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2025年9月22日
ファンドマネージャー 石原 順
「hardness(硬度・耐性)」なき法定通貨はアルミニウムの二の舞となる!?
モルガン・スタンレーの最高投資責任者(CIO)マイク・ウィルソンが、従来の60/40ポートフォリオから、株式60%、債券20%、金20%を配分する60/20/20戦略への移行を推奨しているという。キャッシュフローや利益が安定している高クオリティ株を補完する新たなヘッジとして金を捉えているとのことだ。60/40ポートフォリオは、資産の60%を株式に、40%を債券に配分する古典的な投資手法の一つとされている。
株式の下落時に債券が上昇しやすいという逆相関の関係を利用し、リスクを分散して安定したリターンを目指すというもので、これまで歴史的に有効とされてきた。ただし、近年の金利上昇局面などでは株式と債券が同時に下落する局面もあり、従来の分散効果が弱まる場合があることも指摘されている。金融情報ポータルサイトのinvestingliveに掲載された17日の記事「Morgan Stanley CIO pushes 60/20/20 portfolio, says gold now stronger hedge than Treasuries(モルガン・スタンレーのCIOは60/20/20ポートフォリオを推奨し、金は国債よりも強力なヘッジ手段だと述べる)」によると、ウィルソンは、投資家が長期債利回りの上昇を想定する中、米国株と米国債の上昇余地が限定的であることを踏まえ、60/20/20戦略はインフレに対するより強力なサポートになると主張しているという。投資家のダグ・ケーシーが運営するサイト「INTERNATIONAL MAN」に、「Why the Hardest Money Always Wins(なぜ、耐性の高いマネーが常に勝利するのか)」と題するコラムが掲載されていた。アルミニウムが金よりも評価されていたという歴史がある技術革新によって覆される歴史を取り上げている。コラムは1800年代のフランスから始まる。
フランス皇帝ナポレオン3世は、晩餐会で最も名誉ある客のためだけに特別なアルミ製カトラリーセットを用意した。当時、一般の客には金の食器が使われていたという。1800年代半ば、アルミニウムは金よりも希少であったため、アルミニウムはフランスの国宝に含まれ、アルミニウム製の宝飾品はフランス貴族のステータスシンボルだったそうだ。
周期表第13族に属するアルミニウムは自然界に豊富に存在するものの、金属としての単体ではなく、複雑な化合物の中に結合して存在する。これらの化合物から純粋なアルミニウムを抽出するのは非常にコストがかかり複雑なプロセスであったため、金よりも生産が困難だった。価格はそれを反映していた。しかし、1886年、画期的な発明(ホール・エルー法)、いわゆるイノベーションによって純粋なアルミニウムをわずかなコストで大量生産できるようになり、アルミニウムの物語は劇的に変化したと言う。
この革新が起きる以前、世界のアルミニウム生産量は月にわずか数オンスに過ぎなかった。その後、米国のアルミニウム会社が、1日あたり800オンスの生産を開始、そしてその20年後には1日あたり140万オンス以上の生産量を誇るようになる。もちろん、アルミニウムの価格は暴落した。
1852年には1ポンドあたり550ドルという驚異的な価格がつけられていたが、約30年後の1880年にはわずか12ドルに低下した。価格はさらに下がり続け、1900年代初頭には1ポンドの価格は約20セントとなった。アルミニウムはもはや皇室の祝宴や国庫で備蓄される貴重な金属ではなく、飲料缶やキッチンホイルなどに使われる身近な生活素材となった。
贅沢品だったアルミニウムがどこにでもあるものへと劇的に転落したことは、重要な通貨原則を浮き彫りにしていると指摘している。それは「hardness(硬度・耐性)」であり、良質な通貨の最も重要な性質であるとしている。「hardness(硬度・耐性)」は物理的に硬いという意味ではない。むしろ、「生産が難しい」という意味として使われている。価値の低下に対する耐性として理解することが出来るだろう。これは、あらゆる優れた価値保存にとって重要な特性であり、お金の重要な機能である。
誰でも簡単に作れるものにあなたの全財産を託すだろうか。それは、あなたの資産を商店街のクーポンやポイント、航空マイル、あるいは「政府の法定通貨」に保管するようなものである。「hardness(硬度・耐性)」を備えた資産は、供給の増加率、つまり毎年新たに生み出される供給量を既存の在庫量で割った値で測定し、供給増加率が低いほど、資産の耐性は高くなる。
歴史的に、金は人類にとって最も堅固な資産だった。供給量の増加率が極めて低く安定しているため、金は数千年にわたって最良の通貨として君臨してきた。World Gold Council(ワールド・ゴールド・カウンシル)によると、金の供給増加率はわずか1.7%で、この数字は長期にわたって安定していると言う。つまり、人類がどれだけ努力しても、金の供給量を毎年2%以上増やすことはできないということだ。
●現物商品の供給増加率
出所:INTERNATIONAL MAN
供給増加率の低さと価値下落に対する耐性をベースにした場合、金に匹敵する現物商品は他にないと言う。金や銀といった貨幣価値を持つ商品の供給増加率は相対的に低く、対照的に工業用商品の供給増加率ははるかに高い傾向にある。供給の伸び率が高いということは、新たな生産が全体の供給、そして価格に大きな影響を与える可能性があることを意味する。
「hardness(硬度・耐性)」こそ、良質な通貨の最も重要な特性だ。もし誰かが簡単に発行できるのであれば、他の特性はすべて無意味となる。だからこそ、歴史を通して、最も耐性の高い資産が選ばれてきた。そして、歴史を通じて金はその地位を占めてきた。危機の時には金が輝く。世界的に債務が急増し、法定通貨が不安定になり、中央銀行への信頼が崩れる中、大規模な通貨リセットはもはや「起こるかどうか」の問題ではなく、「いつ起こるか」の問題だと論じている。
レイ・ダリオ:米政府の債務累積が金融秩序を脅かしつつある
世界最大規模のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオは19日、シンガポールで開かれた「フューチャーチャイナ・グローバル・フォーラム」のパネル討論会に登壇し、米国政府は30%の過剰支出を行なっており、12兆ドル規模の国債発行が必要で、米政府の債務累積が金融秩序を脅かしつつあると指摘した。19日のブルームバーグの記事「ダリオ氏、米国債務の危機を警告-「金融秩序への脅威」高まる」によると、ダリオは「その他の要因も重なれば、米国の覇権そのものが終焉を迎えるか決定づけることになる」と語った。また、「世界市場にはそうした国債に匹敵する需要がなく、それが需給の不均衡を生む」とし、歯止めのきかない信用拡大は「人間の本性」に起因すると述べた。
ダリオは以前から米国の債務について警鐘を鳴らしている。17日にはSNSのLinkedinに「It All Has Happened Before for the Same Reasons(これまでにも同じようなことが同じ理由で起こっていた」というタイトルの投稿を行った。その中でダリオは、指導者のタイプ、技術、物語は必ずしも同じではないが、展開されている基本的なストーリーと、それを推進する因果関係は、歴史の中で何度も繰り返されてきた(最近では1930年代と同じ)と指摘、具体的に以下の9つの事象を取り上げた。
1.多額の負債を抱える世界有数の準備通貨国の中央政府が、多額の国債売却と債務返済額の大幅な増加を必要とする大きな赤字を生み出す予算案を可決したことは、中央銀行が実質金利を押し下げ、財政ファイナンスすることで対処する可能性が高く、不換紙幣とそれをベースにした債務のリスクが増大することにつながる。
2.国の競争力を高め、税収を増やし、貿易を敵国に対する武器として利用するために、経済的および地政学的理由から比較的大きな関税を課すこと。
3.国の指導者が中央銀行に対する統制を強めようとする動き。
4.国の指導者が、国を破滅させていると考える政治体制と政敵の両方を支配しようとする動き。極右派と極左派の間の対立を引き起こしている。民主主義国家において右派(共和党)と左派(民主党)の両陣営が、代表民主主義ではなく、選挙区の再編(テキサス州の共和党とカリフォルニア州の民主党による)を通じて、選挙が自分たちに有利になるように影響を及ぼそうとする動き。
5.社会的混乱が生じ、指導者の政策に対して政治的反対がある都市に国家警備隊を配備すること。
6.銃による暴力や政治的暴力が多発している国で、政治家(チャーリー・カーク)が射殺され、殉教し、追悼される。
7.ライバル関係にある大国(中国、ロシア、インド、北朝鮮、イラン)の指導者たちが会議や軍事パレードに集まり、世界の主要な大国とその世界秩序に挑戦する自国の力について語り、誇示する。
8.他の主要国(NATO諸国)と同盟を結んでいる国々(ポーランド、その後ルーマニア)への(ロシアの無人機による)侵攻。攻撃を受けた加盟国が行動を起こした場合、NATO諸国は戦争に突入する必要がある。
9.戦争中の国(イスラエル)による、イスラエルとハマスとの交渉を支援しようとしていた中立主権国に収容されていた敵に対する攻撃。
ダリオは、歴史は正確に繰り返されるのではなく、韻を踏むという考え方に賛成だと述べている。多くの状況は似ているものの、全く同じものは一つもないからだ。今起きている大きな出来事、そしてそれらの出来事がどこへ向かうのかを理解するには、細部に目を細めたり、正確さを求めたりするよりも、大きな力の相互作用に焦点を当てることが最も重要だと述べている。
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
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