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2025年6月 2日
石原 順
問題は中国がAIを持つかどうかではなく、世界最大級の市場が米プラットフォームで動くかどうか
米半導体大手のエヌビディア(NVDA)が5月28日に発表した2026年度第1四半期(2025年2-4月)の決算は、売上高が前年同期比69%増の440億6200万ドル、純利益は26%増の187億7500万ドルだった。売上高、純利益ともに市場予想を上回ったものの、米政府による対中輸出規制に関連した在庫引当金などの費用を計上したことが影響し、連続最高益更新という記録は2年ぶりに途切れた。
エヌビディアの売上高と純利益
出所:決算資料より筆者作成
エヌビディア(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
エヌビディア(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
エヌビディア(月足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
2022年に米商務省から先端半導体に対する輸出規制が出されて以降、エヌビディアは中国向けとして特別に設計したGPU(画像処理半導体)を市場に投入してきた。しかし、規制強化に伴い、今年4月にはエヌビディアが2024年から出荷していた中国向け先端半導体「H20」が規制の対象に加えられた。H20は中国向けに作られており、基本的には中国以外には市場がない。エヌビディアは2-4月期に45億ドルの評価損を計上した。
ジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)は決算説明会において、「競争を続ける限られた選択肢を探っている」と述べ、規制に従いながら中国向けの事業継続をめざす意向を示した。一部報道でも、エヌビディアはH20の代わりとなる製品の設計に取り組んでいると伝えられている。
米国の輸出管理についてファンCEOは投資家とのアーニングス・コールの中で次のように述べている。
中国は世界最大級のAI市場であり、世界的な成功への足がかりとなる。世界のAI研究者の半数が中国を拠点としており、中国を制するプラットフォームは世界をリードする立場にある。中国のAIは米国のチップが有る無いにかかわらず前進する。高度なモデルを訓練し、配備するためには計算が必要だ。問題は中国がAIを持つかどうかではない。問題は世界最大級のAI市場がアメリカのプラットフォームで動くかどうかである。中国向けの規制を強化することは、海外で中国を強化し米国の立場を弱めるだけだ。輸出規制は中国の技術革新と規模拡大に拍車をかけている。AI競争はチップだけの問題ではない。世界がどのスタック上で動くかということだ。そのスタックが6Gや量子を含むように成長するにつれ、米国のグローバル・インフラストラクチャーのリーダーシップは危機に瀕している。
米国は中国がAIチップを作れないという前提で政策を行ってきた。その前提は常に疑問視されていたが、今では間違っていたことが明らかになった。中国には巨大な製造能力がある。最終的にはAI開発者を獲得したプラットフォームがAIを獲得する。米国のプラットフォームを強化すべきであり、世界のAIの才能の半分をライバルに追いやるべきでない。
部門別売上高を見ると、データセンター向けの売上高は前年同期比73%増の391億ドルと全体の約9割を占めた。通常、2-4月期は年末の繁忙期後の裏期と言われており、年間の中でも売上が鈍化するタイミングである。トランプ関税の影響もあるだろうが、そこで約7割の増収を達成したのは驚異的だと言えるだろう。エヌビディアのコレット・クレスCFO(最高財務責任者)は、AI(人工知能)向けの需要は学習から推論に移行しており、顧客のコミットメントは強固だと述べた。
車載半導体などの自動車部門の売上高は前年同期比72%増、ゲーム部門の売上高は前年同期比42%増の376億ドルとなった。今月発売される「Nitedo Swith2」へも採用されているそうだ。地政学的なリスクを乗り越え、エヌビディアのGPUを使うアプリケーションが多様化していることが確認できる。
エヌビディアの部門別売上高の推移
出所決算資料より筆者作成
エヌビディアの地域別売上高の推移 出所:決算資料より筆者作成
地域別では、売上高に占める中国の比率は予想を下回り、前四半期に比べても減少した。第2四半期についても中国向けの収益は大幅に減少することが予想されている。成長が続いているシンガポールについてはアーニングス・コールの中でコレットCFOより興味深い話があった。売上高の20%近くを占めているが、これは大口顧客の多くが請求処理にシンガポールを利用しているためだと説明。シンガポール向け売上の99%以上は米国を拠点とする顧客からの注文に対するものであるとし、製品はほぼ別の場所(シンガポール以外)に出荷されていると述べた。
AIは単なる興味深い技術ではなく、社会全体のインフラとして認識し始められている
ウォール・ストリート・ジャーナルは5月26日、『「ソブリンAI」時代、半導体メーカーにとっての意味は』と題する記事の中で、サウジアラビアが地域や世界におけるAIハブとしての地位を確立しようとしており、「AI設備投資の持続可能性を懸念する投資家にとって、明確な戦略に基づいて多額の資金を投じる意欲と能力を持つ新たな顧客が現れた」とする運用会社のアナリストのコメントを取り上げた。
フアンCEOは以前から、「通信事業が国家インフラの一部であるように、AIは国家インフラの一部になる」と述べていた。国がAIに直接投資する概念を「ソブリン(主権)AI」と表現し、ソブリンAIの需要は今後「巨大になるのが確実だ」と語っていた。エヌビディアが目指す成長を支える重要な要素となっているとも指摘した。
アーニングス・コールでファンCEOは次のように述べている。
サウジアラビア、台湾、UAEで発表されたようなソブリンクラウドは戦略的に不可欠だ。生成型AIからエージェント型AI、すなわち受信、推論、計画、行動が可能なAIへの移行は、あらゆる産業、あらゆる企業、そして国を変革するだろう。私たちは、AIエージェントが、顧客サービスから複雑な意思決定プロセスまで、幅広いタスクを処理できる新しいデジタル労働力であることを想定している。
各国は自国のデジタル能力を高めるため、国営のAIプラットフォームの構築を競っている。先週はスウェーデンで、同国初の国家AIインフラを立ち上げた。日本、韓国、インド、カナダ、フランス、英国、ドイツ、イタリア、スペインなどでは現在、スタートアップ企業や産業、社会に力を与えるための国家AIファクトリーを建設中だ。ソブリンAIはエヌビディアの新たな成長エンジンである。
ここで重要コンセプトはAIが文字通りあらゆる産業に影響を与える他のテクノロジーと同じになったということだ。電気がそうで、重要なインフラ担っている。もちろん、現在インターネットとして知られている情報インフラは、あらゆる産業、あらゆる国、あらゆる社会に影響を及ぼしている。
AIの普及が進む一方で、その流れが一時的に後退しつつあるのは、ちょうど世界中の国々がAIを単なる興味深い技術や重要な技術としてだけでなく、自国の産業、スタートアップ、社会全体のインフラとして認識し始めたタイミングと重なっている。かつて電力やインターネットのインフラを整備したように、今やAIのためのインフラを整備する必要があるという認識が広がってきており、この「目覚め」が多くの新たな機会を生み出している。
前述のウォール・ストリート・ジャーナルの記事では、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が顧客向けのリポートにおいて「ソブリンAIは商用クラウド投資を見事に補完している」との見方を示したことも紹介している。ソブリンAI市場は長期的に年間500億ドル規模に達する可能性があり、これは「世界のAIインフラ機会」の10~15%に相当するとの見通しだ。エヌビディアの次の主戦場は国家という巨大な市場になりそうだ。
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ブログ『石原順の日々の泡』
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