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2023年10月16日
石原順
金利が高止まりする中NIIが過去最高を記録、米大手金融機関の利益は市場予想を上回る
米金融大手JPモルガン・チェース(JPM)が13日、2023年第3四半期の決算を発表した。1株当たり利益は4.50ドルでアナリストの予想平均の3.96ドルを上回る着地となった。
FRB(米連邦準備理事会)による金利引き上げ進んだ中、5月に経営破綻した中堅銀行のファースト・リパブリック銀行を買収したことで預かり資金が増加、金利収入が過去最高を記録した。第3四半期の純金利収入(NII)は前年同期比30%増の229億ドルとなり、通年のNIIの見通しを従来予想の870億ドルから890億ドルに上方修正した。
●米国10年国債金利(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●JPモルガン・チェース(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
同じく米金融大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が発表した決算でも、一株あたり収益は1.39ドルとアナリスト予想(1.24ドル)を上回った。また、NIIの通期見通しについて、前年比14%増としていた従来予想から引き上げ、約16%増になる見通しを示した。
●ウェルズ・ファーゴ(週足)(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
米国の金利が高止まりする中、現在、現金は利益を生み出す金のガチョウになっている。世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者レイ・ダリオ氏は、「現金はゴミのよう」としていたスタンスを転換し、債券などではなく、今は一時的に「現金(短期債)」を保有したいと述べている。
ダリオ氏は9月30日付けのリンクトインへの投稿「The Thinking Behind Why Cash Is Now Good (and not Trash)なぜ今、現金が(ゴミではなく)良いのか?」で、次のように述べている。
ここ数カ月、私が「現金は良いものだ」と発言したことは、2020年初頭に「現金はゴミだ」と発言したこととは正反対である。私が伝えようとしたのは、その時の金利に基づいて現金がいかに魅力的かということである。2020年当時は「ゴミのような」(1%未満)金利で、最近では「かなり良い」(5%半程度)金利である。現金が良いこともあれば、悪いこともある。
最も重要なことは、現金(そして債券)の魅力を評価するために、私は次の点に注目する:
1) 将来のインフレ率(すなわち実質金利)に対する金利水準
2) FRBが金利を引き締める可能性が高いか緩和する可能性が高いかは、インフレ率と成長率がFRBの望む水準よりも高い(引き締めにつながる)か、低い(緩和につながる)かに基づいて判断される
3) 見込みリターンに基づく他の投資の魅力と比較した、期待される現金リターンの魅力
4)現金と債券の需給状況
現金を積み上げている投資家と言えばウォーレン・バフェット氏がその代表だろう。バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが8月5日に発表した6月末時点の手元資金は6月末時点で1,473億ドルとなり、2021年9月末以来の高水準に積み上がっていた。
1992年以降、ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイが保有してきた現金の額は次のとおりだ。
1992年: 5億4,270万ドル 1993年: 11億ドル 1994年: 2億9,650万ドル 1995年: 10億ドル 1996年: 8億9,110万ドル 1997年: 11億ドル 1998年: 71億ドル 1999年: 53億ドル 2000年: 356億ドル 2001年: 403億ドル 2002年: 460億ドル 2003年:38ドル。 2B 2004年: 477億ドル 2005年: 478億ドル 2006年: 421億ドル 2007年: 470億ドル 2008年: 311億ドル 2009年: 245億ドル 2010年: 280億ドル 2011年: 479億ドル 2012年: 407億ドル 2013年: 645億ドル 2014年: 846億ドル 2015年: 938億ドル 2016年: 964億ドル 2017年: 998億ドル 2018年: 1,111億ドル 2019年: 1,224億ドル 2020年: 1,466億ドル 2021年: 1,441億ドル 2022年: 1,054億ドル 2023年: 1,473億ドル
現在、米国の投資家はゼロリスクで5%のリターン(金利収入)を得ることができる。
バフェット氏は「バークシャーは先週月曜日に米国債を100億ドル(約1兆4,300億円)購入した。今週の月曜日にも100億ドルの米国債を購入した。来週の月曜日について唯一の問題は、100億ドルを3カ月物の財務省短期証券(TB)で買うか6カ月物で買うかだ」と米経済専門局CNBCで語った。
(出所:8月3日ブルームバーグ 『バフェット氏、米国債を購入-フィッチの格下「心配いらない』)
●バークシャー・ハサウェイのキャッシュポジションとNYダウの推移(2023年6月末時点)
出所:各種データより筆者作成
レバレッジと高金利は相容れない、そのうち誰が裸で泳いでいるのかが分かるだろう
以下はそのウォーレン・バフェット氏の有名な格言の一つである。
「上げ潮はすべての船を浮かばせる。潮が引いて初めて、誰が裸で泳いでいたかわかるのだ。」
力強い経済と低金利は金融における不均衡を覆い隠す。一方で不均衡が明るみに出るのは、経済成長が鈍化し金利が上昇する局面だ。
しかし、金利上昇が実際に経済にダメージを与えるのには一定の時間を要する。このため、金利が上がっているのになぜか経済が強い、経済はソフトランディングへ向かうだろうという楽観論が蔓延る。
過去、FRBが利上げを行うたびに危機が発生してきた。 FRBが金利を5.50%引き上げるなか、すべての債券利回りの同様の上昇に続く金融危機が、事実上避けられない。危機は個々の銀行や企業、あるいは国や地域を巻き込むこともあった。その他の危機はシステミックなもので、産業、経済セクター、金融市場全体に波及する。
こうした危機が時計仕掛けのように必然的に発生する理由はレバレッジにある。レバレッジと高金利は相容れないのだ。
米国のGDPに対する債務残高は、40年前にポール・ボルカーFRB議長が2桁の金利でインフレを抑えていた頃よりも大幅に増えている。負債総額は2008年の2倍だ。当時の金融危機においては銀行システム全体が破綻寸前に追い込まれた。
●米国のGDPに対する債務残高の割合出所:リアルインベストメントアドバイス
つまり、金融システムには裸で泳いでいる人たちがたくさんいるということだ。
以下の図にあるように、上場企業の約5社に1社がゾンビ企業になっている。ゾンビ企業は負債返済額が利益を上回っている状態にある。
すべてのゾンビ企業が金利上昇によって破綻を迎えるわけではない。中には、負債を返済するのに十分なスピードで収益や利益を伸ばす企業もあるかもしれない。また、債権者を満足させるだけの現金を持っている企業もあるかもしれない。
しかし、米国企業の5分の1にあたる企業は、負債を増やすことでしか存続できない状態にある。そしてその割合は上昇する傾向を示している。
●営業利益で利払いを賄うことができない企業の割合出所:リアルインベストメントアドバイス
●経営破綻を申請する企業の数が増加している
出所:GAMEofTRADES
上のグラフはそのような危機が始まりつつあることを警告している。
経営破綻を申請する企業の数が急速に増えている。銀行、ヘッジファンド、その他の機関投資家も、レバレッジを効かせているため、危機候補の筆頭に挙げられている。
ゾンビ企業が直面するリスクは、持続的な金利上昇と収益の低迷である。機関投資家については、資産価格が下落する一方で金利が高止まりした場合、リスクが生じる。
潮は引き始めている。それに伴い、経済活動は減速し、資産価格も追随する可能性が高い。レバレッジと高金利は危機をもたらすだろう。
メガトレンドフォローVer2.0の売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
●日経平均CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●NYダウCFD(日足)
●S&P500CFD(日足)
●ナスダック100CFD(日足)
●ドル/円(日足)
●ゴールドCFD(日足)
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。