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2023年12月25日
石原順
メモリー市場の在庫調整は2024年上期には一巡するのか?
半導体メモリー製造大手の米マイクロン・テクノロジー(MU)は20日、2024年第1四半期(2023年9-11月)の決算を発表した。売上高は47億2600万ドル(前年同期比13.56%増)、最終損益は12億3400万ドルの赤字だった。
赤字額は一年前に比べ拡大しているものの、前期(2023年第4四半期)と比較すると減少傾向にある。売上高及びEPSは、前回の決算説明会で提示したガイダンスの上限を上回る結果となった。
●米マイクロン・テクノロジーの売上高と最終損益の推移
出所:決算資料より筆者作成
●マイクロン・テクノロジー(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
一方、業績の先行きについては力強い見通しを示した。2024年第2四半期(2023年12月-2024年2月)は、データセンターの需要がパソコンおよびスマートフォン市場の回復の鈍さを埋め合わせるとしており、売上高は51億-55億ドルと、アナリストの予想平均(49億9000万ドル)を上回ると見られる。また、1株当たり損益は21-35セントの赤字(アナリスト予想は62セントの赤字)とより少ない損失にとどまる見通しだ。
会社側は決算発表資料において、2024年を通じて利益率と業績が改善することを見込んでおり、さらに2025年には業界最高のTAM(Total Addressable Market:獲得できる可能性のある市場全体の規模)を記録することを期待していると明らかにしている。
また、メモリとストレージの在庫については、PC、モバイル、自動車といったほとんどの顧客において、通常レベルかそれに近い水準にあるとしている。一方、データセンター顧客のメモリとストレージの在庫は改善しつつあり、2024年上半期には正常レベルに近づくと予想している。
●マイクロン・テクノロジーのビジネスユニット別売上高
マイクロンをはじめとするメモリーメーカーを取り巻く環境がようやく改善の兆しを見せつつあるようだ。ブルームバーグの10月13日の記事「半導体株に再度脚光か、メモリー市況に底打ち感-サムスン決算も一助」によると、メモリー市場の在庫調整は市場関係者の想定以上に長引いていたが、7-9月期にはメモリー市況が反発し、半導体産業の回復基調が今後鮮明になるとの見方が増えていると指摘している。
●SOX指数(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
過去のケースを見る限り、世界の半導体販売がいったんプラスに転じると販売の増加基調が継続し、半導体株の大幅な上昇につながることが多いと言う。直近、メモリー最大手のサムスン電子の株価が堅調に推移している。
●サムソン電子(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
生成AIの性能向上の鍵を握るのはHBM(高帯域メモリー)
13-15日にかけて東京ビッグサイトにおいて開催されていた展示会「セミコン・ジャパン」にて、マイクロンの日本法人トップであるジョシュア・リー氏は、2025年から広島県の工場で最先端メモリーを生産することを明らかにした。リー氏によると「(先端の露光技術である)EUVを日本に導入する最初の半導体企業となる」という。
マイクロンは短期記憶を担うDRAMメモリーを日本、台湾などで生産しているが、最先端品「1ガンマ」の立ち上げを広島工場で行う予定で、広島工場では生成AI(人工知能)向けにDRAMを積層させた高性能品「HBM(High Bandwidth Memory:広帯域メモリー)」を生産する計画なども明らかにした。リー氏は「日本の非常に強い半導体のエコシステムはマイクロンのキードライバーになる」と語った。
AI市場の拡大により、大容量化、低消費電力化メモリーとストレージに対する需要が高まっている。マイクロンはAIに関して決算発表資料において、「われわれは生成AIが触媒となり推進する数年にわたる成長段階のごく初期段階にいる。この破壊的なテクノロジーは、やがてあらゆる分野に変革をもたらし、ビジネスと社会のあらゆる側面を変革していくだろう。」と述べている。
今年7月にはAI向けデータセンターに求められるメモリー指標(性能、容量、電力効率)で新たな基準を達成した最先端のHBMソリューションである「HBM3 Gen2メモリ」のサンプル出荷を開始したと発表した。すでに台中工場で生産されており、2024年1-3月から出荷する予定だ。 このHBM3 Gen2は、マイクロンが現在出荷しているHBM3ソリューションと比較して50%の高速化が図られ、業界初となる8層で24ギガバイトの大容量化を実現したものとなっている。こうした改良により、チャットGPT-4やこれに続く大規模言語モデル(LLM)の学習時間を短縮できるだけでなく、AI推論向けにも高効率なインフラを構築することが可能になると言う。
電子デバイス産業新聞の11月10日の記事「第527回 HBM、本格的な競争の始まり 韓国2社の投資拡大、米マイクロンの参入」は、生成AI半導体市場の大きな成長により、AI向けに使用される半導体の需要が急激に高まっているとともに、HBMに対する注目度が高まっていると指摘している。
2022年のHBM市場は、SKハイニックスが市場トップシェアである50%を持っているのに対し、サムスン電子が40%、米マイクロンが10%だったと見られているが、HBM市場でトップシェアを持つSKハイニックスとサムスン電子が激しい競争を繰り広げる中、マイクロンもHBM市場に参入すると発表し、次世代のソリューションで勝負をかけるとしている。
●SKハイニックス(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
HBMはこれからのAI時代に必須の材料だとされており、最近のメモリー半導体の不況の最中においては大きな収益が見込まれる期待の星でもある。まだメモリー市場全体における割合としては決して大きくないが、収益性は他のDRAMより5から10倍だと言われている。
記事によると、HBMは2013年から半導体市場に登場し、第1世代(HBM)、第2世代(HBM2)、第3世代(HBM2E)、現時点では第4世代(HBM3)まで展開されている。2021年10月にSKハイニックスが業界で初めて、第4世代であるHBM3の開発に成功し、これをAI向けGPUで世界トップのエヌビディア(NVDA)に供給することでHBM市場におけるシェアを獲得してきた。
●エヌビディア(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
11月14日のロイターの記事「米エヌビディア、AI用半導体の性能強化 大手クラウドで採用へ」は、エヌビディアがAI向け先端半導体の性能を強化した新製品「H200」を発表、来年から、アマゾン(AMZN)やアルファベット傘下グーグル(GOOGL)、オラクル(ORCL)などが展開するクラウドサービスで採用されると報じている。
●アマゾン(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
性能が強化された「H200」には、141ギガバイトのHBMが搭載されている。前世代「H100」の80ギガバイトからメモリー容量が大幅に増強されたものだと言う。メモリー容量を増やして半導体の処理部分との接続を高速化することで、生成AIサービスの速度向上につながると言う。
このHBMをどのメモリー半導体サプライヤーが納入しているのかは明らかになっていない。しかし、マイクロンは9月、エヌビディアにHBMを供給するための手続きを進めていることを明らかにしていた。もちろんエヌビディアにはSKハイニックスがHBMを優先的に供給しているのは前述の通りである。競争は始まったばかりであるが、AIの性能はメモリー容量に依存する面があるとすれば、今後のHBMをめぐるメモリー半導体メーカーの争いは熱を帯びそうだ。
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ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。