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2024年8月19日
石原順
新規投資2社、チャブやオクシデンタルを買い増し、バークシャーのフォーム13F
著名投資家ウォーレン・バフェット率いる米バークシャー・ハザウェイ(BRKB)が2024年4-6月期に米化粧品小売りのアルタ・ビューティー(ULTA)を2億6600万ドル相当(69万株)、航空部品の保守・製造を手掛けるハイコ(HEI)の株式1億8500万ドル相当(100万株)を新たに取得したことが分かった。バークシャーがSEC(米証券取引委員会)に14日提出したフォーム13Fで明らかになった。
●バークシャーの2024年6月末時点の保有上場株式
緑:新規保有 オレンジ:全株売却出所:フォーム13Fより筆者作成
アルタ・ビューティーは自社ブランドの美容製品やフレグランスに加え、ハイエンドとドラッグストアの両方の化粧品、スキンケア、フレグランス等を扱っているだけではなく、ビューティサロンサービスを提供している。2024年1月期末時点で米国国内に1385店舗を構え、ネット通販事業も手がけている。
●アルタ・ビューティー(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ハイコは、米国のFAA(連邦航空局)が承認したジェットエンジン及び航空機部品・交換部品を生産するメーカーで、航空・防衛・宇宙・医療・通信・電子等の産業向けに多様な電子機器を提供している。主に航空機サポートと電子技術の2部門でビジネスを展開している。
●ハイコ(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
その他、前回(5月公開)の開示で初めて保有していることが明らかになった損害保険大手チャブ(CB)については、4-6月期に110万株を買い増し、保有株式数は期中に合計2700万株となった。3月末に比べて4%増加した。オクシデンタルの保有は約3%増(730万株の買い増し、合計2億5,530万株)、リバティ・メディアは5.5%増(670万株の買い増し、合計1億2880万株)となった。
ポートフォリオ上位の株式を一部売却、不動はKOとAXPの2銘柄のみ
一方、すでに株式売却が明らかになっていたアップル(AAPL)については、保有する株式数が3月末に比べて半減したことが改めて確認された。バフェットはかつてアップル株について「バークシャーが保有する財産の一つ」と評していた。また、5月の株主総会で、アップルは「極めて素晴らしい事業。24年末時点で最大の保有株である可能性が極めて高いと思う」と述べていたが、ここに来て3四半期連続でアップル株の売却を進めている。
2023年10-12月期に1%、2024年1-3月期にも13%削減し、四半期ごとに売却ペースを加速させている。これまでの売却はあくまでポジションのリバランスということで片付けられる程度であったが、今回保有株数を半減させたことはバークシャーによる「意思ある売却」であることは間違いない。
アップル以外には、ポートフォリオ上位5銘柄の一角である石油大手シェブロン(CVX)の保有株数も3%程度減らした。また、7月以降、バンク・オブ・アメリカ株(BAC)の保有を減らしている。つまり、保有上位5銘柄のうち、バフェットが手をつけていないのはアメリカン・エキスプレス(AXP)とコカ・コーラ(KO)の2銘柄のみということになる。
●バークシャーが持つ上場株式の保有割合(2024年6月末時点) 出所:フォーム13Fより筆者作成
●バークシャーハサウェイ(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
2023年の年次株主総会においてバフェットはバンク・オブ・アメリカについて、「銀行への投資はバンク・オブ・アメリカから始まった。私はバンク・オブ・アメリカが好きで、経営陣も気に入っており、取引を提案した。そしてその通りに実行したまでだ」と述べていた。
●バンク・オブ・アメリカ(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
3月末時点でのバンク・オブ・アメリカの株式の保有数が10億3285万株だったことを考えると、ここまでの売却数は保有株全体の約9%に過ぎないものの、米国において利下げの足音が近づく中、13年にわたって保有してきたバンク・オブ・アメリカ株を売却したことは大きな転換点であることを示しているだろう。
7四半期連続で株式を売り越し、手元キャッシュは過去最高に
バークシャーが8月3日の決算発表時に公開したキャッシュフロー計算書によると、2024年4-6月期の株式売買動向は買いが16億1500万ドルに対して売りが771億5100万ドルと、差し引き755億3600万ドルの売り越しだった。売り越しとなるのは7四半期連続、また売越額は前四半期から4倍強に拡大した。
フォーム13Fで申告された株式の保有残高(評価額)を前回(3月末)と今回(6月末)で比較し、株価の変動を考慮せず単純計算した場合、約506億ドルの株式が売却されたことになる。つまり、キャッシュフロー計算書では771億ドルの売却であるのに対して、米国の上場企業だけを対象にしたフォーム13Fでは売却額は506億ドルと、265億ドルの差額がある。
フォーム13Fは米国市場に上場する株式が対象となっており、バークシャーが保有する全ての株式をカバーしているわけではない。このため、バークシャーが投資した日本の5大商社や中国EV大手BYDについては含まれていない。
すなわち、バークシャーは4-6月期に米国市場に上場する企業以外の株式を265億ドル程度売却したと推測される。差額の265億ドルを1ドル147円で換算すると約3兆9000億円となる。かなり大きな額の売却だ。
バークシャーは保有する中国BYD株の売却を進めており、直近では保有比率は4.94%まで低下している。なお、バークシャーが香港証券取引所に提出した報告書によると、4-6月期にバークシャーが売却したBYD株は約336万株で、売却額は米ドルに換算するとざっと1億ドル程度に過ぎない。バークシャーがBYD以外にもまだ明らかになっていない大規模な売却を行なった可能性があることを覚えておきたい。
●バークシャーの株式売買の推移出所:フォーム13Fより筆者作成
バフェットは2023年の年次株主総会において「我々の事業の大部分は、今年は昨年より低い収益を報告するだろう」と語り、米国経済の「信じられないような時期」が終わりつつあると述べた。バークシャーはそれを裏付けるかのように保有する株式を売越しており、現金ポジションが積み上がっている。
●バークシャー・ハザウェイの手元現金残高とNYダウの推移出所:各種データより筆者作成
バークシャーの運用資産全体に占める手元現金残高の割合は6月末に45.5%に達している。すなわち、ポートフォリオの約半分が現金なのだ。
バークシャーの手元キャッシュが積み上がっているという事実が発するメッセージは2つあると考える。一つはバフェットが言及しているように「妥当な価格」の買収対象が見つからないということだ。2700億ドルの資金があれば、バークシャーが完全に買収するか、支配権を取得できる企業はいくらでもあろう。
しかし、過去10年以上にわたる金融緩和を受けた株価とバリュエーションの上昇を考えると、バークシャーが直面している「妥当な価格」の買収先を見つけるのが難しいという課題は、単にバークシャーが機会を選びすぎているという類のものではないことが分かるだろう。
●米国の失業率とバフェット指標(ウイルシャー5000の時価総額÷GDP)出所:Guilherme Tavares
●CAPE(インフレ調整したシラーPER)の推移出所:multpl.com
二つ目は、将来起こりうる市場の混乱に備えている可能性だ。バークシャーは巨額の資金と確実なパフォーマンスで、市場の混乱や発作に即座に対応する手段を完備している。バフェットは米国市場について「重大な失敗を避けさえすれば、これまでも、そしてこれからも報われる」と述べている。
●投資家行動と株式市場出所:リアルインベストメントアドバイス
2008年から2009年にかけての世界金融危機において、破たんの危機に直面したゴールドマン・サックス(GS)はバークシャーに援助を依頼した。バフェットは「有利な条件」で「大量の資本注入」を行った。将来、そのような機会は訪れるのか。答えは「イエス」である可能性が高い。
いつの時代もそうであるように、行き過ぎた株価の戻りは起こるものだ。そのような混乱が起きたとき、バフェットには現金を利用する準備が整っている。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●NYダウCFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●S&P500CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ナスダック100CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ドル/円(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ゴールドCFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。