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2024年7月22日
石原 順
スマホ時代からAI時代へのシフトを映し出すTSMCの決算
半導体製造世界最大手のTSMC(TSM)が18日に発表した2024年4-6月期決算で、売上高は前年同期比40.1%増の6735億台湾ドル、純利益は36.3%増の2478億台湾ドルと、2四半期連続の増収増益だった。売上高は四半期ベースで、純利益は4-6月期としてそれぞれ過去最高となった。
●TSMC(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●TSMC(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
好調の背景にあるのは利益率の高い最先端品の出荷が増えていることだ。TSMCの魏哲家・董事長兼最高経営責任者(CEO)は台北市内で開かれた記者会見で「顧客からAI(人工知能)やスマートフォンに関連した強力な引き合いがある」と語るとともに、2024年はTSMCにとって「強い成長の年になる」と述べたと言う。
●TSMCの売上高・営業利益・営業利益率 出所:決算資料より筆者作成
TSMCは半導体の受託生産で世界シェア6割を占める最大手だ。エヌビディア(NVDA)からAI向けの先端半導体の生産を一手に引き受けている。TSMCのテクノロジー別売上高の内訳を見ると、直近の四半期において最先端品である3ナノの占める割合が15%まで高まっている。5ナノと合わせると半分を占め、より線幅の細かい先端品にシフトしてきていることが確認できる。
●テクノロジー別売上高の内訳と前期との比較 (上:2024年第2四半期 下:2024年第1四半期)
出所:決算資料より筆者作成
プラットフォーム別に見るとHPC(ハイパフォーマンスコンピューター向け)が前期に比べて3割近く伸びており、全体に占める割合は5割を超えている。ブルームバーグの7月19日の記事「TSMC、売上高の5割強が高性能チップ-AI向け比重高まる」によると、長くアップルのiPhoneなどスマートフォン業界に大きく依存してきたTSMCは現在、AIアクセラレーターの主要サプライヤーへと急速にシフトしている。このTSMCの事業シフトはスマホ時代からAI時代への移行を如実に示していると伝えている。
●プラットフォーム別売上高の割合(上)と前期からの変化率(下) 出所:決算資料より筆者作成
なお、年間売上高の予想については従来の「前期比で20%台前半から半ばの増収」から「20%台半ばをわずかに上回る増収」に上方修正した。また、設備投資の見通しについても、今年(2024年)の設備投資計画を300億-320億ドルとした。従来計画の280億-320億ドルから下限を引き上げたことはTSMCの作り出す製品に対する需要が落ちていないことを示すひとつの証左となろう。
●TSMCの設備投資の推移 出所:決算資料より筆者作成
常に技術革新の先端にいることが高い参入障壁になるTSMCの「ファンドリー・ビジネスモデル」
7月18日付けの日本経済新聞の記事「TSMC、AI半導体生産総取り 楽観打ち消すトランプ発言」は、データセンターなど「クラウド」から、パソコンやスマートフォンといった端末側に搭載する「エッジ」まで、AIに使う先端半導体の生産をTSMCがほぼ総取りする「1強」態勢の構図が鮮明になっていると指摘している。
前述のエヌビディアに加え、アップル(AAPL)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、クアルコム(QCOM)、インテル(INTC)、台湾のメディアテックという「6大顧客」からAI関連の先端半導体の注文が集中的に舞い込んでいる。2025年には次世代半導体「2ナノ品」の量産を予定しており、「競合との差は明らかだ」とする日系サプライヤー幹部の見方を取り上げている。
地域ごとの売上を見ると、2019年の時点で6割程度だった北米向けが近年では7割弱にまで高まっている。一方、2019年には2割を占めていた中国向けの売上は減少傾向にある。北米の売上が高まっている理由は「6大顧客」であるファブレス企業の多くが米国に集中していることがあげられるだろう。
●TSMCの地域別売上高 出所:決算資料より筆者作成
ファンドリビジネスは一見、顧客の発注に合わせて製造を行う「下請け」に近く、高収益のビジネスモデルとはかけ離れているように思われる。しかし、TSMCの「ファウンドリ・ビジネスモデル」は彼らを高収益かつ他に類を見ない企業にしている。それはなぜなのか。
前述の通り、TSMCはすでに来年には他社に先駆けて次世代半導体「2ナノ品」の量産を予定している。また、次々世代である1・4ナノメートル品の量産技術の開発にも着手するなど、質、量ともに他社を圧倒している。
TSMCは圧倒的な技術革新のスピードにより、最先端の半導体チップはTSMCでないとつくれないという状況を作り出している。半導体チップの性能の進化は回路パターンの「微細化」が目的であり、いかに細かい回路をチップ上につくれるかにかかっている。
半導体製造は高性能で高額な製造装置をファブに設置すれば可能になると言うものではない。いち早くファウンドリービジネスを展開したTSMCには長年にわたる生産技術の蓄積がある。半導体製造は多くの工程を必要とするだけではなく、細心の注意が求められる。設計が正しくても、実際の製造の場面においては、設計通りに製造できるとは限らない。
常に性能向上が求められる半導体分野において、他社の追従を許さないスピードで技術革新を進め、その最前線にいる。「最先端のチップをつくれるのはTSMCだけ」という状況にあるため、顧客と対等な関係を築くことにもつながっている。
最先端を手がけるファンドリービジネスには、長期にわたる技術の積み重ねと特許戦略、また人材など、高度な要素が必要となる。新規参入は難しく、ウォーレン・バフェット流に言えば、競合の参入を防ぐ「モート(堀)」が形成されているビジネスだと言える。TSMCの最大の功績はこのファウンドリーと呼ばれるビジネスモデルを確固たるものにしたことである。
先週、大手テクノロジー株はAIブームが終わったかのように下落した。この大幅下落の動きが継続するのか、あるいは日柄調整で済むのか、今週は正念場である。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●NYダウCFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●S&P500CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ナスダック100CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ドル/円(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ゴールドCFD(日足)
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。