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2024年11月 5日
石原 順
手元資金が過去最高の50兆円に、「総資産」に占める割合は25%
著名投資家ウォーレン・バフェット率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKB)が2日、2024年7-9月期の四半期報告書を発表した。バークシャーが保有する手元現金(現預金と米短期債の保有額を合計した額)は9月末時点で3252億ドルと過去最高を更新した。6月末時点の2769億ドルと比べ2割弱の増加、一年前(2023年9月末)比では倍増となった。
1ドル153円で日本円に換算すると49兆7556億円となり、50兆円に迫る水準だ。企業の時価総額に当てはめると、ネットフリックス(NFLX:3232億ドル)やコカ・コーラ(KO:2800億ドル)、セールスフォース(CRM:2817億ドル)を上回る規模となっている。
●バークシャー・ハザウェイの手元現金残高とNYダウの推移
出所:各種データより筆者作成
今年5月に開催されたバークシャーの年次株主総会においてバフェットは、「(現金を)使いたいのはやまやまだが、リスクがほとんどなく、私たちに大きな利益をもたらしてくれると思わなければ、使うことはないだろう」と述べていた。9月末時点でのバークシャーの総資産に占める現金ポジションの割合は、これまで最も高かった2005年第2四半期末時点を上回り、ほぼ25%となった。 米国経済は2000年のITバブル崩壊を経て、2003年以降、本格的な回復局面へ移行した。FRB(米連邦準備制度理事会)は2003年6月に利下げを打ち止めし、2004年6月から利上げを始めた局面であった。この過程においてバークシャーは現金ポジションを積み上げていた。金融政策の変化に対して機敏な対応をとっていたことが伺える。
●バークシャー・ハザウェイの総資産に占める現金ポジションの割合(2024年にキャッシュポジションは94%増加した)出所:決算資料より筆者作成
なお、四半期報告で開示された7-9月期の最終損益は262億ドルの黒字(前年同期は127億ドルの赤字)だった。米国会計基準では保有株式の評価損益を最終損益に反映する必要がある。決算発表資料によると、9月末時点のバークシャーの株式ポートフォリオは2716億ドルだ。このことから、バークシャーの最終損益は株価変動により大きくぶれる傾向にある。なお、投資評価損益などを除く営業利益は前年同期比6%減の100億ドルだった。
3ヶ月か6ヶ月か、それが唯一の問題だ
バークシャーの手元現金が急速に増加している理由は単純だ。保有する株式の圧縮を進めているためである。第3四半期にバークシャーは差し引き346億ドルの株式を売り越した。4-6月期(755億ドルの売り越し)から額は半減したものの、8四半期連続の売り越しとなる。その大半はアップル(AAPL)とバンク・オブ・アメリカ(BAC)の売却によるものだ。
●バークシャーの株式売買の推移
出所:決算資料より筆者作成
バークシャーの決算発表資料によると、9月末時点の株式投資残高は2716億5000万ドル。全体のうち7割がアップル、バンクオブアメリカ、アメックス(AXP)、コカコーラ(KO)、シェブロン(CVX)の5銘柄によって占められている。5銘柄の9月末時点の保有残高は以下の通りである。
アップル:699億ドル
アメックス:411億ドル
バンク・オブ・アメリカ:317億ドル
コカ・コーラ:287億ドル
シェブロン:175億ドル
●2024年9月末時点のバークシャー・ハザウェイによる株式投資
出所:バークシャーの決算発表資料
11月2日の日本経済新聞の記事「バフェット氏、Apple株25%追加売却 手元資金50兆円に」は次のように報じている。
「バークシャーが2日発表した7〜9月期の四半期報告書は、9月末のアップル株保有時価は699億ドルで、6月末時点から17%減ったと開示した。7〜9月期にアップルの株価は11%上昇していたことを考慮すると、期中に保有株の約25%を売却した計算だ」
バークシャーは4四半期連続でアップル株を売却している。9月末時点で保有するアップル株(699億ドル)は、3ヶ月前の6月末(842億ドル)から4分の1に、3月末時点(1354億ドル)からは62%減、さらに2023年12月末(1743億ドル)から70%減となる。 バンク・オブ・アメリカ株については今年夏から断続的に売却を進めている。世界金融危機後の2011年、バークシャーは50億ドルの優先株を購入し、バンク・オブ・アメリカ株への投資をスタートした。以降、保有を積み増し、バンク・オブ・アメリカ株はバークシャーにとってアップルに次ぐ保有上位銘柄であったが、今回の売却を経てアメリカン・エキスプレスに次ぐ第3位保有株となった。
なお、アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、シェブロンについては第3四半期にはほとんど手つかずのままであったと推測されるため、バフェットは明確な意図を持ってアップルとバンク・オブ・アメリカを売却していることが分かる。バフェットは「我々の事業の大部分は、今年は昨年より低い収益を報告するだろう」と語り、米国経済の「信じられないような時期」が終わりつつあると述べていた。
注目すべきは、その積み上がった現金ポジションの内訳だ。全体のうち現預金の割合が11%であるのに対し、89%を短期債で運用している。バフェットは以前、米国債の購入について唯一の問題は、「3カ月物の財務省短期証券で買うか6カ月物で買うかだ」と語っていた。将来起こりうる市場の混乱に備え、可能な限り短期国債で運用する方針なのだろう。
バフェットが「米国株を買え」と大声で呼びかけた2008年10月とは異なり、今回はかってないペースで米国株を売っている。バフェットは小国のGDPに相当する額のアップル株を売却した。これは、彼が株のバリュエーションと世界経済をどうみているかを示す明確なシグナルである。
バークシャーは巨額の資金と確実なパフォーマンスで、市場の混乱や発作に即座に対応する手段を完備している。いつの時代もそうであるように、行き過ぎた株価の戻りは起こるものだ。そのような混乱が起きたとき、バフェットには現金を利用する準備が整っている。なお、9月末時点の詳しい上場株式の保有状況については今月中旬に予定されているフォーム13Fの公開を待ちたい。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
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日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。