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2025年11月11日
ネット取引統括部長 山形 光
11月11日と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?日本では「ポッキー&プリッツの日」として親しまれていますが、実は世界にはこの日を特別な日として祝う文化があります。今回は、11月11日の二つの顔、「サン・マルティンの日」と「生ハムの日」に焦点を当て、その背景と食文化の魅力をご紹介します。
聖マルティヌスの日:収穫と冬の始まりを告げる日
11月11日は、キリスト教の聖人である聖マルティヌスを記念する「サン・マルティンの日」です。この日は、聖マルティヌスが雪の中で凍える乞食に自分のマントを半分与えたという伝説に由来しています。まだ洗礼を受けていないローマの兵士だった聖マルティヌスの慈悲深い行いは、多くの人々に感動を与えました。
この日は、地域によって様々な民俗行事が行われます。
ポルトガル:栗を焼く香りが街中に広がり、夏から秋への移り変わりを感じさせる日です。
スペイン:冬に備えて豚を屠殺・解体する「マタンサ」という慣習があり、「それぞれの豚にサン・マルティンの日が来る」ということわざも生まれています。
スイス:カブやカボチャをくりぬいてランタンを作り、山車に乗せて行進したり、豊作を祈願して畑で焚き火をしたりします。
ドイツ南部:前夜には「狼払い」が行われ、若者や子供たちが聖マルティヌスに扮装して悪魔払いをする伝統があります。
プロテスタント:宗教改革を起こしたマルティン・ルターの誕生日(11月10日)と関連付けて、ルターを祝う意味でこの行事を行う地域もあります。
また、この日はガチョウを食べる日としても知られています。そして、この時期に訪れる穏やかで暖かい日差しは、主に英国で「聖マーティンの夏」と呼ばれ、小春日和として親しまれています。
11月11日は「生ハムの日」!その由来と多様な種類
そして、11月11日は一般社団法人日本生ハム協会によって「生ハムの日」と制定されています。これは、生ハムの生産が盛んなスペインで、古くから「サン・マルティンの日」に豚を加工して生ハムを作る習慣があることに由来しています。この日は、生ハムの美味しさと食文化をPRする目的で設けられました。 生ハムには様々な種類があり、それぞれに個性豊かな特徴があります。
生ハムの種類
ドライ生ハム:
塩漬けして熟成させたシンプルな生ハムです。素材本来の風味を存分に楽しめます。
ラックスハム:
煙で燻した燻製生ハムで、ドイツ産に多く見られます。断面が鮭の身のように鮮やかな紅色をしているのが特徴で、フレッシュで若々しい味わいが楽しめます。日本で作られる生ハムの多くはこのタイプです。
主な産地の生ハム
スペイン産
イタリア産よりも硬さがあり、噛むほどにコクと旨味が広がる濃厚な味が特徴です。
ハモン・セラーノ (Jamón serrano):
スペインの白豚を原料とした生ハムで、「山のハム」という意味を持ちます。比較的低脂肪であっさりとした味わいで、歯ごたえがあり、塩気はマイルドなものが多いです。1~2年熟成されます。
ハモン・イベリコ (Jamón Ibérico):
イベリア半島でドングリを食べて育ったイベリコ豚(黒豚)を原料とした最高級品です。香りが複雑で濃い赤色をしており、旨味とともに甘味が強いのが特徴です。
ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ (Jamón Ibérico de bellota):
イベリコ豚の中でも、放牧中にドングリや草などの自然の産物のみを食べて育った豚から作られる最上級品。ナッツのような芳醇な香りと、口の中でとろけるような濃厚な旨味が特徴です。
パレタ:
豚の前脚で作る生ハムで、ハモンよりも脂が少なくあっさりとした味わいです。適度な歯ごたえがあり、噛めば噛むほど甘みや旨みが感じられます。
イタリア産
さっぱりとした口当たりが特徴です。
プロシュート (Prosciutto):
イタリア産の生ハム全般を指します。スモークしないためクセがなく、風味もまろやかで塩気も強くないのが特徴です。
プロシュート・ディ・パルマ (Prosciutto di Parma):
イタリア・パルマ地区で生産される生ハム。まろやかで深みのある味わいが特徴で、厳選された豚もも肉と最小限の塩のみを使用し、やわらかく風味豊かです。
プロシュート・サンダニエレ:
アルプスからの乾燥した冷たい空気とアドリア海の湿った風が交じり合う独特の気候で熟成され、マイルドな塩味と独特の甘い風味を持つ生ハムです。
クラテッロ:
イタリア産生ハムの中でも希少価値の高い高級ハム。豚ももの一番やわらかいお尻周辺の部分だけを使用するため生産量が少なく、価格も高めです。お肉を塩漬けしてから香辛料を加えた赤ワインに漬け込み、豚の膀胱に詰めて乾燥熟成させます。
生ハムを楽しむヒント
生ハムを選ぶ際は、白豚かイベリコ豚かといった原料、18〜24ヶ月が食べやすいとされる熟成期間、そしてパンと合わせるなら甘みがあり塩気の少ないプロシュート、ワインと合わせるなら塩気の強いハモンといった食べ方によって選ぶのがおすすめです。また、繊細な味わいの生ハムは薄く、旨味の強い生ハムはやや厚めにスライスすると、それぞれの美味しさを最大限に引き出せます。
11月11日は、世界の食文化に触れ、美味しい生ハムを味わうのにぴったりの日です。ぜひこの機会に、様々な生ハムを試してみてはいかがでしょうか。
ブログを書くようになって「〇〇の日」を調べることが多くなりました。歴史や風習なども興味深いですし、マーケティングに活用している企業や団体の多さにも驚きます。銘柄選びの際は、上場している企業のHPなどで祖業など歴史を調べるのも楽しいですよ。深く知れば、その企業のファンにもなれますし、HPを見ればその企業が何を伝えたいかも理解しやすくなります。
是非、コスモ・ネットレのHPもご高覧くださいませ!