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2023年4月17日
石原順
景気後退が迫っているとする12の理由:バンク・オブ・アメリカ
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット率いるグローバル・リサーチ部門が12のチャートをピックアップし、株式市場の投資家がまだ気づいていないだけで、世界的な景気後退がすでに始まっているとするレポートを顧客向けに発信した。
チームは、米国の経済データ、銀行融資、金融市場など、さまざまな情報から、原油などの重要コモディティ需要がすでに弱まり始めていること、債券市場がすでに景気後退が始まっているかのように振る舞っていると指摘した。
マーケットウォッチの記事「12 charts show a global recession has already begun -- and how investors can protect their portfolios(世界的な景気後退がすでに始まっていることを示す12枚のチャート - そして、投資家はどのようにポートフォリオを守ることができるのか?)」から、一部のチャートを抜粋しつつご紹介したい。
●ISM米国工業購買担当者景気指数
出所:マーケットウォッチ
PMIは前月の47.7%から先月は46.3%に低下し、2020年5月以来の低水準を記録した。製造業の景況感を表す指標は、景気後退を示すレベルの瀬戸際にある。過去70年間、ISMのPMIが45を下回った12回中11回が景気後退に陥っている(例外は1967年)と言う。
次にイールドカーブである。2年と10年のイールドカーブの急伸は警告のサインでもある。歴史的にイールドカーブが反転するとその後1年のうちに景気後退が到来する可能性が高いことを示すとされている。景気後退が始まった、あるいは始まろうとすると、長期金利が短期金利よりも速いペースで低下する。このため、カーブが急になり、投資家が比較的安全な資産に長期的に資金を固定しようとするサインである。
●2年債と10年債のイールドカーブがスティープ化すると景気後退に陥ってきた
先日、OPEC+は、昨年10月以来2回目となる減産に合意した。OPEC+は合わせて、5月から2023年末まで日量116万バレルの追加減産に合意し、ロシアは日量50万バレルの減産を年末まで延長することに合意した。この削減は原油価格を若干押し上げたにとどまった。原油価格が高騰していないことは、もう一つの景気後退のヒントでもある。
●供給削減はオイル価格上昇につながらない
では、来るべき景気後退に対して投資家はどのようなポジションを取れば良いのだろうか。BofAが過去のリターンを分析したところ、米国株は、高インフレ期に不況が訪れると、FRBの最終利上げから6ヶ月後には下げる傾向にあることがわかった。「最後の利上げを売れ」は、インフレの進んだ1970年代、1980年代における正しい戦略だったとチームは指摘している。
市場では景気後退によってFRBの利上げ打ち止めになることを期待している向きもあるが、歴史的に見ると、米国株が無傷で景気後退を乗り切ることはほとんどない。過去10回の景気後退期のうち8回は、S&P500が20%以上となるドローダウンを経験している。
●リセッション時におけるS&P500の下落率
銀行破綻はまだ終わっていない!
著名投資家ウォーレン・バフェットは先週、来日中に行われたCNBCとのインタビューで、「銀行破綻はまだ終わっていない」として、さらにより多くの銀行が倒産する可能性があると指摘した。ただし、FDIC(連邦預金保険公社)による保護があるため、「預金者が被害を受けることはない」と述べた。著名投資家のこの発言を、そのまま鵜呑みにして良いのだろうか。
シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行では、米国当局がすべての預金を保証したが、現在、アメリカには少なくとも7兆ドルもの無保険の銀行預金があるという。この金額は、アップル(AAPL)の時価総額の約3倍、米国GDPの約30%に相当する。無保険預金とは、FDIC(連邦預金保険公社)が保証する25万ドルの限度額を超える預金のことで、2008-2009年にかけての世界金融危機の後に引き上げられた。
ヴィジュアル・キャピタリストの記事「These Are The US Banks With The Most Uninsured Deposits(最も無保険預金が多い米国の銀行だ。)」に、保険で担保されていない預金残高を比較したグラフが掲載されていた。簡約したものの一部を取り上げたい。なお、データは、2022年末に500億ドル以上の資産を持つ米国の銀行を対象としている。
●保険で担保されていない預金残高の多い銀行のランキング
出所:ヴィジュアル・キャピタリスト
赤は経営破綻した銀行、オレンジは合併された銀行である。それらを除いたブルーで示されている銀行のうち、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンとステート・ストリート・バンクは、無保険預金の水準が最も高い銀行である。 この2社は米国の2大カストディアンバンクであり、JPモルガンがそれに続いている。カストディアン・バンクは、投資家のために資産を安全に保管し、資産を移転するなどの業務を行う金融システムにおいて重要なインフラを提供する銀行である。このため通常の商業銀行とは事情は異なる。
また、これらの銀行が経営破綻したSVBと異なる点は、預金総額に占めるローンや満期保有証券の割合が低いことであろう。SVBの94%以上に対し、BNYメロンは31%、ステートストリートバンクは40%である。
満期保有目的有価証券は、銀行にとってより大きなリスクとなる。金利が急激に上昇したため、これらの保有資産の多くは価値を失っている。これは、銀行が金利変動リスクを抱えていることを意味している。銀行がこれらの資産を満期前に売却すると、大きな損失を被ることになる。
より大きな影響を防ぐため、規制当局は緊急措置を実施した。SVBとシグネチャー銀行が破綻を発表した数日後には、すべての預金を保護することで当局は事態の収束を図った。FRBはまた、銀行に対する緊急融資制度を設けた。この銀行期間資金供給プログラム(BTFP)は、預金者が資金を引き揚げた場合に、銀行に追加の資金を供給するために作られたものである。
これまでに500億ドル以上がBTFPから引き出され、このことにより、FRBのバランスシートは2022年の量的引き締め導入で徐々に減少した後、再び膨張し始めている。当局は銀行を救う以外の選択肢はなかったのかもしれないが、このことは、米国の銀行システムにとって何を意味するのか、また、預金者やより広範な金融システムにとってどのような影響があるのだろうか。
より大きな問題は、システムに新たなリスクがもたらされることであろう。FRB が常に救いの手を差し伸べてくれると期待すれば、市場には再び慎重さを欠いた意思決定が蔓延する可能性が高い。それ以前に、長きにわたり続いた超低金利環境はリスクテイクのコストを低下させていた。
バフェットは金融危機時に金融機関に投資を行い大成功した。2008年の世界金融危機の際、ゴールドマン・サックス・グループ(GS)に50億ドルを出資した。また、バンク・オブ・アメリカ(BAC)は2011年にサブプライム住宅ローン絡みの損失での株価が急落した後、バフェットから資本注入を受けた。
●バンク・オブ・アメリカ(週足)
(マーケットナビゲーターの売買シグナル ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
バフェットは金融マフィアでもある。リーマンショックに続いて、規格外の安値で金融株をまたもや手に入れることになるのだろうか? 本格的な金融危機というか、<金融システムの崩壊>は先送りされている。そのトリガーは利下げが引く。
●ナスダック100と2年国債金利の推移
出所:各種資料より筆者作成
マーケットナビゲーターの売買シグナル(ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
●NYダウCFD(日足)
●S&P500CFD(日足)
●ナスダック100CFD(日足)
●ドル/円(日足)
●ユーロ/ドル(日足)
●ゴールドCFD(日足)
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファン ドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市 場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当 する現役ファンドマネージャーとして活躍中。