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2023年4月10日
石原順
現在の引き締めサイクルは非常に終盤に差しかかっている:サマーズ氏
米労働省が7日に発表した3月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は事前の予想に一致し、前月から23万6000人増となった。2カ月連続で伸びは鈍ったものの、失業率は再び3.5%に低下した。失業率は1月に半世紀ぶりの低水準となる3.4%を付けたあと、小幅に上昇していたが(2月は3.6%)再び低下した。
雇用統計の中身振り返っておこう。1月の非農業部門雇用者数は3万2000人下方修正(50万4000人から47万2000人へ)、2月は1万5000人上方修正(31万1000人から32万6000人へ)された。これにより、1月と2月を合わせた雇用者数は、前回発表より1万7000人減少した。
時給は引き続き低下している。3月の時給は前年同月比4.2%となり、2月の4.6%から低下し、予想の4.3%を下回った。月次ベースでは、予想通り0.3%の増加で、先月の0.2%から小幅に加速した。平均労働時間は34.5から34.4に低下した。
●業種別雇用者数の増減 赤:2023年2月 青:2023年3月
出所:ゼロヘッジ
労働市場は引き続き堅調との見方が広がる一方、前財務長官ローレンス・サマーズ氏はこのデータは第1四半期からの経済状態を反映しているに過ぎず、信用引き締めの中にあることから、あまり意味がないと指摘している。
サマーズ氏はブルームバーグのインタビューで、「信用市場において相当な締め付けがあると感じている」と述べ、「現時点では景気後退の可能性は高まっている」と指摘した。
信用収縮は、経済学者が景気後退かどうかを判断する際に考慮する要因の一つである。実際に企業活動は減速を示しており、景気後退の懸念を強めている。米サプライマネジメント協会が発表する製造業活景況感指数は2020年5月以来の低水準に落ち込んだ。これは、パンデミックの時期を除いて2009年以来の最低水準である。
●ISM製造業景況感指数
セントルイス連銀のブラード総裁のように一部のFRB高官は、中央銀行に利上げ政策の継続を迫っている。これについてサマーズ氏は、FRBは非常に難しい決断を迫られていると思うと述べ、FRBがそうした政策を継続することに確信を持っていない。そして「はっきりしているのは、現在の引き締めサイクルは非常に終盤に差し掛かっているということだ」と論じた。
また、サマーズ氏は「FRBが伝統的な貯蓄を抑制し、普通の人々をリスクの高い株式の過剰購入に追いやった」という反省から、「FRBは、私たちがどのような金融システムに移行することを望んでいるのか、非常に根本的な反省をする必要があります。私たちは、多くの家計が自分のお金でほとんど何も稼がないという意思に基づいて、金融システムを構築してきました。しかし、それが今後も続くとは思えません」と、FRBの金融政策に対しても見直しを迫っている。
メモリー市場が悪化する中、最先端分野では激しい競争が起きている
韓国サムスン電子が7日、2023年1-3月期の連結決算速報値を発表した。営業利益が6000億ウォン(約600億円)と前年同期に比べ96%減と大きく落ち込んだ。景気低迷を背景に幅広いデジタル製品の需要減によってサムスンが主力とする半導体メモリーの販売が振るわなかった。
日経新聞の4月7日の記事「サムスン営業利益96%減 1-3月、半導体不況が直撃」によると、SK証券が推計した部門業績(3月30日時点)によると、半導体部門の営業損益は4兆7000億ウォンの赤字(前年同期は8兆4500億ウォンの黒字)と14年ぶりの赤字に転落、売上高も49%減の13兆8000億ウォンに落ち込んだとしている。
SK証券の見通しによると、半導体部門の営業損益は1-3月期に底を打つものの、今年いっぱいは赤字が続くとしている。パソコンやタブレット端末、ゲーム機の特需がなくなり、米IT(情報技術)大手のデータセンター投資も縮小、半導体供給網(サプライチェーン)の各所でメモリー在庫が積み上がったことで販売価格が急落しており、需要回復のけん引役が見当たらないと指摘している。
中央日報の4月8日の記事「サムスンの半導体アーニングショックを診断...好循環が途絶える(1)」によると、サムスン電子の昨年の年間半導体売上高のうちメモリー半導体(DRAM、NAND型フラッシュメモリーなど)が占める比率は約7割に及んでいる。毎年数十兆ウォンの営業利益を出す半導体(DS)部門の中でもメモリー半導体は絶対的な役割を果たしているという。
そのメモリー半導体が不振になると、サムスン電子の営業利益も打撃を受ける。市場調査会社のDRAMエクスチェンジによると、今年1-3月期にDRAMの平均価格は17%下落した。半導体の需要が回復せず在庫も膨らむ状況だ。業界では20週分の生産量が在庫として累積していると推算している。 メモリチップは一般的に変動が激しい市場で、直近では周期的な落ち込みの真っ只中にある。コロナ禍を背景とした歴史的な半導体不足からわずか数カ月、チップ業界はサプライヤー優位の状況になると考えられていたが、今回の不況のサイクルはこれが誤りであったことを示していると指摘している。
半導体市場は主に、演算を担う「ロジック」と記憶を担う「メモリー」に分けられる。日本経済新聞の2022年7月13日の記事「台湾TSMC、設備投資1割減 業界先行きに不透明感」によると、メモリーは一般的に汎用性が高く需給の影響を受けやすいため、販売価格が変動する傾向にある。一方、TSMCは価格変動が緩やかなロジック半導体を主力としている。ロジックは市況に振り回されにくい特徴を持っている。
フラッシュメモリー市場はサムスンとSKグループの韓国勢でほぼ半分のシェアを占めている。このメモリ市場の低迷は韓国経済にとっても大きな課題だ。
●NAND型フラッシュメモリーの市場シェア(2022年第3四半期末)
出所:ブルームバーグの記事より筆者作成
半導体市場が一様に悪化しているのかというと決してそうではない。一部の分野では活況が続いている。AI半導体チップだ。AI技術の向上と同時にAIの性能を最大限に発揮できるAI半導体チップの開発競争が加速している。AI半導体チップとは、AIの演算処理を高速化するために設計された専用の半導体チップである。
AIが使われる範囲が拡大すると同時に、機械学習(マシンラーニング)や深層学習(ディープラーニング)が台頭している。AIの学習に必要な計算量は飛躍的に増加しており、汎用プロセッサだけでは処理が追いつかなくなっている。膨大な量のデータを高速に処理することができる、高性能で消費電力を抑えた専用チップを求める需要が高まっている。
ウォール・ストリート・ジャーナルの2月24日の記事「生成AIに沸く半導体業界、未来のドル箱狙う」によると、半導体メーカーが最新のハイテク技術を巡る熱狂に沸いていると言う。最小限の指示で文章を生成する注目の人工知能(AI)ツールは大量の演算能力を必要としており、半導体業界にとっては新たな成長の活路として期待が高まる。
2月に開催されたエヌビディア(NVDA)の第4四半期(2022年11-2023年1月)決算発表において、ジェンスン・フアンCEOは、AI技術が転換点に達したとの認識を明らかにした。「生成AIの多才さと優れた能力を目の当たりにし、世界の企業がAI戦略の策定・実行が急務だと考えるようになった」と述べた。エヌビディアはデータセンターで使われるAI向け半導体市場で現在のところ、断トツの首位に立っている。 記事では英調査会社オムディアの分析を引用し、エヌビディアは2020年時点で、こうしたAIプロセッサ市場で約8割のシェアを握っているとしている。エヌビディアは15年前から、AIとの相性が良いことが判明した自社のGPU(画像チップ)をソフトウエア開発者に利用させ、業界をリードする地位を築いており、少なくとも当面は、その支配的な地位から業界で最も利益を得る態勢にあると述べている。
●AI半導体チップ市場は10年で20倍以上に拡大する見通し
出所:VMRのデータより筆者作成
米調査会社のVMRによると、AI半導体チップ市場は2031年に2636億ドルになると予想されている。これは2021年の112億ドルに比較して約24倍の規模となる。市場の急拡大が期待され、業界全体に巨額の収益をもたらすと期待されている。エヌビディア以外の企業も黙って見ているだけではない。
クラウド事業を手がけるグーグル(GOOGL)やアマゾン(AMZN)がこの開発にこぞって乗り出しているほか、自社のパソコンに独自チップを搭載しているアップル(AAPL)もグラフィック性能や演算処理の高速化、消費電力の大幅な削減を実現する半導体チップの設計を手がけている。
資金力のある大手ハイテク各社による最先端分野への投資となるため、投下される資金は莫大なものになるだろう。「AI市場を制するものが世界を制する」とばかりに、今後、AI半導体チップの開発競争はさらに激しさを増すものと想定される。
マーケットナビゲーターの売買シグナル(ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
●NYダウCFD(日足)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●S&P500CFD(日足)
●ナスダック100CFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ドル/円(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
●ゴールドCFD(日足)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
日々の相場動向については、
ブログ『石原順の日々の泡』
https://ishiharajun.wordpress.com/
を参照されたい。
石原順 プロフィール1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のディーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファン ドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市 場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当 する現役ファンドマネージャーとして活躍中。