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2026年8月 3日
ファンドマネージャー 石原 順
保有株式の上昇に伴い、バークシャー株の再評価は進むのか?
米投資会社バークシャー・ハサウェイ(BRKB)の株価が8カ月ぶりの高値に上昇した。バークシャーB株は500ドル台まで上昇、昨年11月以来の水準となった。バークシャーの株価は昨年末にウォーレン・バフェット氏がCEO(最高経営責任者)を退任すると発表してから調整が続いていた。S&P500指数と比較して大きく出遅れている。
●バークシャーの株価とS&P500指数の年初来の動き
出所:グーグル・ファイナンス
1日のCNBCの記事「Berkshire Hathaway shares hit eight-month high(バークシャー・ハサウェイの株価が8カ月ぶりの高値を記録した)」によると、バークシャーにとっての好材料は同社の株式ポートフォリオにおける主要な保有銘柄3つが大きく値上がりしていることだと指摘している。
バークシャーの保有上場株式ポートフォリオの2割以上を占めるアップル(AAPL)株は今年に入ってから約14%上昇している。保有銘柄の中で3番目に大きいコカ・コーラ(KO)については年初来で26%値上がりしている。直近発表された決算において、コカ・コーラは通期の業績見通しを引き上げた。さらに、第4位のバンク・オブ・アメリカは年初来で1割ほど上昇している。
●バークシャーが保有する上場株式上位10銘柄(2026年3月末)
出所:決算資料より筆者作成
●バークシャー・ハサウェイB株(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●バークシャー・ハサウェイB株(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
モトリーフールの1日の記事「Warren Buffett and Greg Abel Have Already Made Close to $8 Billion in Gains and $424 Million in Dividends This Year on 1 of Their Oldest, Most Boring Stocks(ウォーレン・バフェットとグレッグ・アベルは、彼らが保有する最も古く、最も地味な銘柄の1つから、今年すでに80億ドル近くの利益と4億2400万ドルの配当を得ている。)」によると、バークシャーはコカ・コーラへの投資からすでに80億ドル近い利益と4億2400万ドルの配当金を得ているという。
バークシャーは1980年代後半からコカ・コーラの買収を開始し、1994年に4億株の買収を完了した。コカ・コーラはバークシャー・が保有する銘柄の中でも、最も古い銘柄の一つだ。コカ・コーラは世界的なブランドではあるものの、急成長を遂げているAI(人工知能)関連銘柄ではない。むしろ、経済の混乱や不確実性が高まる時期に保有すべき生活必需品関連セクターに分類される。
●バークシャーの株価とコカ・コーラ株の年初来の動き
●コカ・コーラ(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
バークシャーの株式ポートフォリオには様々な業種にわたる企業が名を連ねている。バフェット氏は常に、経済サイクル全体を通して価値を生み出すことが期待される企業への投資を行なってきた。予測可能性が相対的に高く、キャッシュ創出能力に優れた「生活必需品株」へ資金シフトが起きつつあることも予想される。バークシャーの強固なポートフォリオとディフェンシブな特性が再評価されている局面にある。
手元キャッシュから生み出される現金はS&P500企業の総収益を上回る!?
7月24日のYahooファイナンスに掲載されていた記事「Berkshire Hathaway's Cash Pile Now Earns More in a Year Than Most S&P 500 Companies Report in Total Profit. Here's the Math. (バークシャー・ハサウェイの現金保有額は、現在、S&P500構成企業の年間総利益のほとんどを上回っている。計算方法は次の通り。)」によると、バークシャーの潤沢な流動性は大きな利益の源泉となっており、バークシャーは保有する現金から年間で、S&P500指数を構成する企業の総収益をほぼ上回る利益を上げているという。
●バークシャー・ハサウェイの現金残高が過去最高を更新
出所:各種データより筆者作成
今年3月末時点、バークシャーが保有する手元キャッシュ(現金、現金同等物、および短期米国債を合わせた額)は約3970億ドルと、過去最高水準に積み上がっている。バークシャーが近年、株式の純売却を進めているためだ。この巨額の資金は、単にドルを保有するだけではなく、主に短期の米国債に投資されている。
現在、米国の政策金利は過去15年間で最高水準に近い水準にあり、直近の3ヶ月物米短期国債(T-Bill)の利回りは約3.7%〜3.9%前後で推移している。バークシャーはこの資金でほぼノーリスクのリ収益を得ることができる。今年第1四半期には、主に米国債保有から得た利息収入が31億ドルに達した。金利が上昇すれば、この数値も上昇する。
●3ヶ月物米短期国債(T-Bill)の推移
出所:セントルイス連銀
株式市場が調整局面にあっても、米国債から年間120億ドル規模の現金が生まれる。貸借対照表に多額の現金が計上されているという事実は、現在の市場に投資機会がほとんどないことを明確に示しているが、一方で金利収入を得ながら市場の割安タイミングを待つことができるため、株高局面で「焦って高値掴みをする必要がない」という最強のディフェンシブ姿勢を可能にしている。
バークシャーの第2四半期決算は8月8日(土)に発表される予定だ。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
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日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
を参照されたい。