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2024年7月 1日
石原順
マイクロンはAI時代に最も恩恵を受ける企業のひとつなのか?
米半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)は6月26日、2024年第3四半期(2024年3月-5月期)の決算を発表した。売上高は68億1100万ドルと前年同期比82%増加、純利益は3億3200万ドルと一年前の赤字(18億9600万ドルの赤字)から黒字に転換した。
メモリー市場の需給が改善する中、製品価格が上昇し、すべての最終市場において収益性が向上した。特に、HBM(広帯域メモリー)やデータセンター向けSSD(ソリッド・ステート・ドライブ:メモリーチップにデータを読み書きする記憶装置)など、利益率の高いAI関連製品のシェアが拡大した。
●マイクロンの売上高と最終損益
出所:決算資料より筆者作成
●マイクロン(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●マイクロン(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
ビジネスユニット別売上高は、いずれのユニットについても一年前に比べて大幅な増加となった。データセンター向けHBM、大容量DRAMなどが好調だったコンピュート&ネットワーキングは85%増加した。また、データセンターSSDの増加を受け、ストレージは2.16倍と大きく伸びた。データセンターSSDの売上高は過去最高となり、前四半期と比べて倍増した。
●マイクロン・テクノロジーのビジネスユニット別売上高(単位:100万ドル)
生成AI半導体市場が急拡大する中、AI半導体に欠かすことのできないHBM(広帯域メモリー)に対する需要が急激に高まっている。HBMはこれからのAI時代に必須の部材であり、ここ数年、不況に直面してきたメモリー半導体セクターにおいては大きな収益が見込まれる期待の星でもある。まだメモリー市場全体における割合としては決して大きくないが、収益性は他のDRAMより5から10倍だと言われている。
マイクロンは今後のAI時代における自社の立ち位置について決算資料で次のように記している。
われわれは、現在、数年にわたる人工知能(AGI)の実現に向けた競争の初期段階にある。AIはスマートフォン、スマート自動車、インテリジェントな産業システムにも浸透していく見込みだ。こうしたトレンドは、DRAMとNANDの需要を大きく成長させるだろう。マイクロンは半導体業界で最も恩恵を受ける企業のひとつになると確信している。
2024年第4四半期については、売上高で74億ドルから78億ドルになるとの見通しを明らかにした。中央値の76億ドルを達成した場合、前年同期比で9割近い増収となる。また、1株利益予想は1.08ドル前後となり、第3四半期の実績(0.62ドル)と比較すると約74%の増益だ。
●2024年第4四半期ガイダンス出所:マイクロンHP
データセンター向けの需要増に対応するため、DRAMやNANDの供給逼迫が引き続き予想されている。2025年の契約を通常のスケジュールよりも前倒しで確保しようとする顧客からの関心も高まっていると言う。2025年に向けては、AI PCやAIスマートフォンの需要、そしてデータセンターにおけるAIの継続的な成長が見込まれる。会社資料によると、データセンターにおけるAIの継続的な成長という好条件が揃ったことで、2025年8月期は大幅な増収を達成できると確信しているということだ。
10年先の供給成長を支えるために必要なのは積極的な設備投資
市場調査会社ガートナーは昨年12月19日、世界の半導体市場は2023年に前年比11%減の5330億ドルになる見込みだと発表した。メモリー市場の規模(金額)が前年比4割近く縮小したことが影響した。2024年についてはそのメモリー市場の低迷が一巡し、前年比約2割増の6300億ドルになるとの見通しを示している。
●世界半導体市場の推移(金額) 出所:ガートナーのデータより筆者作成
一方、WSTS(世界半導体市場統計)が昨年11月28日に発表した製品分野別成長率によると、2024年はアナログやロジックがいずれも前年比1桁成長にとどまる見通しであるのに対し、メモリー市場の成長率は44.8%増と全体をけん引する見通しだ。
●半導体市場の製品別成長率の推移
出所:WSTSのデータより筆者作成
このメモリー市場の救世主となっているのがHBMだ。HBMはDRAMのダイを垂直に積み上げて、全体のデータ転送速度を高速かつ広帯域化するメモリー技術で、もともとは高性能なグラフィックを処理する目的で開発されたものである。
HBMは2013年から半導体市場に登場し、第1世代(HBM)、第2世代(HBM2)、第3世代(HBM2E)、現時点では第4世代(HBM3)まで展開されている。2021年10月にSKハイニックスが業界で初めて、第4世代であるHBM3の開発に成功し、これをAI向けGPUで世界トップのエヌビディア(NVDA)に供給することでHBM市場におけるシェアを獲得してきた。
●2022年、2023年、2024年(予測)のDRAM売上高とHBMの割合
出所 : TrendForceのデータより筆者作成
●マイクロンの設備投資の推移(単位:百万ドル) 出所 : 決算資料より筆者作成
HBM市場におけるシェアを拡大すべく、マイクロンは今年2月、「HBM3E」ソリューションの量産を開始したと発表した。マイクロンが手がける「HBM3E」は、2024年第2四半期に出荷開始が予定されるエヌビディアのGPUの一部として実装されるとのことだ。さらに次世代のHBMについても認証を受けるべく作業を進めているようだ。
決算発表資料によると、マイクロンの2024年の設備投資は80億ドルになる見通しで、2025年はさらに大幅に増加するであうことを明らかにしている。主に、HBMの組立設備、テスト設備、ファブおよびバックエンド施設の建設、需要増に対応するための次世代技術開発に使われる。
こうした投資が業績に寄与するのは2027年以降としているが、マイクロンはこれらの投資について10年後の供給成長を支えるために必要だとしている。拡大するAI向け市場をいかに獲得していくのか、メモリーメーカーの競争はさらに激しくなりそうだ。
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ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。