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2024年7月16日
石原 順
米金利上昇の環境下においてなぜゴールド価格が上がっているのか?
ゴールド価格が再び高値圏で推移している。今年前半の米ドル建てゴールド価格は2割以上値上がりした。注目すべき点は、こうした動きが従来のセオリーではゴールド価格が下落するはずだった環境下で起きていることであろう。旧来のパラダイムでは、ゴールド価格と米国金利は逆相関の関係にあった。投資家は今、「未知の世界」に足を踏み入れている。
●ゴールドCFD(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ゴールド/円(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
ゼロヘッジの記事「5 Reasons For A New Gold Playbook(ゴールド投資の新たな戦略が必要な5つの理由)」は、ゴールド価格の上昇とその背景にある投資家の変化を指摘している。ゴールド価格と米国金利の間にあった従来の相関関係が崩れつつあることに加え、欧米の投資家による需要とゴールド価格との間にあった強い結びつきも解消されている。 以下は、ゴールド価格とゴールドのETFへの資金流入の推移を示したものである。ゴールド価格の記録的な上昇を考えれば、ゴールドのETFにも記録的な資金流入があることが予想される。しかし、2022年4月から2024年6月まで、ゴールドETFから780トン近く、つまり20%の資金が流出した。このETFの保有量の減少を考慮すると、ゴールド価格は1700ドル前後に落ち着くと考えられる。 ● ゴールドETFとゴールド価格の推移
出所:ゼロヘッジ
このことが意味しているのは、欧米の投資家はもはやゴールドの買い手でも売り手でもないということである。世界各国の中央銀行やアジアの個人投資家による需要が、金利が上昇する環境下でもゴールド価格を支えている主な理由だと指摘している。世界の東側の国々はますます重要性を増している。
金利が上昇したときにゴールドETFの保有量を減らすことは、欧米のプレーヤーから見れば間違いなく合理的な判断である。一方、経済成長の伸びが鈍化していることや人口が高齢化していることにより、世界のGDPに占める欧米の割合が低下し続けていることを考えれば驚くべきことではない。
ゴールド価格が上昇している要因は他にもある。不動産市場の構造的な問題のために、中国が代替的な備えとしてゴールドへの投資を進めていることだ。加えて、アジアの中央銀行からのゴールドに対する強い需要は、この大きな変化を後押しするもう一つの背景である。
中央銀行によるゴールド需要は、ウクライナ戦争が勃発した直後、ロシアが保有する外貨資産を欧米が凍結したことをきっかけに大きく加速した。その結果、中央銀行のゴールド需要は2022年に1000トンを超え、過去最高を記録した。2011年から2021年まで、ゴールド需要に占める中央銀行の割合は10%前後で推移していたが、2022年と2023年には25%近くに達した。
ロシアに対する制裁によって引き起こされた深刻な歪みは、今後しばらくの間、中央銀行のゴールド需要を高水準に保つだろう。このことは、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が最近発表したワールド・ゴールド・サーベイ2024でも示されている。
●世界の中央銀行のゴールド保有量は、今後12ヶ月間でどのように変化すると予想するか (青:増える 緑:現状と変わらず 紫:減少する 水色:分からない)
出所:ワールド・ゴールド・カウンシル
この調査によると、中央銀行のゴールド保有量は今後も増加し続けるとの予想が8割を超えている。地政学的な不安定さは、中央銀行の投資決定において重要な理由づけとなっている。そして、この地政学的不安定さは間違いなく今後しばらくの間、世界に蔓延り続けるだろう。
「米国が制裁を課すほど、より多くの国(BRICS)が米ドルを介さない金融取引方法を模索するだろう」
イエレン米財務長官は、ドルの武器化による制裁が、米ドルの下落につながっていることを認めている。
GPIFのポートフォリオ見直しはドル/円相場にどのような影響を与えるのか?
先週12日のニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場が再び急騰し、一時1ドル157円台前半と6月中旬以来、約3週間ぶりの円高・ドル安水準をつけた。政府・日銀はその前日(11日)に6月の米国CPI(消費者物価指数)が発表されたタイミングで、約2カ月ぶりに円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったと見られる。市場では再び介入があるのではないかと疑心暗鬼が広がっている。
●1970年以降のドル円相場の推移
出所:各種データより筆者作成
●ドル/円(月足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
為替相場において外貨に対する円の相対的な価値が高くなれば「円高」、安くなれば「円安」となる。円相場は米ドルに対して1ドル360円の固定相場制を経て、1973年から変動相場制に移行し為替レートが自由に変動するようになった。しかし、どの水準まで円が買われれば「高すぎる」とか、どの水準まで売られれば「安すぎる」といった明確なものはない。
このためどのタイミングで政府・日銀が為替介入を実施するのかについても目安となる指標がないのが実際のところだ。為替介入は、正式には「外国為替平衡操作」といい、その目的は「為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ること」にある。為替介入は財務相が指示し、実務を日本銀行が担う。過去の為替介入の実績については、財務省が「外国為替平衡操作の実施状況」として公表している。
2010年代までは為替介入と言えば、円高を阻止することが目的であったが、2020年代に入ってからは円安を阻止することが目的となっているのは為替相場の流れが大きく変わっていることを反映しているだろう。
ドル売り・円買い介入の場合は外為特会で保有するドル資金を売却して円を買い入れる。一方、ドル買い・円売り介入の場合は、まず「政府短期証券(FB)」を発行して円資金を調達し、ドルを買い入れることになる。
●為替介入時の資金の流れ
出所:財務省「外国為替資金特別会計剰余金の発生と一般会計繰入」
7月10日のウォールストリートジャーナルの記事『日本の年金「クジラ」GPIF、為替と株に波乱起こすか 246兆円規模の巨大運用基金、5年ぶりのポートフォリオ見直しで影響は』は、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がドル資産の一部を円資産に戻す準備を進めており、この方針が世界の金融市場に影響を及ぼす可能性があると指摘している。
GPIFが運用する資産は3月31日時点で、246兆円(1兆5300億ドル相当)で、その運用資産の大きさから資本市場の「クジラ」と称されている。全体の資産の半分が海外の株式と債券で運用されており、その大半はドル建てで保有されている。GPIFは5年に一度の運用戦略見直しを開始しようとしている。
ドル/円相場は直近、ロナルド・レーガンが米国の大統領だった時以来の安値を付けた。円安が行き過ぎているとの見方から、日本政府は円相場を支えるために、ドル売り円買い介入を行ってきた。その一方で、同じ日本政府内の別の場所では、GPIFが海外資産へ運用資金の半分を振り向けることで、ドル高に向けたアクセルを踏み続けている。
新たな運用戦略は来年4月から正式に実施されるが、アナリストらによると、GPIFは構成比率の変更を前倒しで開始され、よりスムーズな移行を図ることが多いと言う。また、日本企業が増配や自社株買いを積極的に進める中、GPIFが日本株の保有比率を引き上げることが予想されている。
為替市場は経済のファンダメンタルズや市場における需給状況などで変動する。もし、GPIFが資産の10%を外貨から円に振り向ければ24兆円以上が動くことになる。一方で1日の取引額が7兆ドルを超えるとされている外国為替市場の大きさを考慮すれば、このシフトがどの程度ドル円相場に影響を及ぼすかは分からない。24兆円は大きな額であることは間違いない。しかし、長期的なトレンドを変えるような要因ではないことは抑えておきたい。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)
●NYダウCFD(日足)
●S&P500CFD(日足)
●ナスダック100CFD(日足)
●ドル/円(日足)
●ゴールドCFD(日足)
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。