国内金利の動向には警戒が残りそうです。日米とも企業決算発表の本格化を前に、個別物色が手控えられる可能性がありますが、引き続き出遅れ循環物色の流れも継続し、下値は限定的と見ます。

    20260119日本株チャート.png







    ■日本株~週間注目銘柄~

    ・アドバンテスト(6857)
     SoCテスタにAI特需、エヌビディアと緊密な関係

    ・三菱UFJ(8306)
     最高益更新が続く、金利上昇追い風、増配・自社株買い

    ・トヨタ(7203)     
     通期見通しを上方修正も、なお保守的

    ・ファナック(6954)
     フィジカルAIでエヌビディアと戦略的協業

    注)上記、個別銘柄コメントのA、B+などの表記は当社アナリストの投資判断、目標株価を示します。詳細はアナリストレポートをご参照ください。






    ■ドル円~衆院選に絡む報道への反応を窺う展開に~
    ■予想レンジ(1/19〜1/23) ドル円相場 1㌦=155.80円~159.80円

    先週は円売りが加速する場面がありました。「高市首相が衆院解散・総選挙を検討」との報道が現実味を増し、政権基盤が強化され政策遂行能力がアップするとの思惑が広がったことが背景です。積極的な財政出動と緩和的な金融政策の長期化が意識されて「高市トレード」が再開、およそ1年半ぶりに159円台半ばまで円売りが進む展開となりました。

    週末にかけては、本邦通貨当局の円安けん制発言がヒートアップ、「為替相場の過度な変動は望ましくない」との昨年9月の日米財務相会談におけるベッセント米財務長官の発言も蒸し返されたことで、円売りにブレーキが掛かりました。もっとも、一連の米主要経済指標を受けてFRBによる早期追加利下げ観測が後退したことなどから、ドルの下値は限定的でした。

    今週は、衆院選に絡む報道への反応を注視していくことが肝要となる見通しです。高市首相の支持率は依然として高く、市場は自民党の大勝をある程度織り込んでいるとみられますが、立・公が新党の結成で合意するなど、事態は混沌としつつあるためです。足元、支持率が急低下したトランプ米大統領の言動からも目を離せないことになりそうです。

    20260119円相場チャート.png






    ■主な注目イベント

    ◇19日(月)
    11月機械受注(8:50),11月第3次産業活動指数(13:30)、
    10~12月期の中国国内総生産(GDP),中国固定資産投資、不動産開発投資11:00)、
    月中国工業生産高、小売売上高(11:00)、新築住宅価格動向(10:30)、キング牧師誕生日米休場

    ◇20日(火)
    20年物国債の入札(財務省、10:30)、1月の中国最優遇貸出金利(LPR、10:00)、
    9~11月の英失業率、1月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査

    ◇21日(水)
    12月の訪日外国人客数(日本政府観光局、16:15)、決算=ディスコ、インドネシア政策金利発表、
    12月の英消費者物価指数(CPI)、トランプ大統領がダボス会議で演説(22:30)、
    12月の米仮契約住宅販売指数(22日0:00)、米20年債入札

    ◇22日(木)
    12月の貿易統計(8:50)、決算=光世、10~12月期韓国GDP、マレーシア、トルコが政策金利を決定、
    米新規失業保険申請件数、7~9月期の米実質GDP改定値(22:30)、10、11月米PCE(0:00)、
    海外決算=インテル、プロクターアンドギャンブル(P&G)

    ◇23日(金)
    通常国会召集(調整中)、日銀金融政策決定会合結果発表、展望リポート、12月全国CPI(8:30)、
    12月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会、14:30)、12月の英小売売上高、
    1月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI、速報値)、1月の英PMI速報値、
    1月の米PMI(速報値、S&Pグローバル調べ)(23:45)   

    (注)時間は日本時間 


    ■米国株
    ■予想レンジ(1/19~1/23) NYダウ 48,000ドル~50,500ドル

    前週(1月12日~16日)の米主要3株価指数(カッコは週間騰落率)は、NYダウ(▲0.29%)、S&P500種(▲0.38%)、ナスダック総合(▲0.66%)と、そろって週間ベースで反落しました。週初は前の週までの上昇モメンタムを維持し、NYダウやS&P500は一時史上最高値圏で推移しましたが、12月消費者物価などの重要指標や決算発表を前に利益確定売りが優勢となりました。週半ばには、12月の生産者物価の発表やトランプ政権による関税政策への警戒感がくすぶる中、ハイテク株を中心に調整色が強まりました。週末16日には、12月の鉱工業生産指数が予想を上回り景気の底堅さが示されましたが、市場の関心は次期FRB議長人事へと急速にシフト。トランプ大統領がハセット氏を現職(NEC委員長)に留めたい意向を示唆したことで、市場ではもう一人の有力候補であるケビン・ウォーシュ氏の指名確率が高まったとの見方が台頭。ウォーシュ氏はハセット氏に比べタカ派的と目され、長期金利が4.2%台へ上昇、株価の重石となりました。個別では、決算を発表したゴールドマンサックスなどの金融株や、インサイダー買いが好感されたマイクロン・テクノロジーなどが買われた一方、コンステレーション・エナジーなどの電力株や一部ハイテク株が軟調でした。

    今週は、祝日明けから政治イベントと企業決算が交錯するボラティリティの高い展開が想定されます。イベントではスイスで開催されるダボス会議です。トランプ大統領は19日から現地入りし、「対話の精神」をテーマに演説を行う予定ですが、各国の首脳や企業トップに対しどのようなメッセージを発するか注目されます。また米連邦最高裁がトランプ政権の「相互関税」の合法性に関する判決を20日にも下す可能性があり、結果次第では貿易関連銘柄が大きく動意づく公算があります。金融政策面では、ケビン・ウォーシュ氏の次期FRB議長指名の行方が焦点となり、正式指名があれば金利・為替市場が反応しそう。決算発表は本格化し、ネットフリックス、IBM、P&G、ユナイテッド航空等の主要企業の業績が、ハイテク株や消費関連株の方向性を左右することになりそうです。

    20260119NYダウチャート.png







    ■外国株・週間注目銘柄

    ・アルファベット(GOOGL)
    生成AI「Gemini3」好評、時価総額がエヌビディアに次ぐ2位に浮上

    ・インテル(INTC)
    最先端1.8㎚プロセスの半導体の量産化に成功、TSMCからシェア奪回期待

    ・ASMLホールディング(ASML)
    先端半導体開発に不可欠なEUV露光装置の出荷再拡大へ