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2025年11月10日
ファンドマネージャ― 石原 順
技術革新がもたらす成長期待は時としてバブルの温床になる
2023年11月にオープンAIの大規模言語モデル(LLM)のChatGPTが公開されて以降、生成AI(人工知能)の進化は世界の市場を大きく変えてきた。ChatGPTの登場からわずか2年で、米国株式市場はAI銘柄を中心に史上最高値を更新し、半導体、クラウド、光通信、データセンター関連の株価は市場を毎日のように賑わせている。とりわけエヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)を含むマグニフィセント7と呼ばれる銘柄はAIインフラの覇権を担う第2のインターネット革命の主役として、世界から多額の資金を吸い集めている。一方で、革命という光には影もつきものだ。歴史的を振り返っても、技術革新がもたらす成長期待は時としてバブルの温床となる。例えば、1990年代末から2000年にかけてのインターネット・ブーム、2000年代半ばの住宅バブル、さらには2010年代の仮想通貨バブル等が示すように、「新しい時代」を信じる資金が過剰流入したとき、人々は「今回は違う」と思い込み、市場はしばしば熱狂へと向かう。AIもその道を辿りつつあるようだ。株式市場が高値圏で揺れ動いているのは参加者がそのことに薄々勘づいていることを表しているのだろう。
確かにAIに関連した設備投資の需要は急速に拡大している。この旺盛な需要は、半導体だけではなく、光通信、電力、冷却装置といった周辺の産業にまで効果を及ぼしている。一方で同時に、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)のように利益成長が株価評価に追いついていない企業も出てきている。特定のテーマを持つ銘柄に資金が集中する構図は、典型的なバブルの様相を帯びている。
マーケットウォッチの10月3日の記事「The AI bubble is 17 times the size of the dot-com frenzy -- and four times the subprime bubble, analyst says(アナリストによれば、AIバブルはドットコムバブルの17倍、サブプライムバブルの4倍の規模である)」は、独立系調査会社マクロストラテジー・パートナーシップが、AIは単なるバブルではなくドットコムバブルの17倍、2008年の世界的な不動産バブルの4倍もの規模に達していると分析したことを報じている。
マクロストラテジー・パートナーシップは英国を本拠とする機関投資家200社余りを顧客に持つシンクタンクだ。データセンターへの投資効果と資産効果のいずれもが頭打ちになるにつれて、すでに失速状態にある経済は不況に陥るだけでなく逆回転を始めると述べている。2008年のサブプライム危機では税金7000億ドルが救済策として投じられた。ドットコムバブルの崩壊からナスダックが回復するまでに約15年を要した。
今回のバブルは7社に集中している。これら7社はS&P500の37%、約4割を支配している。つまり、もしこれらの企業が破綻すれば、あらゆるインデックスファンド、年金基金、さらには個人の退職金口座等も苦境に陥るだろう。ドットコム・ブームの時代は4つ企業(シスコ、EMC、オラクル、サン・マイクロシステムズ)が市場を支配していたが、市場の20%を超えることはなかった。マグニフィセント7はそのほぼ2倍を支配している。7社への集中は1929年以降、市場が学んできた分散化の原則に反している。
●マグニフィセント7 VS S&P493
出所:Michael A. Arouet
循環型資金調達ループで展開される資金調達メカニズム、金融投機と生産性はバランスしていない?
プロジェクト・シンジケートに11月7日に掲載された投稿記事「In Search of the AI Bubble's Economic Fundamentals(AIバブルの経済的ファンダメンタルズを探る)」は、半導体工場とデータセンターの建設をめぐる世界的な競争をめぐって投資が急増し、評価額が急騰するにつれて、金融投機が生産性の向上を上回っていることを示唆する証拠が増えていると指摘している。
そして、ここ数週間、「AIバブル」を目撃しているという考えは、世論の片隅から主流へと移行したとともに、フィナンシャル・タイムズの10月22日の記事「Bubble-talk is breaking out everywhere(バブルだとする話が至る所で飛び交っている)」を引用しつつ、「バブル論は至る所で勃発している」と論じた。
過去の投機サイクルと同様に、今回のサイクルも創造的な資金調達メカニズムという特徴を持っている。4世紀前、オランダのチューリップ・バブルは球根の先物契約を生み出した。2008年の世界的金融危機では合成担保付債務証券(CDO)やクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などのデリバティブによって煽られた。今日、同様のダイナミクスが、チップメーカー、クラウドプロバイダー、そしてOpenAIのようなLLM開発者を結びつける循環型資金調達ループでその資金調達メカニズムが展開されている。
一方で、1990年代後半のテクノロジーバブルは、インターネットの物理的および論理的インフラを世界規模で構築した。この時期の投機は主に株式市場に集中し、一部は取引可能なジャンク債市場に波及したが、経済全体のレバレッジは限定的だった。鉄道から電化、そしてインターネットに至るまで近代資本主義は、収益が事前に予測できない、変革をもたらす可能性のある技術に資金を提供するために、繰り返し巨額の資本を動員し、金融投機の波が押し寄せた。
投機的な資金が引いた後にはいくつかの企業が破たんすることになったが、鉄道の線路を撤去したり、電力網を撤去したりする人はいなかった。また、地下の光ファイバーケーブルは社会のインフラとして次世代を担う重要な役割を果たし続けている。一方で、こうした「汎用技術」によって実現される「キラーアプリケーション」が生まれるまでには一定の時間を要する。
例えば、1882年、トーマス・エジソンはパールストリート発電所を稼働させ、電気の時代をもたらしたが、電化による製造業の生産性革命は1930年代になってから起こった。同様に、1876年に発明されたオットー内燃機関から1908年のヘンリー・フォードのモデルT、そしてジャック・キルビーの集積回路(1958年)からIBM PC(1981年)に至るまでには一世代を要した。インターネットの原型が初めて実証されたのは1972年であったが、アマゾンやグーグルが設立されたのはそれから20年経過した後だった。
先週、著名投資家のマイケル・バーリがAI時代の寵児であるエヌビディアとパランティア(PLTR)株のショートポジションを構築したことが話題となった。バーリが運営するファンド、サイオン・アセット・マネジメントが3日に米証券取引委員会へ提出したフォーム13F報告書で明らかになった。パランティアに対して約9億1200万ドル分のプット・オプション、エヌビディアに対して約1億8700万ドル分のプット・オプション、合計すると10億ドル以上の弱気ポジションとなる。
パランティアのアレックス・カープCEO(最高経営責任者)はCNBCの番組に出演し、「自らを倫理的だと主張する人々が、実際には世界最高のビジネスのひとつに対して空売りを仕掛けている」とし、「この行為は非道(egregious)だ」と語った。また、「売り手が誤っていると証明されたときには、こちらはダンスするつもりだ」と強気の姿勢を示した。
映画「ビッグ・ショート」でも描かれていたようにマイケル・バーリの売りはいつもタイミングが早い。昨今の戦争モードの世の中で、軍産複合体に属するパランティアを相手に勝負をかけるのは分が悪い気がする。そもそも今の相場はファンダメンタルズなど関係ないが、AIバブルの問題は合法的に収益を調整しているベンダーファイナンスや簿外会計にある。
ポール・チューダー・ジョーンズは、株式市場が「過熱」してピークを迎える前に急激に上昇する可能性があると述べ、現在の状況を1999年のドットコムバブルと比較した。
●S&P500(1997年~2001年)とS&P500(2023年~現在)のアナログ(類似)チャート
出所:リアルインベストメントアドバイス
2008年の世界金融危機(リーマンショック)以降の市場は、政府が市場に大きく介入する国家管理相場となっている。ポンジスキームの防衛はかってないほど強固になっている。したがって、それを支える金融システムそのものが崩壊しない限り、相場は崩れにくい構造になっている。まだ米国は利下げのノリシロがありQE5も温存しているから、崩壊が起きるとしても今ではない気がする。いずれにせよ、市場の崩壊をピンポイントで当てることは不可能だ。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
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ドル/円(日足)
ゴールドCFD(日足)
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
を参照されたい。