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2024年7月 8日
石原 順
ウルフ・オブ・コングレス(議会の狼)の新たな投資が明らかに!
米民主党のナンシー・ペロシ元下院議長が新たな投資が明らかになった。公開された資料によると、ペロシは6月24日から7月1日にかけて合計4回の取引を行った。6月24日にテスラ(TSLA)を2500株売却する一方、権利行使価格800ドル、有効期限2025年6月20日のブロードコム(AVGO)のコールオプションを20枚購入。その2日後、エヌビディア(NVDA)を購入し、7月1日にビザ(V)を2000株売却した。
先週、ペロシがエヌビディアとブロードコムを購入したことを明らかにしたことで、その日にエヌビディアとブロードコムは大幅反発した。エヌビディアと同じく、ペロシがブロードコムのディープ・イン・ザ・マネーのコールオプションを権利行使(現金化)すると何が起こるのだろうか?
●エヌビディア(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●エヌビディア(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
前回、ペロシがエヌビディアへ投資したのは2023年11月だった。それ以来エヌビディアの株価は上昇を続けており、ペロシは莫大な利益を上げている。そんな彼女の新たなポジションはSNSなどで広く取り上げられた。
ペロシが新たにコールオプションを保有したブロードコムは、半導体とインフラ・ソフトウェア製品の世界的サプライヤーで、そのデバイスはiPhoneなどにも搭載されている。個別顧客向けの特注型ロジック半導体ファブレスメーカーで、生産はTSMCなどのファウンドリ(半導体受託生産事業者)に委託している。
ブロードコムの株価は、年初来で6割近く上昇しており、AIブームが本格化した2022年末からは3倍程度に拡大している。時価総額は7928億ドル(7月4日終値時点)で、米国株式市場で11位。JPモルガン・チェース(JPM)、エクソンモービル(XOM)、ウォルマート(WMT)などを上回る水準だ。
●ブロードコム(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●ブロードコム(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
直近の業績は好調だ。ブロードコムが6月13日に発表した2024年2-4月(2024年10月期第2四半期)の決算で、売上高は前年同期比43%増の124億ドル、純利益は21 億ドルと一年前から39%減少した。大型買収に伴う費用がかさんだことから減益となったが、売上、収益ともに市場予想を上回った。好調をけん引したのはAI(人口知能)関連の売上だ。
●ブロードコムの売上高と純利益の推移
出所:決算資料より筆者作成
●ブロードコムのセグメント別売上高
事業セグメントは「セミコンダクター・ソリューションズ」と「インフラ・ソフトウェア」の2つに分けられる。第2四半期のセミコンダクター・ソリューションズは、大規模データセンターに使われる生成AIシステム向けが好調で売上高は72億ドルだった。一方、インフラストラクチャー・ソフトウェアについては、第1四半期より買収したVMwareの売上高が加わったことから前年同期と比較して大きな伸びを示している。
今期(2024年10月期)の見通しについて会社側は、通期の売上高予想を510億ドルと、第1 四半期時点に示した見通しから10億ドル引き上げた。買収したVMwareの収益貢献によって全社で大幅な増収が予想されるが、引き続き、買収関連費用と再編・統合費用などの影響で減益となる見通しだ。ただし、来期(2025年10月期)にはこうした費用が減少し、増益に転換することが期待されている。
買収を経て今や唯一無二の存在となったブロードコムの歴史
ブロードコムは7月15日付けで10対1の株式分割を実施すると発表した。10分割を発表したのはエヌビディアも同様だ。ブロードコムはしばしエヌビディアと比較して語られることも多い。フォーブスは6月17日に「「次のNVIDIA」と期待、半導体ブロードコムの時価総額が120兆円突破」と題する記事を掲載した。
それによると、バンク・オブ・アメリカのアナリストは、13日の顧客向けメモで、ブロードコムをエヌビディアに次ぐ「第2位」のAI銘柄と呼び、同社の時価総額が将来的に1兆ドル(約157兆円)に届く可能性を示唆した。バンク・オブ・アメリカは、現状で1735ドルのブロードコムの目標株価を2000ドルに設定しているとのことだ。
ただし、ブロードコムはエヌビディアとは異なり、ハイエンドの汎用GPU(画像処理半導体)を手がけているのではなく、各顧客の特定のユースケースに合わせたカスタムチップを通じてこの業界に参入している。例えば、グーグルのオリジナルのTPUチップの設計などを手がけている。
ブロードコムは2023年秋に、クラウドコンピューティング企業のVMWareを690億ドルで買収した。この買収は、当時、2020年代で2番目に大きな買収ということで話題となったが、これによりブロードコムはインフラストラクチャー・ソフトウェア事業への参入機会を増やし、今第2四半期には会社全体の売上が大きく伸びる結果となった。
ブロードコムのサクセスストーリーは、戦略的買収と最先端技術への絶え間ない注力の賜物だと言える。2009年、ヒューレット・パッカードの半導体製品グループからスピンオフして設立されたアバゴ・テクノロジーズが株式を公開したのがその旅の始まりだ。
2013年には大手チップメーカーのLSIコーポレーションを66億ドルで買収。大きく飛躍するきっかけになったのは2016年のアバゴによるブロードコムの買収だ。これにより多様な製品ポートフォリオを持つ半導体の大企業となった。買収時にアバゴは社名をブロードコムに変更したが、ティッカーシンボル「AVGO」は残したまま現在に至っている。 2019年8月にはウイルス対策ソフト大手のシマンテック法人向け事業を買収しサイバーセキュリティ分野への多角化を図る。そして2022年5月に仮想化ソフト最大手の「VMware」の買収を発表、この買収が2023年11月に完了し、現在では8000億ドル近い時価総額を誇る世界的な半導体およびインフラストラクチャー・ソフトウェアの巨人となった。
●ブロードコムの売上高推移と買収の歴史
出所:各種データより筆者作成
ブロードコムのホック・タンCEO(最高経営責任者)は、第2四半期の決算発表時に開かれた投資家とのミーティングにおいて、VMwareとの統合は非常に順調だと述べている。そして「ブロードコムは唯一無二の存在だ」と付け加えた。この自信に満ちた発言は、技術革新、戦略的買収を効果的に組み合わせることにより、ブロードコムが独自の地位を確立した競争力を備えた企業であることを表しているだろう。
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ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。