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2024年2月19日
石原順
「宝」の一部を削減、バークシャーの2023年12月末時点のフォーム13F
著名投資家ウォーレン・バフェット率いる米バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)が今月14日に届け出た2023年12月末時点のフォーム13Fによると、バフェットがかねてより、損害保険事業と並びバークシャーが持つ「宝」と語っていたアップル(AAPL)株の保有株比率が1%あまり減少したことがわかった。株数にして約1000万株の削減となる。
●バークシャーハサウェイB株(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●アップル(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
バークシャーがアップル株を売却するのは3年ぶりのことである。バークシャーは2016年からアップル株を買い入れてきた。その後の買い増しを通じて、バークシャーの投資全体に占めるアップル株の存在感は大きくなり、上場株ポートフォリオの約5割を占めることとなった。アップル株は2023年10-12月期に株価が1割以上上昇した。直近の株高によって5割を超える割合となったためポジションをリバランスする必要があったのだろう。
米国で1億ドル以上を運用する機関投資家は四半期ごとにSEC(米証券取引委員会)に「フォーム13F」という報告書を提出し、保有銘柄を開示することが義務付けられている。しかし、米国の株式市場に上場する銘柄が対象で、バークシャーが保有する日本の総合商社株などは対象外となっている。報告内容はその投資家の上場株のポートフォリオ全体を表すものではない。
また、昨年12月末時点からデータが公開されるまでの1ヶ月半ほどの期間にさらに売買を行っている可能性もあるため、最新の保有状況を表すものではないことに注意が必要だ。
バークシャーは2023年10-12月期にアップルの一部を売却した他、HP(HPQ)については8割弱、メディア大手のパラマウント・グローバル(PARA)については3割強、それぞれ保有株式を減らした。2023年4-6月期に新規取得したばかりの米大手住宅メーカーDRホートン(DHI)は保有株を全て売却した。
一方、米石油大手シェブロン(CVX)は保有株式数を2023年9月末比で14%増やし約1億2600万株に、持ち分法適用会社となっているオクシデンタル・ペトロリアム(OXY)についても保有株式数を9%増やし、保有株数を2億4370株まで引き上げた。
●シェブロン(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●オクシデンタル・ペトロリアム(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
バークシャーは前回同様、一部銘柄の保有状況を非開示としている。そのため、今回新たに買い入れた銘柄はなく、保有する銘柄数は9月末に比べて4社減少した。
●バークシャーの2023年12月末時点の保有上場株式(フォーム13Fより) (緑:新規ポジション オレンジ:売却)出所:2023年12月末時点のフォーム13Fより筆者作成
保有割合の上位を見ると、アップル、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、アメリカンエクスプレス(AXP)、コカコーラ(KO)など、9位までは前回と同様の顔ぶれとなっている。前回10位に入っていたHPは前述の通り保有株数が減少したためトップ10圏外となり、代わりにリバティ・メディア(LSXMA)が入った。
●リバティ・メディア(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●バークシャーが持つ上場株式の保有割合出所:2023年12月末時点のフォーム13Fより筆者作成
バフェットが石油株への投資を積み増している背景にあるのは化石燃料に対する根強い需要だ。時事通信の2023年11月19日の記事「米石油業界、相次ぐ大型買収=底堅い需要、脱炭素曲がり角」は、米石油業界において収益強化をにらんだ大型M&Aが相次ぎ、脱炭素の取り組みが曲がり角を迎えていると指摘している。
新興国の経済成長などを背景とした底堅い石油需要を見込み、エネルギーセクターにおける大型投資が活発化している。日米欧などが2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標を掲げる中、太陽光など再生可能エネルギーの導入促進だけでは、需要を賄い切れないと見込んでいる格好だ。
代替エネルギーの出現にもかかわらず石油需要は伸び続けている。オクシデンタル・ペトロリアムのヴィッキー・ホルブCEOはCNBCのインタビューにおいて、既知の原油埋蔵量が発見されて開発されるペースが過去に比べてかなり遅くなっていると指摘した。具体的には、過去10年間に世界で消費された原油量の半分以下しか新たに確認されておらず、この傾向を考慮すると2025年末までに需要が供給を上回ることになると述べている。
もう一人の賢人ドラッケンミラーのポジション
バフェットとは対照的に保有ポジションを10-12月期に増やした投資家がいる。次にご紹介するのはスタンレー・ドラッケンミラーのポートフォリである。ドラッケンミラー率いるデュケーヌ・ファミリーオフィスが保有する銘柄数は2023年12月末には49銘柄と、2023年9月末時点(40銘柄)に比べて9銘柄増加した。
●2023年12月末時点のデュケーヌ・ファミリーオフィスのポートフォリオ
(緑:新規ポジション オレンジ:売却)出所:2023年12月末時点のフォーム13Fより筆者作成
アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)といった主力ハイテク株の他、9月末に30万株あまりを保有していたアリババ(BABA)株を全て手放した他、ブロードコム(AVGO)、不動産テックのコンパス(COMP)、ダナハー(DHR)等を売却した。
一方、新規ポジションとしては、アドビ(ADBE)、ネットワーク機器を手がけるアリスタ・ネットワークス(ANET)、テレビゲーム機器の製造と販売を手がけるテイクツー・インタラクティブ(TTWO)、さらにはセールス・マーケティングチーム向けにクラウド型営業支援ツールを提供するズーム・インフォ(ZI)を買い入れた。
●デュケーヌが持つ上場株式の保有割合出所:2023年12月末時点のフォーム13Fより筆者作成
ドラッケンミラーは以前より「AIの勢いは続く」との予想を示しており、AI企業を中心に保有を積極化してきている。AIの本命銘柄であるエヌビディア(NVDA)については、7-9月期に保有を一部減らしたものの、10-12月期に再びポジションを増やし保有株数は1100万株を超えている。時価評価ベースではデュケーヌの最大の持ち株である。エヌビディアに次いで保有比率の高いマイクロソフト(MSFT)については10-12月期に6万8000株を追加取得した。
●エヌビディア(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●マイクロソフト(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●NVDAとMSFT保有株数の推移(単位:株数)出所:2023年12月末時点のフォーム13Fより筆者作成
2023年5月にドラッケンミラーは、「2、3年後には信じられないようなチャンスが到来する」と述べ、「業界内には多くのばらつきがあり、チャンスが訪れるまで資金を温存しておくことが大切だ」と語った。
AI投資をやめたわけではないが、ドラッケンミラーはアルファベット、アマゾン、ブロードコムの株を処分する一方で、値崩れした金鉱山株のバリック・ゴールドとニューモントの株を買っている。これは持続不可能な米国のMMT(財政赤字をいくら拡大しても債務不履行することはないという理論)を警戒し、インフレへの対応を始めたということであろうか?
●バリック・ゴールド(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ニューモント(日足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●NYダウCFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●S&P500CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ナスダック100CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ドル/円(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ゴールドCFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。