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2025年8月12日
石原 順
FRBよりも多くのTビルを保有するバークシャー
米財務省は5日、4週間物財務省短期証券(Tビル)1000億ドル相当の入札を7日に実施すると発表した。4週物Tビルは、米財務省証券で最も満期の短い債券である。8月6日のブルームバーグの記事「1000億ドルを一気に借り入れ、米財務省が4週物Tビル入札で記録更新」によると、4週間物Tビルでは過去最大の規模であり、前週から50億ドル上積みされたと言う。米国の債務上限が7月上旬に引き上げられて以来、米財務省は準備残高を増やすためにTビル発行額を増やしてきた。発行規模が巨額になったことについて上記の記事は、米国の連邦政府の財政赤字を穴埋めするための国債発行が今後、ますます増額される兆候とみられていると指摘している。
Tビルは、米国政府が発行する短期債務証券で、満期の期間は4週間から1年までがある。定期的な利息は支払われず、割引価格で販売される。米国政府の信用力に裏付けられていることから、世界で最も安全な投資の一つと考えられており、その流動性の高さから多くの国や企業においても現金準備金の運用手段として選ばれている。
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(BRKB)は、そのTビルを民間企業として最も多く保有している。2日に発表されたバークシャーの2025年第2四半期決算発表資料によると、6月末時点のバークシャーの現金同等物に米短期債の保有額をあわせた広義の手元資金は3440億ドルだった。3ヶ月前に比べて1%減ったものの、一年前に比べると2割以上多い水準だ。
●バフェットの現金残高とNYダウの推移
出所:各種データより筆者作成
その内訳を確認してみよう。手元資金のうち、約70%に相当する2436億ドルが米短期債で保有されている。前の四半期に比べて2割近く減少(625億ドル減少)している。前の四半期は全体の約88%に相当する3055億ドルが米短期債で保有されていた。
バフェットは以前、米国債の購入について唯一の問題は、「3カ月物の財務省短期証券で買うか6カ月物で買うかだ」と語っていた。将来起こりうる市場の混乱に備え、可能な限り期間の短い短期国債で運用する方針を示していた。
直近の米短期債の利回りは4%台の前半だ。バークシャーが保有している短期債が3ヶ月物なのか6カ月物なのか詳細は不明であるが、単純に4%の利回りだと仮定すると、保有する短期債から年間、約97億ドルの金利収入が入ることになる。147円で換算すると1兆4288億円である。
インベストピアの8月6日の記事「Why Warren Buffett's Berkshire Hathaway Now Owns More Treasury Bills Than the Federal Reserve(なぜウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイは、FRBよりも多くの国庫証券を保有しているのか)」によると、FRBの短期国債保有額は2025年7月時点で1950億ドルということだ。バークシャーはFRBが保有するよりも多くの短期債を一民間企業として保有している。
●バークシャーが保有する現金残高の内訳
出所:決算資料より筆者作成
一方、現預金残高については、前四半期は421億ドル(全体の約12%)だったのに対し、6月末時点では1004億ドルと2.4倍に拡大している。バークシャーの膨大なキャッシュポジションは、適切な機会が訪れるまで流動性を維持するというバフェットの長年の戦略を部分的に反映していると言える。その中でも短期債の保有を減らし、現預金を2倍余りに拡大していると同時にバークシャーが短期債市場を大きく左右しうるだけの存在であることを指摘しておきたい。
「損切り」は資金を守り、より良い機会に資本を振り向けること
バークシャーは2025年第2四半期に11四半期連続で株式を売り越した。2025年第2四半期末時点のキャッシュフロー計算書によると、株式の取得額が39億900万ドルだったのに対し、売却額は69億1500万ドルと、30億600万ドルの売り越しだった。
●バークシャーの株式売買動向
この四半期に保有するクラフト・ハインツ(KHC)株の減損処理を行った。バークシャーは2013年にブラジル系のファンド、3Gキャピタルと組み、旧ハインツを買収し、非公開化した。その後、ハインツが2015年に旧クラフト・フーズと合併する際にも主導的な役割を担った。ハインツは主力商品のケチャップで高いブランド力を持っており、当時、コカ・コーラ(KO)と同様に、景気変動の影響を受けにくい消費財ブランドでバフェット好みだと言われていた。
日本経済新聞の8月5日の記事「バフェット氏「損切り」のなぜ 継承準備か大勝負へ布石か」は、バフェットが2019年に米メディアに対し、合併の相乗効果を見誤り「ハインツにカネを払いすぎた」と吐露したことを取り上げた。一方で、今回の大型減損を経て保有株をすべて手放すとの観測が上がっていると報じた。年末のCEO(最高経営責任者)退任が近づくなか失敗事例の損切りし、懸案事項に片を付けているという。
●バークシャーが保有する上場株の内訳(2025年3月末時点)
●バークシャー・ハサウェイB株(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
バークシャー・ハサウェイB株(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
投資において「損切り」は、重要ではあるものの、多くの投資家が後回しにしがちな判断の一つである。いつか株価が戻るのではないかという期待は、時に資産を大きく減らす原因となる。「損切り」は失敗の証明ではなく、資金を守り、より良い機会に資本を振り向けることである。実際、バフェットはこれまで航空会社やIBM(IBM)を大幅な損失で手放したことがある。バフェットは、「バリュー投資の父」と呼ばれる経済学者のベンジャミン・グレアムからコロンビア大学で教えを受けた。このためバフェットは師に倣い、一般的には割安株を長期に保有する「バリュー投資家」であると考えられている。投資に関するバフェットの名言は数多く伝えられているが、2つのシンプルなゴールデンルールがある。それは「第1ルール、損をしないこと。第2ルール、第1ルールを忘れるな」である。
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日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
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