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2025年3月10日
石原 順
ハイパースケーラーによるAI投資が追い風、第2のAI銘柄となるのか?
時価総額1兆ドルに向け、再び、米半導体大手ブロードコム(AVGO)の株価が急浮上している。ブロードコムが6日に発表した2024年11月-25年1月期(2025年10月期)決算は売上高が前年同期と比べ25%増の149億1600万ドル(約2兆2000億円)、純利益は55億300万ドルと、前年同期比で約4.2倍に拡大した。
ブロードコムは米エヌビディア(NVDA)と比較して語られることが多いが、エヌビディアがハイエンドの汎用型画像処理半導体(GPU)を手がける一方、ブロードコムはそれぞれの顧客向けに特定の用途に合わせたカスタムチップ、ASIC(特定用途向け半導体:Application Specific Integrated Circuit)に強みを持っている。
エヌビディア(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ブロードコムは、エヌビディアとともにナンシー・ペロシ銘柄としても知られており、ペロシが取得した昨年6月~7月以降に株価は大幅上昇したが、ディープシークショック以降は他のビックテック銘柄同様にさえない動きとなっていた。AIチップ大手の時価総額は3月7日時点で1兆ドルという驚異的な金額を失い、2.66兆ドルに落ち込んだ。こうしたなか、ブロードコムが低迷するハイテク銘柄の反転のきっかけになるのか否かが注目されている。
ブロードコム(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
ブロードコム(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
ブロードコムの売上高と純利益の推移
出所:決算資料より筆者作成
ブロードコムはグーグルのオリジナルのTPUチップの設計などを手がけており、生産はTSMCなどのファウンドリ(半導体受託生産事業者)に委託している。AIインフラの規模拡大を急ぐ「ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)」を中心にASICに対する需要は引き続き旺盛だ。価格が高いエヌビディア製品の代替としてASICの引き合いが活発化していると見られる。
グーグル(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
TSMC(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は6日、決算発表後に行われた投資家とのアーニングス・コールにおいて「当社のパートナーであるハイパースケーラーは、次世代の先端(AI)モデルへの積極的な投資を続けている」と述べた。
セグメント別に見ると、半導体事業の第1四半期の売上高は82億ドルで前年同期比11%増だった。そのうちAIに関連した売上高は前年同期比77%増の41億ドルだった。AI事業が半導体部門の売上高全体に占める割合は50%に達し、1年前の31%から増加した。一方、もうひとつの事業セグメントであるインフラ・ソフトウエア事業も好調で、売上高は67億ドルと、アナリスト予想の64億ドルを上回った。
ブロードコムのセグメント売上高の推移 出所:決算資料より筆者作成
先行きについても、ハイパースケーラである顧客パートナーがより大規模なクラスタを備えたAIデータセンターへの積極的な投資を続けているとしており、2025年2-4月期(2025年第2四半期)の売上高は149億ドル前後と前年比で19%増加を見込んでいる。うち、AI売上は44億ドルと売上高全体の約3割を占める見通しを示した。
アーニングス・コールの中でタンCEOは、新たに4社のハイパースケーラーと協力していると述べ、今後、ハイパースケーラー顧客が7社に増える可能性を示唆した。データセンターが半導体市場をけん引する大きな役割を果たしている。
データセンターには小規模なサーバー室から複数の建物にまたがる大規模な施設まで、さまざまな規模のものがあるが、企業、組織、個人も含め、データの保存や処理、アプリケーションの実行、サービスの提供等、私たちの生活を支える重要なインフラとなっている。
「ハイパースケール・クラウド」データセンターは、一般的なデータセンターに比べて大型で、技術の進歩に合わせて拡張できるよう設計されている。さらにセンターの物理的なサイズを増やすことなく、処理能力やストレージ容量を増やすこともできるのが特徴だ。このハイパースケーラーの売上は2026年には6000億ドル近くにまで拡大することが想定されている。
バイアウトファンドを彷彿とさせるタンCEOの手腕、インテルの一部事業買収は実行されるのか?
ブロードコムのサクセスストーリーは、戦略的買収と最先端技術への絶え間ない注力の賜物だと言える。ブロードコムは2023年秋に、クラウドコンピューティング企業のVMWareを690億ドルで買収した。この買収は当時、2020年代で2番目に大きな買収ということで話題となったが、これによりブロードコムはインフラストラクチャ・ソフトウェア事業への参入機会を増やし、会社全体の売上が大きく伸びる結果となった。
2009年、ヒューレット・パッカードの半導体製品グループからスピンオフして設立されたアバゴ・テクノロジーズが株式を公開したことから始まる。2013年には大手チップメーカーのLSIコーポレーションを66億ドルで買収。大きく飛躍するきっかけになったのは2016年のアバゴによるブロードコムの買収だ。これにより多様な製品ポートフォリオを持つ半導体の大企業となった。買収時にアバゴは社名をブロードコムに変更したが、ティッカーシンボル「AVGO」は残したまま現在に至っている。2019年8月にはウイルス対策ソフト大手のシマンテックの法人向け事業を買収しサイバーセキュリティ分野への多角化を図る。そして2022年5月に仮想化ソフト最大手の「VMware」の買収を発表、この買収が2023年11月に完了し、世界的な半導体およびインフラストラクチャ・ソフトウェアの巨人となった。
ブロードコムの売上高推移と買収の歴史
出所:各種資料により筆者作成
ブロードコム(月足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
日本経済新聞の1月7日の記事「「1兆ドルクラブ」入りの冷徹な経営者」は、タン最高経営責任者(CEO)についてテック界の中では異彩を放つ存在として取り上げている。AI半導体の好調を追い風にエヌビディアのジェンスン・フアンと比較されるようになったが、社名のブロード(幅広い)が示す通り、無線通信用半導体から、社内サーバーやクラウドコンピューティングなど企業のITシステム全体を管理するための「仮想化」ソフトまで幅広い製品を売っている。
タンCEOはマレーシアのペナン出身で、1975年にマサチューセッツ工科大学(MIT)で修士号を取得し、その後、ハーバード大学でMBAを取得した。ゼネラルモーターズ社とペプシコ社で財務担当職を務めるなどした後、2006年に大手の買収ファンドにより、ブロードコムの前身で未公開企業だったアバゴ・テクノロジーのCEOに採用された。
前述の日本経済新聞の記事によると、タンCEOはブロードコムが未公開株(PE)ファンドと比較されるのを嫌うが、企業買収には熱心だという。2009年のアバゴ上場以降の買収総額は約1500億ドルに上る。キャッシュフローを徹底重視し、業績不振部門をすぐ切る傾向はバイアウト業界を思わせると指摘している。
ただし、インテルの一部事業を買収することについては現時点では考えていないようだ。アーニングス・コールで買収について訊ねられたタンCEO氏は、「1年から6カ月間のタイムフレームではM&Aはない。今はAI向け事業とVMwareで手一杯で、それだけで忙しすぎるほどだ」と述べた。
さて、ブロードコムは急上昇でいったんは下げ止まったが、ナスダック100は2023年3月の銀行危機以来の200日移動平均線割れとなっている。米国株の上昇をけん引してきたハイテク銘柄の動きから目が離せない展開となっている。
ナスダック100とドローダウン(保有資産の下落率)
出所:globalmarketsinvestor
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日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
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