マーケットレポート

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「マーケットの最前線」

2020年8月 3日

第239回「米国株のシーズナリーチャートは節目に!・ラリーの日経平均予測」石原順

石原順 石原順

  • 株式市場はこれから弱い2ヶ月間に突入

    グッゲンハイム・インベストメンツのスコット・マイナード氏は、米政府がコロナウィルスの感染拡大に対して追加の救済策に合意できなければ、失業率が上昇し、株式市場が弱体化し、FRBが資産買い入れを拡大せざるを得なくなる可能性があると述べている。「今年はリスク資産にとって特に脆弱な時期にあり、市場は簡単に動揺する可能性がある」と言う。

    株式市場は季節的には一年のうちで最も脆弱な時期へと突入している。SentimenTraderによると、7月は相対的に好調な期間であったが、8月から9月にかけては弱い傾向にあるとしている。米国の株式市場はちょうど節目を迎えている。

    ●S&P500指数の季節性
    ①S&P500指数の季節性 20200803.png
    出所:SentimenTrader

    ●ナスダック指数の季節性②ナスダック指数の季節性 20200803.png
    出所:SentimenTrader

    30日に発表された4-6月期の米GDP速報値は前期比年率換算で約33%の減少となった。こうした非常に弱い経済データが今後も相次ぎ発表されることになるだろう。3月の安値から大きく戻してきた動きの大きさを考えれば、株式市場が一息つくであろうことは考えておくべきであろう。


    ドルは単に下落しているのではなく、クラッシュしつつある

    リスクオンでもリスクオフでも米ドルが売られている。これは今までになかった動きである。

    「米国では共和党の大統領がベーシックインカムを導入したようにみえる。もちろん、最初は『緊急対策の一環として』である。米国経済は政府支出(主に非生産的な無償の給付あるいは無益な戦争)とFRB(米連邦準備制度理事会)の膨れ上がるバランスシートに完全に依存するようになるだろう。」と、著名投資家マーク・ファーバーが危惧するように、FRBはルビコン川を渡り、後戻りのきかない道へと歩み出した。

    膨大な赤字を垂れ流し、2度と利上げできない米国のドルに対して、コロナバブルで能天気な市場も少しかんしゃくを起こしだしたのかもしれない。


    ●過去8度の大統領任期中の連邦債務と連邦準備制度のバランスシート
    2008年以降、連邦準備制度は議会にお金が「無料」であるという考えを与えた
    ③過去8度の大統領任期中の連邦債務 20200803.png
    出所:ゼロヘッジ

    ドル下落の動きと呼応して、ドルに対する懸念が広がっている。ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏はFOXビジネスに出演し、「ドルは単に下落しているのではなく、クラッシュしつつある。ゴールドやシルバーの価格が示していることはドルの価値がパワーを失っていることの表れだ」と指摘した。ドルはこのまま下げ続け、どこかで崩壊するのだと言う。

    さらに、ドルの暴落によって、これまでなかったような経済危機が引き起こされるとしている。その危機において、政府や中央銀行は、買入れた債券を投げ売りし、金利が急上昇し、歳出を削減、あらゆる刺激策をストップせざるを得ない状況に追い込まれるとしている。これに対してシフ氏はドルを手放すことが重要だとしている。そして、ポートフォリオにゴールドやシルバー、鉱山株を加えることを勧めている。鉱山株はドル建てで10~20倍になるとコメントした。

    ドルの崩壊を指摘しているのはシフ氏だけではない。ゴールドマンの著名コモディティ・ストラテジストであるジェフリー・カリー氏は、「基軸通貨としての米ドルの寿命をめぐる本当の懸念が浮上し始めている」として、シフ氏同様、ゴールドやシルバーへの投資を取り上げている。


    ●ドルインデックス先物(日足)
    ④ドルインデックス先物(日足) 20200803 .png

    ゴールド価格は急上昇し、実質金利を上回っている他、ユーロや円といった主要通貨に対してもアウトパフォームする動きとなっている。


    ●金価格は急上昇しユーロや円といった主要通貨に対してもアウトパフォーム
    ⑤金価格は急上昇 20200803.jpg
    出所:ゼロヘッジ

    カリー氏はゴールドに対して強気の理由として2点挙げている。一つ目は、「欧州と米国の両方でETFの追加が高水準で推移しており、ゴールドへの投資需要は引き続き旺盛である」こと。2つ目は、富裕層によるゴールド地金の購入が多く、スイスにおける純輸入の在庫が記録的なペースで増えていると言うこと。価格見通しを1トロイオンスあたり2300ドルに引き上げている。ドルの動きが下を目指す中、ゴールドはますます輝きを増しそうだ。


    ●ゴールド先物(月足)
    ⑥ゴールド先物(月足) 20200803.png

    ●スイスにおけるゴールドの純輸入の在庫が記録的なペースで増えている
    ⑦スイスにおけるゴールドの純輸入 20200803.jpg
    出所:ゼロヘッジ


    ラリー・ウィリアムズの日経平均予測

    米著名投資家ラリー・ウィリアムズは日経平均の見方を変えてきた。

    「日本の株式市場はここ数週間、ファンダメンタルズ予測に沿った動きです。プロフェッショナルが先週から買い始めているので、マーケットはリバウンドしそうです。しかしながら、日経225の戻りをショートしたいです。日経は●月まで下降すると思うからです。日本の株式市場はアメリカの株式市場を追っています。」


    ●ラリー・ウィリアムズの日経平均予測
    ⑧ラリー・ウィリアムズの日経平均予測 20200803.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2020年8月3日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。



    日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』
    https://ishiharajun.wordpress.com/
    を参照されたい。



    石原順 プロフィール
    1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のデーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。
    相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。

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