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「IwaiCosmo Market Topics」

2025年12月26日

2026年の注目テーマ・銘柄

投資情報センター長 林 卓郎 投資情報センター長 林 卓郎

  • 第二次トランプ政権とともにスタートした2025年は中国の格安AIモデルDeepSeekの登場や国内ではコメ価格急騰、1ドル140円付近への円高進行などで業績懸念が浮上するなか、4月の米相互関税の発表が衝撃を呼び全面安。日経平均で瞬間31,000円割れの場面もあったが、その直後から海外主要国とともに強い復元過程を辿った。関税交渉の進捗とともに業績期待や割安感を支えとして海外投資家から資金流入が加速、AIブームの本格化、デフレ脱却気運や企業改革・株主還元強化の継続なども背景に、内需関連やバリュー株も含めた幅広い物色姿勢が日本株優位の流れを演出した。

    2026年も良好なファンダメンタルズを支えにじり高展開を想定。高い支持率を維持する高市政権の政策期待が追い風と見られるうえ、米国では秋の中間選挙に向けた政策支援も期待される。関税負担が重荷となった本邦企業業績も新年度は2桁増益の期待が高く、年前半の株高地合いを支えよう。

    業績回復が遅れていた自動車や電子部品など輸出関連の見直しが期待されるうえ、「賃金・物価の好循環」を支えに、銀行はじめ内需関連の堅調地合いも維持されると見る。AI(人工知能)の関連分野の成長が引き続き日米産業の牽引役となろうが、一部バブル化懸念や競争激化の余波が短期波乱を呼ぶ場面がこれまで以上に多発するかもしれない。インフラやDXのみならず、AIエージェント(自律型)、フィジカルAI(ロボット等を自律制御)といった発展分野のすそ野拡大を支えに注目度は変わらないだろう。製造装置やFAなど設備投資分野に強みを持つ日本への追い風となる可能性も。

    政府成長戦略と関連する原子力発電、防衛、造船、ペロブスカイト太陽電池、宇宙、副首都構想は担い手企業の好業績とも相俟って引き続き存在感を示すと考える。アニメ・ゲームなどのIP(知的財産)も日本の強みとして引き続き注目されようし、2026年は大型スポーツイベントも話題。ミラノ冬季五輪、FIFAサッカーワールド杯、ワールドベースボールクラッシックでスポーツ関連企業への注目も続こう。

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    出所:各種資料をもとに岩井コスモ証券作成