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2025年4月14日
石原 順
最大の米国債券保有者である外国人の投資行動に翻弄される米債券市場
4月2日の「解放の日」から波乱の約2週間が経過した。米長期金利の指標である米10年国債の利回りに上昇(債券価格は下落)圧力がかかり、先週一週間の上昇幅は米同時テロ後の2001年11月以来、2023年5カ月ぶりの大きさとなった。金利が上昇する一方、ドルが売られ、ドル/円は一時142円台まで下落する場面があった。4月12日の日本経済新聞の記事「「米国売り」23年ぶりの衝撃 米国債・ドル急落の1週間」は、米国の通商政策を巡る不確実性から米国資産を売る動きが止まらないと指摘している。今回の市場動揺が始まったのはトランプ大統領が相互関税を発表した2日からだ。直後はリスク資産である株が売られ安全資産である米国債に資金を移す動きが見られ、金利は低下した。ところが、週明け7日から流れが反転、中国が保有する米国債の売却に動いたとの観測が浮上する中、米国債の投げ売りが加速したと報じている。
米国の経済政策不確実性指数は2020年のパンデミック以来の水準まで上昇出所:各種資料より筆者作成
通常、株式と債券の値動きは逆になるという相関関係にある。米国政府が発行する債券は米国債と呼ばれ、世界最大の経済大国である米国が保証している。伝統的に安全な資金の避難先とみなされてきた。しかしそれが崩れた。そもそも債券とは何か。債券とは、その所有者が特定の借り手に資金を貸し付け、一定の期日に返済されることを確認する証書のことで、安定したリターンを求める投資家が好んで保有する資産のひとつである。企業は資金を借りるために債券を発行し(社債)、政府も投資やその他の支出に充てるために債券を発行する(国債)。債券の価格が下落すると、利回りは上昇する。一方で債券価格が上昇すると利回りは下落する。利回りは一般的に金利、または発行体の借入コストである。利回りの上昇は投資家の間で債券に対する保有意欲が減退していることを示唆しており、それは発行体の返済能力(国の経済や財政の見通し)やインフレ期待などの要因に影響される。
米国の政府税収に対する利払い比率
出所:ウルフ・オブ・ウォールストリート
継続的な歳出の増加と税収の減少に伴い、米国の借金は36兆ドルの大台を超えた。社会保障費、国防費、医療費といった支出よりも国債に対する利払い費が多くなることが想定されている。最も懸念すべきは、その利払い費用を賄うための税収との関係だ。利払い額は急増しており、税収に対する利払い比率は2024年第3四半期に37.8%に急上昇した。
国別米国債保有残高出所:ヴィジュアル・キャピタリストの記事より筆者作成
米国債券の約4分の1は日本や中国といった海外の投資家が保有している。大方の報道でわかるように今回の騒動から浮かび上がってきたのは、改めて米国にとって金利の上昇は致命的になりかねないということだ。そしてその米国債を大量に保有している国々は米国の命運を左右するカードを持っているという単純な観測であろう。しかし、仮に中国が米国債のポジションを大幅に縮小すれば、FRBはスワップラインを提供しなくなるだろう。
中国が米国債を売ってゴールドを買えば、中国がドルを破壊していると人々は考える。だが、中国も日本も米ドルや米国債市場を破壊することはできない。米ドルや米国債市場を破壊できるのは、実はその創造主である米国(連銀)だけである。
経済が収縮し、多くの人が準備不足に陥るような債務と金融の再編が起こる!?
世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者で、著名投資家のレイ・ダリオは、以前より、金融情勢を劇的に変える可能性のある経済のパラダイムシフトが差し迫った状況にあると警鐘を鳴らしてきた。
ダリオの懸念は、政府および企業の債務が持続不可能な水準に達していること、そして通貨の切り下げを目的とした中央銀行の積極的な政策、この2つが相まって生じている。彼は今後18ヶ月以内に、経済が大幅に収縮し、多くの人が準備不足に陥るような債務と金融の再編が起こるだろうとの予測を示している。「現在、私たちは長期債務サイクルの危険な後期段階にいる。債務資産と負債の水準は、インフレ率に見合った十分な高金利を貸し手である債権者に提供することが困難になるほどの高さにまで上昇している。そうなれば、大幅な金利上昇か、あるいは連邦準備制度による大規模な紙幣発行につながり、通貨価値がさらに下落する可能性がある」と指摘している。
今年初め(1月14日から23日にかけて)には、リンクトインに「How Countries Go Broke(国家はいかに破綻するのか)」と題する論文を掲載し、大きな長期債務サイクルは必ず大きな債務バブルの崩壊につながっていると論じた。
ダリオは、1700年以降に存在したおよそ750の通貨/債務市場を分析し、そのうち今も残っているのはわずか20%ほどであり、残っている市場もすべて、機械的なプロセスによって大幅に切り下げられていることが分かったと述べ、次のように論じている。
政府債務が膨大で急速に増加している現在、他の事例を研究することなく、今回が他の時代とは異なるだろうと考えるのは、危険な怠慢であるように思える。それは、過去に内戦や世界大戦が起こった経緯を研究することなく、私たちの生きている間にそれらが起こっていないからといって、今後二度と起こらないだろうと考えるようなものだ。(ちなみに、南北戦争と世界大戦の力学は現在も進行中であると私は考えている)。
4月3日と5日にはSNSに「The Effects of Tariffs: How the Machine Works(関税の効果:影響を及ぼすメカニズム)」と題する投稿を行った。その中でダリオは現在のマーケットについて、関税による以下の3つの2次的影響を織り込むような動きとなっており、今後、金融、経済、地政学的に大きな変動がもたらされると想定している。
1) 関税が相互関税で対応された場合、その影響はより広範なスタグフレーションとなる2) 金融政策が緩和され、実質金利が低下、デフレ圧力の最も強い国では通貨安になる(これは通常の中央銀行の対応)、および/または金融政策が引き締められると、実質金利が引き上げられ、インフレ圧力が強い国では通貨高になる(これは通常の中央銀行の対応)3) ディスインフレの力が弱いところでは財政政策を緩和し、インフレの力が強いところでは財政政策を引き締め、このような変化によってデフレまたはインフレの影響の一部を中和する生産・貿易・資本の不均衡(最も重要なのは負債)は、金融、経済、地政学的な理由から、危険なほど持続不可能であるため、いずれにせよ是正されなければならない(したがって、現在の金融、経済、地政学的な秩序は変更されなければならない)、それは、(『How Countries Go Broke: The Big Cycle(国家はどのように破たんするのか:ビッグサイクル)』で述べているような)突発的で非伝統的な変化を伴う可能性が高いと言う。
では投資家はどうすべきなのか。ダリオは次のように述べている。
資産クラスや地域をまたいで無相関の方法で、異なるインフレ環境や成長環境でどの資産がうまく機能するかという情報に基づいた方法)で、皆さんのポートフォリオがバランスしていることを願っている。金融、国内政治、国際的な地政学的秩序が崩壊しつつある今、投資家の技量が試されるような、非常に大きな試練と淘汰が待ち受けている。率直に言って、私はこの挑戦を楽しみにしている。なぜなら、このような困難な時期にこそ、大きな違いを生み出し、自分を際立たせるチャンスがあるからだ。
利下げしているのに長期金利が上がっていくような現状は、米国(および世界)の歴史上最大の債務危機という文脈に置き換えると、今後到来する「破綻」は本当に醜いものになる。
資本主義経済の中で、企業も個人も負債と資産の両建て経済に便乗してきたが、リーマン危機で個人や企業の負債は国家に付け替えられた。もう、この負債を転がす先はない。国家は破綻しないが、破綻するのは国民である。
米国に財政規律を催促するのは、イーロン・マスクの政府効率化省(DOGE)ではない。それは国債市場や外為市場である。資産運用の究極の目的はインフレへのヘッジに他ならない。
米国の負債は持続不可能な速度で増加している。それがいつ壊れるのかは誰にもわからないが、いつかは壊れる。われわれはそのリセット後にも生き残る資産を購入すべきだろう。米国は分裂と内輪もめ(市民戦争)の中で、金利上昇という現実が歴史的に前例のない債務水準と衝突し、あらゆる層の人を押しつぶすことになるかもしれない。「ゆっくりと、そして一気に・・」。
世の中には、預金・株・債券・為替・コモディティ・不動産などいろんな金融商品があるが、これらはすべて同じものである。すべての金融商品の値段はキャッシュフローの集合体の現在価値、簡単に言うとすべて<債券>に置き換えられるからだ。そして、米国の長期金利は金融の一丁目一番地である。
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
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日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
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