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2024年6月17日
石原 順
バフェット、オクシデンタルの事業活動は米国の利益に資するもの
米著名投資家ウォーレン・バフェットが米石油大手オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株式を再び買い増したことが分かった。バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(BRKB)が12日、SEC(証券取引委員会)に提出した資料で明らかになった。
それによると、バークシャーはオキシデンタルの株式を10日から12日にかけて、一株平均60.3ドルで約175万株取得した。この取引によりバークシャー・ハサウェイが保有するオクシデンタル・ペトロリアム株は2億5233万株となり、保有比率は28.46%まで高まった。
●オクシデンタル・ペトロリアム(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●オクシデンタル・ペトロリアム(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●バークシャーの株式売買の推移
出所:決算資料より筆者作成
バークシャーは2022年第4四半期(2022年10-12月期)より直近まで1年半にわたり株式を売越しているが、エネルギー株、とりわけオクシデンタルについては投資を積み増している。売越し傾向が続いているため現金ポジションは積み上がっている。2024年3月末時点の現金保有残高(現預金と米短期債の保有額を合計した額)は1890億ドルと前期(2023年第4四半期末は1676億ドル)から13%増え、過去最高を更新した。その額は、シスコ・システムズ(CSCO : 1840億ドル)やウォルト・ディズニー(DIS約1822億ドル)、マクドナルド(MCD : 約1827億ドル)の時価総額に相当する。
●バークシャー・ハザウェイの手元現金残高とNYダウの推移
出所:各種データより筆者作成
バークシャーが5月14日に明らかにした2024年月末時点の米国市場に上場する株式ポートフォリオによると、オクシデンタルはアップル(AAPL)やアメックス(AXP)、コカコーラ(KO)等に次いで、バークシャーの上場株式ポートフォリオの上位10社に入っている。同業のシェブロン(CVX)の保有分と合わせると、エネルギーセクターに1割あまりを投資していることになる。
●バークシャーが持つ上場株式の保有割合(2024年3月末時点のフォーム13Fより)
5月に公開された「株主への手紙」の中で、バフェットはエネルギーセクターの重要性とオクシデンタルの将来について次のように記している。
バークシャーはオクシデンタルの買収や経営には興味がない。私たちは特に、米国に保有する膨大な石油とガスが気に入っており、そして経済的な実現可能性はまだ証明されていないものの、炭素回収の取り組みにおけるリーダーシップも好きだ。この2つの活動はいずれも、わが国の利益に大いに資するものである。
少し前まで、米国は外国産の石油にひどく依存しており、二酸化炭素の回収は意味のあるものではなかった。実際、1975年当時、米国の石油生産量は800万バレル/日(BOEPD)であった。第二次世界大戦における米国の動員を促進した有利なエネルギーポジションから、米国は後退し、外国の(不安定な可能性のある)供給者に大きく依存するようになっていた。石油生産量のさらなる減少が予測される一方で、国内の消費量の増加も予想された。
長い間、この悲観論は正しいように思われ、2007年までに生産量は500万BOEPDまで落ち込んだ。一方、米国政府は1975年に戦略的石油備蓄(SPR)を創設し、完全にその懸念を払拭することはできなかったが、米国の自給率低下を緩和した。
そしてハレルヤ!- 2011年、シェール経済が実現可能になり、我々のエネルギー依存は終わった。現在、米国の原油生産量は1,300万BOEPDを超え、もはやOPECが優位に立つことはない。オクシデンタルの年間石油生産量は、SPRの全在庫量に迫る勢いだ。もし国内生産量が500万BOEPDにとどまり、米国以外の供給源に大きく依存していたとしたら、わが国は今頃非常に神経質になっていただろう。そのレベルであれば、外国産の石油が入手できなくなった場合、SPRは数カ月以内に空になっただろう。
ヴィッキー・ホルブのリーダーシップの下、オクシデンタルは国にとってもオーナーにとっても正しいことをしている。原油価格が今後1ヶ月、1年、10年の間にどうなるかは誰にもわからない。しかし、ヴィッキーは岩石から石油を取り出す手法に長けており、それは株主にとっても国にとっても貴重な才能である。
巨大な権益を保有するオクシデンタルは現金を生み出すバフェット好みの銘柄
バフェットが石油株への投資を積み増している背景にあるのは化石燃料に対する根強い需要だ。代替エネルギーの出現にもかかわらず石油需要は伸び続けている。オクシデンタルのヴィッキー・ホルブCEOは以前、CNBCのインタビューにおいて、既知の原油埋蔵量が発見されて開発されるペースが過去に比べてかなり遅くなっていると指摘した。
具体的には、過去10年間に世界で消費された原油量の半分以下しか新たに確認されておらず、この傾向を考慮すると2025年末までに需要が供給を上回ることになると述べている。
一方、ESGバブルの波は後退しつつあるものの、地球温暖化を抑えるためには中長期的な視点で脱炭素に向けたエネルギー転換を進めることも求められている。その中核となるのが、バフェット氏が「株主への手紙」の中でも触れていた、二酸化炭素の回収プロジェクト「CCS」だ。 CCSとは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、発電所や化学工場などから排出されたCO2を他の気体と分離させた上で回収し、地中深くに圧入、貯留する技術のことである。資源エネルギー庁のHPでは、国際エネルギー機関(IEA)の報告書において、パリ協定で長期目標となった「2C°目標」を達成するため、2060年までのCO2削減量の合計のうち14%をCCSが担うことが期待されていることを紹介している。
また、「CCS」を発展させた「CCUS」にも期待が集まっている。「CCUS」は「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、CCSで回収したCO2を、貯留するだけではなく、他のものに利活用する技術だ。
例えば米国では、回収したCO2を古い油田に注入し、油田に残った原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUS事業がすでに行われており、CO2削減と石油の増産が同時に実現できるビジネスとして成立していると言う。
●オクシデンタルは米南部パーミアン盆地において大規模な権益を持っている 出所:EIA(米国エネルギー情報局)
米金融メディア、モトリーフールの3月3日の記事「Warren Buffett Loves Occidental Petroleum for a Reason That's Not Showing Up in the Numbers - Yet(ウォーレン・バフェットがオクシデンタル・ペトロリアムを愛する理由 - それはまだ、数字には表れていない)」は、オマハの賢人は多くの投資家がまだ聞きなれない新しいビジネスの10年先を見据えていると指摘している。
記事では、グローバル・マーケット・インサイツ社(Global Market Insights)の見通しとして、「CCS」や「CCUS」の世界市場が2022年の約60億ドルから2032年には350億ドル以上に拡大するとの見方を紹介している。年率で20%以上の成長率だ。
オクシデンタルは、「CCS」技術を開発する主要企業のひとつであり、この事業の一部のシェアを獲得するだけでも、現在の年間トップライン約300億ドル弱を大幅に押し上げることになると論じている。来年には大規模な「CCS」施設が操業を開始する予定だ。オクシデンタルが持つネットワークは、オクシデンタルがバフェット好みの現金を生み出す巨大企業であることを意味している。
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ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。