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2024年5月13日
石原順
独自AIチップ開発にソフトバンクGのアームも参入!
ソフトバンクグループ(9984)の子会社で半導体設計を手がけるアーム(ARM)が、人工知能(AI)チップの開発に進出し、来年には最初の製品を発売する予定だと報じられた。アーム社は、AIチップ部門を設立し、2025年春までにプロトタイプの製造を目指す。量産は台湾TSMCなど製造委託先が担当する予定で、アームはすでに交渉を進めているという。
Nikkei Asiaの記事「SoftBank's Arm plans to launch AI chips in 2025(ソフトバンクのアーム、AIチップを2025年に発売予定)」によると、この動きは、ソフトバンク・グループの孫正義CEOが、推し進めている10兆円(640億ドル)に及ぶAI 革命の取り組みの一環であるという。
●ソフトバンク・グループ(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ソフトバンク・グループが90%の株式を保有するアームは、数千億円に達すると予想される初期開発費を負担するが、ソフトバンク・グループも資金を提供し、量産体制が整えば、AIチップ事業を分離してソフトバンク・グループ傘下に置く可能性もあるとしている。
AIチップの市場は加速度的な成長が見込まれている。記事ではカナダのPrecedence Research社のデータを取り上げている。それによると今年の市場規模は300億ドルと推定され、2029年には1000億ドルを超え、2032年には2000億ドルを突破するとの予想だ。
一方、米調査会社のMarket.USのレポートによると、世界のAI市場は2032年に2兆7450億ドルまで拡大すると試算されている。年平均成長率は約36%だ。
●拡大が続く世界のAI市場
出所:Market.USのレポートより筆者作成
AI向けの半導体チップをめぐっては、エヌビディア(NVDA)のGPU(画像処理半導体)が市場シェアの8割を握っており、ほぼ独走状態にある。米ハイテク企業を中心にGPUの取り合いとも言える状況が続いている。需要そのものが大きいこともあるが、供給が追い付いていないという現状もあるようだ。
●エヌビディア(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
5月7日のビジネス+ITの記事「NVIDIAのGPU不足は今後も続く ボトルネックはHBMとTSMCの中工程か」は、エヌビディアのGPUの製造の後工程において、CoWoS (Chip on Wafer on Substrate:高性能、高密度パッケージング技術)というパッケージングが行われるが、そのCoWoSのキャパシティーがボトルネックになっていると指摘している。
さらには、CoWoSにおいては、GPUの周りにDRAMを積層したHBM(広帯域メモリ)が複数配置されるが、このHBMもボトルネックの一つになっていると思われると述べている。このため、エヌビディアのGPUなどAI半導体不足は、今後数年以上続く見通しだとされている。
この需給バランスの逼迫に対応を急いでいるのはソフトバンク・グループだけではない。昨年11月には米AMD (アドバンスト・マイクロ・デバイス:AMD)がサーバーやパソコン向けのAI(人工知能)半導体の新製品であるGPU「Instinct MI300X」と、CPUとGPUを組み合わせたAPU(Accelerated Processing Unit)「Instinct MI300A」の2つを公開した。
●AMD(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
これらのAMD製品については、マイクロソフト(MSFT)が自社のクラウドサービス「Azure」向けに採用することを明らかにした他、メタプラットフォームズ(META)、オープンAI、オラクル(ORCL)も使うことを表明している。
●マイクロソフト(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●メタプラットフォームズ(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
一方、こうしたユーザー自身も自社でAIチップを開発することを明らかにしている。マイクロソフトはAIチップ「Maia 100」を開発しており、今年前半にAzureデータセンターから搭載していく予定だ。また、グーグル(GOOGL)は、機械学習に特化したプロセッサTPU(Tensor Processing Unit)を手がけており、今後、グーグルがトレーニングを行っているAIのGeminiにも使用していくとしている。
成長ドライバーはエネルギー効率に優れたアームの技術
そのアームが8日に発表した2024年1-3月期決算は、売上高が前年同期比47%増の9億2800万ドル、純利益は約75倍の2億2400万ドルだった。特にスマートフォン、サーバー、自動車市場向けにアームのアーキテクチャの採用が進み、ロイヤリティ収入が過去最高となった。
●アームの売上高と純損益の推移 出所:決算資料より筆者作成
●アーム(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
今期(2025年3月期通期)については、38億〜41億ドルとなる売上高見通しを示した。中央値が市場予想(39億8000万ドル)に届かなかったことで株価は下落したものの、売上高は前期比で4倍程度に拡大する見通しだ。
アームは半導体の回路設計図においてスマホ向けのシェアが高いが、現在、生成AI向けの需要開拓を急いでおり、今回の決算発表においてもエヌビディアの最新のAI向け半導体「GB200」に自社技術が採用されたことを明らかにした。
今後のAI戦略について、レネ・ハーネスCEOは「株主への手紙」の中で次のように語っている。
来四半期も収益と利益で前年同期比の力強い伸びが期待できるだろう。アームの長期戦略は複数の成長ドライバーを促進する。成長の原動力はロイヤリティ収入だ。特に、AIが最先端のデータセンターから最小のエッジデバイスまで、事実上すべてのアプリケーションに導入されるようになるにつれて、アームベースのコンピュートに対する需要はすべての市場セグメントで継続すると予想している。
成長を牽引するのは、データセンターからエッジコンピュータまで、よりエネルギー効率の高いコンピュテーションとAI機能からのニーズである。これらの複雑なAIワークロードを実行するためのコンピュート量は指数関数的に増加しており、必要なエネルギー量も増加している。
アームベースのデータセンターの顧客によると、レガシー・アーキテクチャーと比較して、ワットあたりのパフォーマンスを大幅に節約できるとの報告がある。アームのエネルギー効率に優れたテクノロジーが、これらのワークロードの実行を支援するために選ばれている理由の一因となっている。
グーグルは最近、アームベースのカスタム製品を初めて発表し、AIのトレーニングと推論の実行に使用する予定だ。これは、レガシー・アーキテクチャーと比較してパフォーマンスが50%向上し、エネルギー効率が最大60%改善する。
アマゾンウェブサービス、マイクロソフト、オラクル・クラウドなど、世界最大手のハイパースケーラー10社がデータセンターにアームベースのチップを導入している。
エヌビディアはまた最近、Blackwell GPUアーキテクチャとアームベースのGrace CPUを組み合わせたGrace Blackwell Superchipを発表した。これは、レガシー・サーバー・チップと並行してGPUを実行する場合と比較して、大幅な電力削減を実現する。
アームの技術は、PC、スマートフォン、車載アプリケーション、ネットワーク機器のチップにも同様の電力効率を提供しており、AIがあらゆる場所で利用されるようになれば、当社の技術によってそれが可能になると考えている。
世界の巨大テック企業は早くからAIに多大な経営資源をつぎ込んでいる。ソフトバンクがAI分野に拡大投資することは当然であろう。
「ソフトバンク・グループのビジョン・ファンドは数十億ドル相当の保有上場株式について、ここ数年でひそかに売却または減損処理を行ってきた。創業者の孫正義氏がかつて熱中していたベンチャーキャピタル取引から、半導体や人工知能(AI)への戦略的投資にシフトしていることを示している。世界最大のスタートアップ投資ファンドであるビジョン・ファンドは21年末以降、クーパンやドアダッシュ、グラブ・ホールディングスなどの株式売却を進めた。株価下落も影響し、米上場株のポートフォリオは290億ドル(約4兆5100億円)近く縮小した。当局への提出書類から明らかになった」
出所:(5月10日 ブルームバーグ 「ソフトバンクG、ビジョンFの資産売却進める-AIや半導体にシフト」
生成AIの電力消費が社会的な課題となる中、省電力をうたうアームのアーキテクチャの採用がスマホ以外にも広がっていくことが想定されている。莫大な資金力が必要となる独自のチップ開発も含め、ソフトバンク・グループとして大胆な投資が行えるのか、今後の成長の行方を左右することになりそうだ。
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●日経平均CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
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日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。